団地のバルコニーをリノベーション

団地再生物語 | 2017.8.22

以前のコラム「バルコニーを縁側のように使う」や「庭のある団地の暮らし」では、日本ではあまり活用されていない、バルコニーや庭の活用方法を考えて提案してみました。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは室内のリノベーションを中心に行ってきましたが、今回は、バルコニーの新しい使い方について考えていきたいと思います。

下記の間取は、一般的な団地の1階のバルコニー部分です。

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一般的に団地の1階のバルコニーは南側のような日当たりの良い方向にあり、住まいの中でとても良い場所にあります。
陽当たりや風通しといった団地の外部環境はとても豊かで、それを室内からだけでなく、バルコニーでも体感できると気持ちよさそうです。また、上階のバルコニーが庇(ひさし)となり、日差しは適度にさえぎられます。

しかし、床はコンクリートかシートになっていることが多く、殺風景に感じられることが多いです。
また、手すりがコンクリートであれば、外部からの視線は遮られますが、風通しは悪くなります。植物を置いてみても、外から見て彩りになるということもあまり期待できません。
となると、せっかくの良い場所にあるバルコニーも、洗濯物を干すスペースとしては使えそうですが、くつろぐような場所としては少し物足りなく思えます。

そこで、下記の様なリノベーションを考えてみました。
室内と同様に、できる限り使える部分を生かしながらリノベーションしています。バルコニーの面積を庭部分に広げ、ダイニングテーブルとイスを置いてくつろげるスペースができました。

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ウッドデッキの床は、室内のフローリングの延長とし、段差が出ないよう、高さをできる限り合わせています。
バルコニーのコンクリートの手すりは残し、その上にデッキ材で上に物をおけるくらいの幅のカウンターをつくってみました。植物をおいたら彩りを加えることができそうです。高さがすこし高いので、バーカウンターのような使い方をしても良いでしょう。
上部は、上階からの落下防止と陽射しを柔らかく遮るためにデッキ材でルーバーにしたので、夏でもバルコニーで過ごしやすくなります。壁と天井が適度に囲われているので、落ち着いて過ごせる空間になりそうです。

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いかがでしょうか。限られた面積の室内だけでなく、外部空間を使い室内の延長として使うことで暮らしの可能性が広がります。みなさんのご意見をいただければと思います。