団地と暮らしとジャズ喫茶

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第3木曜日の福祉と暮らすラボ

2022年 10月 14日

第3木曜日の福祉と暮らすラボ

「中庭」は、ジャズ喫茶を中心としたシェアキッチン・スペースで、私たち夫婦の他にも定期的にこの場所で活動している仲間がいます。

今回ご紹介したいのがその中の1つ、理学療法士と介護福祉士の2人が中心となって場をつくっている「福祉と暮らすラボ」です。北本市社会福祉協議会の職員さんらと一緒に、第3木曜日の午前10~12時、だいたい毎月開催しています。

彼らがテーマにしているのは、『日常の暮らしを少し豊かにすること』。
毎日の生活に絶対必要なことではない、無くても困らないけれど、あったら・やってみたら、少し暮らしが豊かになることのお手伝いができたら、という思いで集まっています。
無くては困ることを仕事にしている彼らが、それだけでは叶えられないことに取り組む姿勢に尊敬の念を抱いています。

団地にお住まいの人はもちろん、近隣の方々もその時間をめがけて足を運んでくれています。
一杯ずつ丁寧に淹れてくれるコーヒーを飲みながらおしゃべりしたり、お買い物したり、ハンドマッサージを受けたり。

こどもも、働き盛りも、お年寄りも。世代を超えてコミュニケーション。

採れたて新鮮野菜やコーヒーや、福祉作業所のパンの販売。どれも美味しく好評。
豆のこだわりなど聞きながら、コーヒーができるのを待つのも楽しい時間。

「中庭」向かいのベンチで、コーヒータイムを楽しむおばあちゃんたち。

お花屋さんのドライフラワーアレンジが並ぶ日も。

無印良品 エルミこうのすの出張販売。

エルミこうのすの店長さんが「中庭」での様々な活動に興味を持ってくれていて、「福祉と暮らすラボ」にはほぼ毎回来てくれています。
団地にはスーパーもあり日々のお買い物はそこで十分なのですが、“これ楽しんでもらえそう”を選んで持ってきてくれます。こんなのあったらいいな、という声にも応えてくれる店長さんです。
遠出することが難しくなってきた方々の楽しみとなっています。

そんなふうにホロリと緩まる時間を過ごしていると、会話の中から少し手を貸したら叶えられそうなことがポロッと出てきたりします。

その中の一つに、小唄を長く続けているおばあちゃんが、ここ数年は発表する場がないという話がありました。
それなら、「中庭」でやってみませんか?
と、福祉と暮らすラボのメンバーから夫へと話は繋がり、少しずつ動いていきます。

この話が出始めたのは昨年の秋頃。
小唄の会が開催されたのは今年の6月。
今思えば、みんなのタイミングがなんとなく揃うまで、じっくりと待っていた感じがします。
話が立ち消えることもなく、急かすことなく急かされることもなく。

映画の中でしか見たことがない、宴会のお座敷の傍にありそうなセッティング。小唄で演奏する人たちが自分でチラシも舞台もつくります。

満席の店内。これまでの「中庭」のイベントで、団地の高齢者が一番多く集まった時間でした。

小唄の会は大盛況に終わりました。
団地に住んでいる方々がたくさん来てくださったことも、小唄の会が開催できたことも、「中庭」にとって大きなことだったと思います。

色んな人が繋がっていくことで、思いもよらないことが起こっていくのを日々実感しています。
北本団地の中に流れている空気感と、集まる人々の相性なのか。
無理に進めて得られるものではなく、自然にそうなっていく面白さがあります。

今月の「福祉と暮らすラボ」は、\10/20(木)10時~12時/
お近くにお越しの際には、のぞいてみてください。

※色々な場面をご紹介するために選んだ写真なので季節がバラバラですが、全体の雰囲気を感じてもらえたらと思います。

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このブログについて

自由な交流の生まれる自分たちの場所としてジャズ喫茶をつくるべく、埼玉県北本市のUR北本団地商店街に移り住んだコントラバス奏者とごはん屋さんの落合夫妻が、団地と暮らしとジャズ喫茶「中庭」で起こるいろいろをお届けします。

お店を持ちながら暮らす、新しい団地の住まい方レポートです。

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