第4期第7回 「30年後の団地暮らし」について

第4期 2017年〜 | 2018.9.25

団地がもっと長く、何百年も使えるようになったらどうでしょうか?
そうすると築200年の団地に住めるかもしれない。団地周辺の自然がさらに育ち、鎮守の森のような豊かな環境になっているかもしれません。公園や森の中に住むような感覚かもしれません。

200年後を想像するのは難しいので、まずはいまから30年後の暮らしを考えてみませんか?
いま築50年の団地が、築80年になるときです。いま40歳代であれば70歳代になり、仕事をやめているかもしれない、自分で仕事をしているかもしれない。また、寿命が延びて100歳まで生きていくことが普通になっているかもしれません。

30年後、そのときに誰と、どんな住まいに住み、どんな暮らしをしたいのか。これからどんな未来が来るか、あるいは来てほしいかを想像して暮らしがどう変わるかを考えてみませんか。みなさんのご意見をお聞きしました。

●回答総数:9,664名
●実施期間:2018年8月21日(火)~8月28日(火)

回答者のプロフィール

年代
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世帯形態
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現在のお住まい
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Q あなたの30年後は、誰と、どこに、どんな家に住みたいと思いますか?

誰と どこに どんな家に
1位 夫婦・パートナーと 郊外に 戸建て(所有) 35%
2位 夫婦・パートナーと 都会に 集合住宅(所有) 19%
3位 夫婦・パートナーと 都会に 戸建て(所有) 16%
4位 子供と 郊外に 戸建て(所有) 10%
5位 ひとりで 都会に 集合住宅(所有) 8%
6位 夫婦・パートナーと 郊外に 集合住宅(所有) 8%
7位 夫婦・パートナーと 都会に 集合住宅(賃貸) 7%
8位 夫婦・パートナーと 郊外に 戸建て(無印良品の家) 7%
9位 夫婦・パートナーと 山奥、離島、辺境に 戸建て(所有) 6%
10位 ひとりで 都会に 集合住宅(賃貸) 6%

希望する組み合わせを3つまで選択していただきました。

夫婦・パートナーと郊外に戸建て(無印良品の家)
「便利で暮らしやすい街」から「生きやすい街」へと価値観がシフトしてゆく中で、大切なものと大切にできる環境を自らの手でつかみ取って行ける住まいを大切にしてゆきたいと考えているから。(東京都/50代/クリエイティブ職系)

夫婦・パートナーと都会に戸建て(所有)
今の彼氏と都会に住むことが、現時点で、1番の夢。

友人・知人と都会に戸建て(賃貸)
もし彼氏と別れたら、友達と都会で2人暮らししてみたい。楽しそうだから!(東京都/20代/学生)

友人・知人と郊外にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)
理想の夢の住まい。(神奈川県/20代/学生)

ひとりで都会に集合住宅(所有)
ひとりで都会に集合住宅(賃貸)
ひとりで都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)

「私の希望する順番」として考えてみました。30年後は90歳です。生きてると仮定して、最後の日まで、自分で自分の身の回りの事をしたいと、強く願っているから、この選択をしました。(大阪府/60代/アルバイト・パート)
ひとりで都会に集合住宅(賃貸)
友人・知人と都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)

学校を卒業し、就職した際の現実的な夢の住まい。
夫婦・パートナーと郊外に集合住宅(所有)
子ども家族の近くに住みたいと思うが、一緒に住みたいとは思わない。自分の子ども時代は郊外で育ったので、仕事をやめたら郊外に行きたい。老いてからの戸建の管理は大変だと思われるし、集合住宅にも住み慣れているので集合住宅で良い。(神奈川県/50代/アルバイト・パート)
夫婦・パートナーと都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)
自宅所有希望はありますが、子どもに片付けをさせたくないので、自分たちのことは自分たちでかたづけられるようにしたいので、自宅は所有せずにその時その時に合わせた暮らしをしたい。(北海道/40代/専門サービス職系)
夫婦・パートナーと郊外に戸建て(所有)
夫婦・パートナーと都会に集合住宅(賃貸)

広すぎず、その時に合った環境で生活したい。所有の戸建ては災害に直面すると必ずしも良いとは思えなくなってきた。月々の家賃支払いを抑えて家具等モノに価値を置き、貯蓄をしながら転居していくのも方法かと思う。(沖縄県/30代/専門サービス職系)
夫婦・パートナーと都会に戸建て(賃貸)
夫婦・パートナーと海外に集合住宅(賃貸)
友人・知人と都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)

