団地をホテルにする
団地再生物語 | 2013.11.5
今回は、少し突飛な話をしてみましょう。団地の一部を滞在型ホテルにするという提案です。
ホテルといっても、海外からの旅行者のために、少し長く使うことができる「滞在型の部屋貸し」というのはどうでしょうか。リノベーションをしたキッチン付きの部屋を貸すのです。
団地は多くの場合、交通の便もよく緑も豊かな閑静な場所です。こうした団地の再生に、海外の特に若い人に来てもらい、一緒に団地の良さを感じてもらうというアイデアです。
日本の人口も減少し、ますます空き家は増えていくことでしょう。投資をし、価格を安くして市場の競争力をつけるというのもありますが、結局どこかにしわ寄せがくるだけの話です。
であるならば、徹底して空いた場所を他の用途に変えてみることを考える。そして用途だけでなく、団地の価値を世界に発信するという構想です。
たしかに少し突飛であるかもしれません。インターネットの発達した現代、最近では自分の使っていない部屋を一定の期間、旅行者に貸すというようなサービスもあります。大きな投資をしなくても、ホテルのような使い方を考えていくことはできるでしょう。
そしてもう一歩進んで、団地の中でこうした海外の旅行者と一緒にイベントをしたり、訪れたアーティストと一緒にワークショップをしたりするのも、住人にとって楽しいかもしれません。
なかには、気に入って日本に住み始める若者もいるかもしれませんし、英語教室をしたり、文化交流をしたり、空いた部屋を利用してカフェをするというような人も現れると、団地は楽しい場所になるに違いありません。
団地はいま、リノベーションなどが行われつつあり、その価値の見直しが始まっています。しかし、自分たちの持っている価値は、自分たちではなかなか気付かないものです。
外からやってくる人を「風の人」という言い方をしますが、その「風の人」が日本の古い団地の良さを見直し、住人たちがそのことに気づき始めるきっかけがつくられればと思うのです。
そしてそのことが、ますます空いていくであろう日本の団地再生の新たな取り組みの方法の1つになればと思うのです。
もちろん、いまの団地のルールでは部屋をホテルにしたり、カフェなどのお店をつくることは難しいのですが、しかし方法はあるかもしれません。海外の旅行者が使うだけでなく、国内の旅行者が使うということも考えられるでしょう。
いかがでしょうか、団地を滞在型のホテルにするというアイデア。皆さんのご意見をお待ちしています。