第3期第9回「行燈部屋の使い方」について

第3期 2011年〜 | 2016.6.21

今回のアンケートでは、約65㎡の団地の間取りについてお聞きしました。
南側に一部付け加えられるかたちで部屋が増築()され、左の間取りになりました。しかし、西側中央の部屋()が、行燈部屋となってしまいました。光が入りづらく、増築部分への動線になっています。
この「行燈部屋」()について、いくつか間取りを考えて、みなさまの共感度をお聞きしました。

また、このアンケートについてのコラムも公開しています。
住まいのコラム「行燈部屋をつかう」

●回答総数:764名
●実施期間:2016年5月24日(火)~ 5月30日(月)

回答者のプロフィール

年代
世帯形態

[Aプラン]シアタールーム

部屋の一部にプロジェクターをつりさげれば、壁一面の大画面で映画やスポーツ観戦などを楽しむことができそうです。
ダイニングとキッチンの南側のバルコニーからユーティリティルームへ、部屋と部屋が行き来できるよう2方向の動線を確保すれば(←→)、行燈部屋が閉じていてもバルコニーを通って南側寝室へ行くことができます。

[Aプラン]シアタールームへのコメント

地下室にシアタールームを作る人が多いように、光が入らないのを利用するのはすごくよいと思います。シンプルにすると、掃除しやすいですね。(女性/30代/夫婦二人世帯)

子供がいると暗い部屋でテレビをみる習慣をつけてしまいそうで少し不安。ある程度大きな子供や大人だけだとすごくいいなと思う。(女性/30代/夫婦二人世帯)

防音できると良いと思います。映画や音楽、または楽器の演奏や歌うことを気兼ねなく楽しめると素敵です。(女性/40代/単身世帯)

同じように、増築したことで行燈部屋ができてしまった団地に住んでいます。四畳半程の部屋で、この向きでシアタールームは狭すぎると思います。(女性/20代/親+子供世帯)

[Bプラン]ウォークインクローゼット

大きなウォークインクローゼットにして、様々なものをしまえる収納部屋としてものをまとめ、他の部屋をすっきりさせました。

[Bプラン]ウォークインクローゼットへのコメント

玄関収納と一体型になっているので、とても使いやすそうです。キッチンとのつながりもいいし、洗濯動線もバッチリですね。(女性/40代/3世代世帯)

帰宅して洗面所で手を洗い、クローゼットで着替えて汚れ物を横の洗濯機に入れる。他の部屋に服の置きっぱなしがなくなり、気持ちよく生活できそうです。(女性/40代/3世代世帯)

洗濯機を回して干して、乾いたら取り込んで畳んでクローゼットにしまう、という洗濯の一連の作業がユーティリティを中心にして無駄に動かずに完結できるところがとてもいいと思う。それと朝、寝室からキッチンに移動するまでに、洗濯機に寝巻を入れウォークインクローゼットで着替えができるので、その点も無駄な動きがなくていい。(女性/30代/親+子世帯)

ユーティリティとの部屋の関係で、湿気がこもって、かなり換気に気をつけなければ、カビが生えそう。換気対策がうまくいけば、収納がまとめられそうなのでよさそう。(男性/40代/単身世帯)

[Cプラン]土間空間

玄関土間とつなげて大きな土間空間としてもよさそうです。
キャンプ道具やゴルフ用品などアウトドアの道具をおいたり、趣味の自転車を整備したり、ワークスペースにしたりと多目的に使えます。

[Cプラン]土間空間へのコメント

お客さんの多い家庭なら、靴を脱がずにちょっと寄ってもらうのに土間があると良いと思う。昔の家の知恵が分かる間取りです(女性/40代)

子どもがいる世帯ならここで遊ばせたり出来そう。ペット可の物件ならペットをここで飼うというのもいいなと思った。(女性/40代/親+子世帯)

食品庫のような空間があればもっと家事もしやすくなるのではないかと思います。玄関側の土間を半分、もう半分はキッチンから繋がる食品庫の場所を作ってもらうと使いやすいと思いました。(女性/30代/親+子世帯)

