□　8月8日。金剛団地は、いつもちょっと涼しい。

先月の末に、団地の中の銀座商店街で開かれていた“軽トラマルシェ”に行ってきた。
関西スーパーにあった掲示板でたまたま告知を見かけて、うちに遊びにきてくれた職場の後輩のキナリちゃんと一緒に、手ぶらでふらっと。
「野菜買ってやー！」と話しかけてくれた団地のおっちゃんによると、このマルシェは毎月第4土曜日に開催してるんだって。
ポップコーンに手づくりのパンや焼き菓子、わたがし、地元の野菜！ ついつい、おいしそうな野菜をたくさん買っちゃった。隣を見たらキナリちゃんがわたし以上にナスやぶどうを買い込んでた。

ずっと気になってたお肉屋さん（亜登夢ミート）のコロッケも食べた。肉コロッケ、80円。キナリちゃんのカレーコロッケは60円。
「おいしー！」ってふたりで叫んだ。揚げたてのサクサクがびっくりするほどおいしかったし、気さくなおばちゃんがおもしろくて惚れちゃった。これは、通おう。

夜は金剛団地の住人たちが集まる持ち寄り会。
うちにあった無印良品のレトルトカレーやお菓子を持って、キナリちゃんと一緒に参加した。わたしたち、食べてばっかりだね……。
一品なにか食べものを持ち寄って、バイキング形式にしてみんなで分けあって食べながら、わいわい賑やかにお話。
団地ってこんな集まりがあるんだね！ マンションやアパートでは考えられない。でも人が集まっておいしいごはんがあれば、こんなに楽しい時間をすごせるんだな。
やっぱりわたしは、みんなで食べるごはんが大好き。

□　8月10日。星がきれいだったから夜散歩。

この金剛団地に引っ越してきて、もう半年かー。
都会に住んでいたときは、どこか忙しさや人の多さに駆け抜けていた感じがして（そりゃあもちろん前のくらしだって自分でえらんだものだし、大好きだったけど）。
速く走っていたぶん見逃していた風景を、いまこのゆったりとした金剛団地で、ひとつずつ拾って眺めて、宝箱にしまっているような感覚だな。たとえば朝の空気のおいしさとか、緑の奥の土のにおい、外灯の少ない場所で見る星空とか。そういうもので身体を満たしたら、なんかまたいろいろ頑張れそうな気がする、単純なわたし。

□　8月13日、迎え盆。ご先祖さまは無事に帰ってきたかな。

このまえ軽トラマルシェで仲良くなったおばちゃんに「金剛団地の盆踊り、毎年盛り上がってるよ」とおすすめされたから、キナリちゃんと一緒に張り切って浴衣を着て行った！
会場の金剛中央公園にはたくさんの人と夜店、にぎわい。ぷかぷか浮かぶ提灯に照らされながら、踊りの上手いおばちゃんの真似をしてなんとか踊って、5曲も踊ると汗をかいた。盆踊りって真剣に踊ったら、こんなに楽しいんだね。
小さなこどもがわたしたちの後ろで楽しそうに踊っていた。その近くで、お父さんとお母さん、通りすがりのおじさんたちもニコニコしながら見守っていた。わたしにもいつかこどもができたら、こういうやさしい町で、のびのび育ってほしいな。と思った。

団地の中の公園で、ひまわりが太陽に向かってぐんと背筋を伸ばして咲いているのを見て、夏だーって思った。
団地って、大きなひとつの公園みたいだ。たとえば春のためには桜がたくさん植えられていて、梅雨は紫陽花、サルスベリ、そしてひまわり。カレンダーの上じゃなくて、花や植物で季節の移ろいを感じられるって、なんか良いね。

MUJI Labo 麻の葉柄・浴衣