高齢になると車を使わない方が良いのではないかという考えから、都会を選びました。老後の生活資金などを考えて、海外に移住することも視野に入れています。夫婦どちらかが先に旅立ったら、シェアハウスのような感じで友人たちと暮らすことも最近ではよく話にあがります。(東京都/40代/専業主婦・主夫)
夫婦・パートナーと都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)
ひとりで都会にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)
ひとりで海外にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)

子供がいないので田舎の不便な所で老夫婦は生きていけないと思うし、田舎暮らしに憧れもない。(兵庫県/40代/アルバイト・パート)
夫婦・パートナーと山奥、離島、辺境に戸建て(所有)
周りの目を気にしないような生き方がしたい。見た目を磨く事ばかりに一生懸命な生き方に疲れたので、他にも一生懸命になれる暮らしがしたい。(東京都/30代/アルバイト・パート)
ひとりで郊外に集合住宅(所有)
子供と郊外に集合住宅(所有)
夫婦・パートナーと郊外にシェアハウス(老人ホーム、グループホーム含む)

全部の時間を自分一人の為に使える暮らしをしたことがないので経験したい。マンションが気楽で好きです。草むしりは大嫌い。庭はいらない。子供となら気を使いつつも生活できるかも。パートナーとなら何らかのシェアハウスがいい。87歳という高齢になってまで、人のためにつくすとかあり得ない。(福岡県/50代/専業主婦・主夫)
夫婦・パートナーと都会に集合住宅(所有)
夫婦・パートナーと郊外に集合住宅(所有)
孫・ひ孫と都会に集合住宅(所有)

田舎すぎると外出するのも億劫になるので、ある程度の都会で夫と楽しくマンション暮らしをして程よく刺激のある生活ができたらと考えています。(京都府/30代/公共サービス関連職)

Q あなたの30年後は、どんな働き方をしていると思いますか?

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Q あなたの思う、30年後の理想の働き方をお聞かせください

[自営]
自分のペースでできる限りのことをして、時間に追われることなく、かつ自分のやりがいを持ち続けるのが理想。(奈良県/40代/公共サービス関連職)

[自営]
今は、美容師として店舗を借りスタッフを雇い仕事をしているが、この先、家賃、人件費を気にせず、半ばボランティア的に改造車でお客様の望む場所に出向いて気楽に仕事できるのが希望!(長崎県/50代/経営者)

[地域ボランティア]
30年後はもう70歳を超えているので、賃金を伴う仕事ではなく、地域のボランティアなどで働いていたい。健康であるならば。(福岡県/40代/販売・サービス職系)

[現在の仕事を細々続けている]
自分の生活のためだけでなく、次世代や海外の人の生活を潤す知識や技術を提供していく。(大阪府/50代/専門サービス職系)

[都会で働く]
平日は夜まで働くが、休日はしっかり休んで綺麗なものや景色をみて感動できるような心を持っていたい。(神奈川県/20代/専門サービス職系)

[テレワークで働く]
どこでも、いつでも働ける場所と時間がに束縛されず、一人一人のライフスタイルに合わせて仕事できると良いなあ(沖縄県/30代/一般事務・企画・経営関連職系)

[郊外で働く]
郊外に戸建てを持ち、そこで漫画家をしている。発達した通信機器があるので、出版社には滅多に出向く必要はない。描画ソフトがあるので、アシスタントはいない。虚弱な自分の身体に合った、静かな働き方をしている。(愛知県/10代/学生)

築200年の団地が存在していくとして、30年後の団地暮らしはどうなっているか想像してください

Q 30年後の団地暮らしには、何があったらいいと思いますか?(複数回答)

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Q 30年後の団地暮らしには、何が足りないと思いますか?

団地住民が気軽に利用できる「集会所兼葬儀場」。普段は子供たちのスクールや大人の習い事、しかし本来の目的は葬儀場としてフル活躍。住民の皆でお悔やみしたいと思う。「公園兼共用墓場」。死んだ住民は団地内の公園にある共用墓場を誰でも利用できる。若い世代もいつか自分がお世話になる。墓を自分で持つ時代は終わり。カーシェアより墓場シェア。揺りかごから墓場までの団地を求めます。(愛知県/40代/専業主婦・主夫)
家族が遊びに来たらたら低料金で宿泊出来る施設。高齢化社会になっていても安心して暮らして行けるように、敷地内に病院があってもいいと思います。(北海道/30代/アルバイト・パート・フリーター)

公共交通機関もしくは高齢者専用無料タクシー。これがあれば、田舎暮らしで、自家用車を手放しても暮らせる。(兵庫県/40代/一般事務・企画・経営関連職系)

縁側。ウチでもソトでもないような。廊下でも居間でもなく。なのに語らいが生まれる場。(京都府/50代/経営者・管理職)