土間として使うと埃っぽくなりそうです。ユーティリティに並ぶのは不潔かも?バスルームから土間を通って寝室に行くことも抵抗があります。(女性/50代)

[Dプラン]お風呂

大きなお風呂にしました。一般的団地のコンパクトなお風呂ではなく、大きなお風呂にして落ち着いて気持ちよく浸かっていられるような空間にできたらどうでしょうか。小さな子ども向けのミニプールや水遊び場としても使えそうです。
バルコニーから2方向の動線を確保すれば(←→)、バスルームを通らずに南側寝室へ行くことできます。

[Dプラン]お風呂へのコメント

自分がお風呂好きなのもありお風呂はリラックス、小さい子供とのコミュニケーションをとる場所にもなるので大きなお風呂大賛成です。(女性/40代/親+子世帯)

バスルームのスペースにゆとりがあると、高齢者にも優しく、将来の介護にも備えられる。(女性/50代/親+子世帯)

湿気が溜まりそう。広いお風呂なら尚更自然光の入る場所でゆっくり湯船に浸かりたい。(女性/40代/夫婦二人世帯)

子育てをしていると、帰宅した子供の全身から砂や葉っぱなどの汚れが出てきて驚きます。玄関の真横に広いお風呂があればなぁ、と思っていました。部活帰りにすぐシャワー、朝のランニングの後なども便利だと思います。(女性/30代/親+子世帯)

あまり大きなお風呂はランニングコストや日々の掃除メンテナンスから言って一般家庭には負担が大きすぎると思う。(女性/40代/親+子世帯)

[Eプラン]ダイニングキッチン

キッチンとの間にある壁をいっそうのことなくして大きな空間としました。そうすれば、光もたくさん入り、玄関から入って大きなLDK空間にもなります。
バルコニーから2方向の動線を確保すれば(←→)、南側の部屋が独立した、離れのワークスペースとして使うこともできます。

[Eプラン]ダイニングキッチンへのコメント

キッチンとユーティリティがつながっているのは、とても良い動線だと思います。(女性/40代/3世代世帯)

家族が集まる生活空間が広いほうが良い。 その上で、個別に楽しめる離れがあるのは嬉しい。 寝室の近くに、洗面所やお手洗いがあるので便利。(女性/40代/親+子世帯)

今流行りのダイニングですね。若い方々には人気が有る事でしょう。子供達もダイニングテーブルで宿題や勉強ができ、キッチンに居ながら子供の様子をうかがえる事ができるので良いと思います。(女性/60代/夫婦二人世帯)

寝室部分の面積を広げて、寝室とワークスペースを交換した方が公私を分けられて自宅で打ち合わせ等もできそう。また、壁付けキッチン+小さなカウンターとして離れへの導線を確保する方がよい気がする。(女性/30代/夫婦二人世帯)

まとめ
今回のアンケートでは「行燈部屋」、つまり窓のない部屋の間取りについて、今すぐできるものから、工事が必要なものまで、いろいろなバリエーションのプランを提案し、皆さんのご意見をうかがいました。

行燈部屋の使い方の工夫で、すぐにできる間取りでは、[Bプラン]ウォークインクローゼットの共感度が高い結果となりました。大きな収納があることで、他の空間をスッキリとさせることが期待できるということでしょう。玄関に近いことやユーティリティと近いことによる動線の良さも合わせて評価されました。
また、リノベーション工事を伴いますが、[Eプラン]ダイニングキッチンも共感度が高い結果となりました。行燈部屋の横の壁をとることができれば、現代的なLDKの使い方ができそうです。
[Dプラン]お風呂については、全体的な共感度は高くなかったものの、実現を望むご意見をたくさんいただきました。換気や動線といった部分を疑問視されていたので、そういった課題が解決できれば可能性はありそうです。

今回の行燈部屋のように、知恵と工夫でデメリットがあるものをメリットに変えていくことができれば、今まで目を向けられていなかったものを活用できそうです。
今後もアンケートを通じて皆さんのご意見をうかがっていきたいと思います。たくさんのご意見ありがとうございました。