いつもの場所がもしもの場所にも。SE構法で建てられた『無印良品 日田』がオープンしました

#大空間推し | 2024.10.18

耐震性と自由な空間設計が魅力の建築工法、SE構法。SE構法で建築された素敵な施設をご紹介する企画「#大空間推し」の第四弾です。
今回訪れたのは大分県日田市。三隈川の中洲に、無印良品としては2店舗目となる木造独立路面店『無印良品 日田』が9/27(金)にオープンしました。

地域の人々が集う場所に

約2100㎡の大きなお店で、写真に収めるのが大変なほど。県内最大級の広さと品揃えを誇ります。さて、この#大空間推しでこのお店を紹介するということは……そう、『無印良品 日田』はSE構法を使ってMUJI HOUSEが建てた建物なんです。

MUJI HOUSEの木造店舗建築について詳しくはこちら >

お店の中へ入ってみると、敷地面積の広さだけでなく天井高にも驚きます。SE構法だからこそ叶う大空間にやわらかな木の香りが漂っており、思わず深呼吸したくなるような開放感。

店内中央には、なんと四方をガラスに囲まれた中庭がありました。もちろん中庭に出ることも可能です。

お店の真ん中をくり抜いたような形になっており、屋根もありません。この青空への抜け、大空間好きにはたまらない。晴れた日にはここでゆっくりとコーヒーを飲んだり、日なたぼっこをするのもおすすめです。仕事終わりにふらっと、休日のお散歩コースにetc…地域のみなさんの“いつもの場所”になりそうな予感。

地域産業の支援や物流コストの低減のため、中庭にある丸太のベンチやお店の外壁材の一部に、日田市で採れる「日田杉」を使用しています。より深い意味で、地域に根付いている感じがしますね。

もしものときにも来てください

ちょっとだけ専門的な話になりますが、この『無印良品 日田』は『ZEB』(カギゼブ)認証を取得しています。ZEBは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略で、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロかマイナスにすることを目指した建物のこと。高性能断熱材の使用、建物全体のエネルギーエネルギー使用を管理するシステムの導入、太陽光発電と蓄電池の活用などで、省エネ・創エネを実現しました。かなりざっくりと説明すると、この建物で使うエネルギーはこの建物自体で創ることができる、ということです。

太陽光発電でエネルギーを創り出しているため、有事の際にもいち早く店舗機能を回復し、物資をすぐに販売することができます。また太陽光発電とバッテリーを稼働させた「充電ステーション」もすぐに開設可能。携帯電話などの充電が可能です。

こういった被災者支援としての機能を備えているのも『無印良品 日田』の特徴。ここからは、そんな「もしものとき」の機能をご紹介していきましょう。

まずは、SE構法の大きな特徴である高い耐震性。無印良品の家でも見覚えのある、丈夫な柱によって支えられています。もちろん面積が広い分、柱の太さも4倍に。地震の際に、安全な広い空間を提供できます。

お店の裏手にも素敵なベンチが並ぶ休憩スペースが。これもただのベンチではないのです。「かまどベンチ」といい、座面になっている木の天板を外して、かまどのように火を起こすことができるというもの。災害時には炊き出しなどに役立ちます。

駐輪場部分には、下水道と直結できる「マンホールトイレ」を備えました。

こんなにたくさんの備えがあるなんて。心なしか、どっしりとした外観が最初よりも頼もしく見えてきます。

地域の方々の「いつもの場所」、そして「もしもの場所」にもなれる『無印良品 日田』。近くへいらした際にはぜひ覗いてみてくださいね。


無印良品 日田
大分県日田市大字庄手字堤ノ外648-71
営業時間:10:00~20:00