住むことだけではなく、畑をする時間、買い物をする時間、集まる時間、などを過ごせたら良いなと思います。団地ひとつ丸ごと、色々な時間を過ごせる大きな環境になったらいいなと思いました。(兵庫県/30代/専業主婦・主夫)

銭湯があるといいなと思います。最近タワーマンションにも大浴場付きの物件をよく見かけます。大きいお風呂は手軽にリフレッシュできますし、付いていたら頻繁に通うと思います。(東京都/40代/一般事務・企画・経営関連職系)

オシャレさ。団地は質素だったり簡素なイメージが強い思うので、ある程度の期間で内装をリノベーションしてその時のオシャレさが団地にもあればいいなと思います。オシャレと言っても派手なオシャレではなく、シンプルなオシャレさがあれば良いなと思います。(静岡県/30代/専業主婦・主夫)

その頃はSNSを使えない人が殆んどいない世の中だと思うので、メールや電話にすぐに対応する、団地の生活全般にサービスやアドバイス、サポートをするステーションがあれば、安心で便利。(埼玉県/50代/一般事務・企画・経営関連職系)

Q 30年後の団地のまわりの環境はどのようになっていると思いますか?

30年後にはこどもが減り、お年寄りが多い社会になると思います。公園と言うよりは、芝生や緑のある広場や、ペットと一緒にくつろげる場所などがあってもいいかなと思います。(群馬県/30代/専業主婦・主夫)

あいさつをかわしても不審がられないご近所付き合いがしたいな。(山梨県/20代/学生)

ありがちな表現ですが、多様性の認められる社会。できればそれが前提とした教育を受けた子供たちがたくさん住んで、大人を柔らかくできる環境が望ましい。縄張り意識より、共生社会、優しい社会と開かれた団地があれば良いと思う。(神奈川県/30代/専業主婦・主夫)

リアル環境というより、ネットなどの情報環境を活用して、外部とアクティブにつながるというのが現実的だと思います。(東京都/40代/商工自営業・フリーランス・SOHO)

今より自然環境は厳しくなってきていると思うので、クールシェアリングなどができて、各戸の光熱費の負担が下げられると良い。(神奈川県/40代/専業主婦・主夫)

人手不足で草木の手入れが行き届かなくなる。ですが、癒しの環境は求められるので、人手不足でも手入れしやすい環境になっていればなと思います。(滋賀県/30代/販売・サービス職系)

三世代と言うのが理想なのかもしれませんが、もしかしたら世代ごとの団地があってもいいのかもしれません。ファミリー層の団地の周りには公園、お年寄りの層の団地の周りにはみんなで集まれる憩いの場やデイサービス的なもの、単身者の層の団地の周りにはコンビニやタクシー乗り場等、ニーズに合わせた団地があってもいいのではと思います。(大阪府/30代/専業主婦・主夫)

Q 30年後の団地にはたくさんの人が暮らしているとして、集まって住むことで、何ができると思いますか?

お互いに頼り合える。子供の面倒を得意な人に見てもらったり、料理が得意な人は作ったり。それぞれの好きなことや能力を発揮して、みんなが活躍し、遠慮せずサポートし合う。(神奈川県/30代/公共サービス関連職)

お互いに飼っているペットを預け預かり出来るシステムが確立すれば、ペットに関するトラブルも少なくなり、飼い主も気兼ねなく出掛けやすくなると思います。(兵庫県/40代/クリエイティブ職系)

お祭りなど、数人ではたのしめない、大人数ならではのことができるといいと思う。(東京都/30代)

外国人も増えると思うので昔よりも異文化コミュニケーションは発達すると思う。いい方向に動けば子供にとって良い環境になるはず。(東京都/20代/販売・サービス職系)

ちょっとした仕事を頼んだり引き受けたりできる掲示板があると良い。一律500円くらいで、「家具を動かしたいので手伝って!」とか、「美容院行くので子供2人を1時間預かって!」とか。時間がある人が小遣い稼ぎにアルバイト感覚で引き受けてくれれば外注するより安いし身元も確かなので安心。(東京都/40代/専業主婦・主夫)
シェアリングエコノミーの観点が、もっと暮らしに溶け込むと思います。車やキャンプ用品、楽器、など高額だけど持てたら嬉しいものを共有できたら、集合住宅を選択するきっかけになるかもしれないです。今戸建に住んでて、シェアリングエコノミーが全くないのを不便に感じているので。(千葉県/30代/公共サービス関連職)
各自が持ってるスキルを提供しあえることができたらいいなぁ。「お祭りで浴衣を着たい…」「ゆかたや着物を着せられる人いますか?」「はい、私でよければお手伝いしたり教えることができますよ。」みたいな。過干渉になりすぎるのは辛くなりますが、お互い距離感を見極めて付き合えたらいいなぁと思います。(東京都/30代/専業主婦・主夫)
何かできなくてもいいと思う。人の風通しが良くなればそれで良いと思う。現役世代の人、若者、子供、老人、外国人の人々が当たり前のように住める団地ならば、同じ間取りではなく、いろんなタイプの部屋や、ショップや、ゲストハウス、事務所など多様なスタイルがあるだろうし、あらたまって何かしなくても何かできちゃうような気がします。(北海道/50代/商工自営業・フリーランス・SOHO)

エレベーターのない5階建ての団地の30年後についてお聞きしました

エレベーターがなくても、眺めの良く、陽当り・風通しが良い5階に住みたいと思う

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階段を上がるロボットなどで5階までサポートしてもらえれば住みたい

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ネット通販、テレワークが発達し、日常的に外に出る必要があまりないので気にならない

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Q エレベーターのない5階建ての団地は、どんな条件だったら住みたいと思いますか?

ネットスーパーや宅配がしやすいよう、手紙や宅配ボックス内荷物も下に取りにいかなくてもいいような仕組み。(埼玉県/20代/専業主婦・主夫)

エレベーターがないならエスカレーターがあると良い。エレベーターよりもエスカレーターか、ベルトコンベアみたいなのが良いかな。(埼玉県/30代)

以前両親と住んでいましたが、自分が子供で両親が若い頃は5階はとても風通しが良く眺めも素晴らしく住み心地抜群でした、が、両親が年を取り長年の階段上がり下りで膝を痛めてしまいました。当時下の階へ移るには完全に新しい契約になってしまうとの事で、団地を出る事になりましたが、気軽な部屋交換システムがあったら良かったと思いました。(東京都/40代/アルバイト・パート・フリーター)
ダストシュートがあって、ごみ出しの必要がない。(鳥取県/40代/専門サービス職系)

若い人が上、年寄りは下の階にしたらいい。でないと身体的な問題はきつい。地震あっときにげおくれが心配。(鹿児島県/30代/専門サービス職系)

階段を上り下りすることでポイントが入る。たまったポイントで食品や団地内のサービスと交換できる。(埼玉県/30代/公共サービス関連職)

5階の住人のみルーフトップガーデンが付いているなら。(京都府/20代/学生)

5各階に駐車場があり、車のまま5階まで行く事ができる。(広島県/30代/専門サービス職系)

屋上庭園や畑、公園、BBQ施設など、屋上で色々楽しめる設備があれば、屋上に登る頻度が多くなり、日常的に上の階に住むことが億劫にならない。(静岡県/40代/一般事務・企画・経営関連職系)

まとめ
30年後の住まいは、「夫婦・パートナー」と「郊外」に「戸建(所有)」が一番多く、35%となりました。2番目に多かったのが、「夫婦・パートナー」と「都会」に「集合住宅(所有)」となっており、郊外であれば戸建て、都会であればマンションという住まいを考えている方が多くなりました。「誰と」については「子供と」よりも「夫婦・パートナーと」が一番多く、子供とは同居しないのが理想的と捉えられているようです。

30年後の働き方については、「自宅の近くで働く」方が一番多くなりました。通勤電車で都会のオフィスに通うよりも、自宅の近くで働きたいということでしょう。また、年代の若い人ほど、「郊外で働く」方が多くなりました。郊外で働きたいのは、都会のオフィスワークとは違った働き方を考えているのかもしれません。30年後には基本的に引退して無理しない範囲で働くというご意見がたくさんありました。

30年後の団地暮らしにあったらいいと思うものは、「コンビニ・宅食サービス」が66%と一番多くなりました。室内に目を向けると「断熱性の高い快適な空間」が41%と高くなり、省エネ性の高い住まいが今後求められていくかもしれません。

集まって住むことのメリットでは、住民がお互いに頼ったり、さまざまなモノ・コト・スキルをシェアすることでコストを下げたり、コミュニケーションをとったりするご意見がありました。さまざまな人が住みやすくなるようなソフトつくりも大切になっていきそうです。

エレベーターなしの団地の5階に住むことについては、30年後の年齢を考えると難しいと考える方が多かったですが、階段を上り下りすることでポイントが入る、屋上で楽しめる施設があるなど、自ら実行したくなるような仕組みを考えることでデメリットをメリットに変えられる方法があるかもしれません。

今回もたくさんのご回答ありがとうございました。いただいたご意見を参考にし、今後の商品開発に生かしていこうと思います。どうぞご期待ください。