陽の家 No.19

考えられる限りで、最善の選択をすることができた、と思っています

陽の家 | 2025.2.18

自然に囲まれたロケーションにある「陽の家」。そこはSさんが充実したセカンドライフを送るためにつくった小さなカフェです。「本と映画と音楽が好き」というご自身の趣味を活かしたお店は、憩いの場として多くの人に愛されています。料理のメニューを工夫したり、小規模のコンサートを開催したりしながら、店主として忙しい日々を送るSさん。「自然豊かな環境と調和する『陽の家』と出会えたことが大きかった」と、開業前後のお話を語ってくださいました。

新潟市秋葉区の自然に囲まれた環境にある「book & music cafe 風音」は、「陽の家」でつくられたお店です。オーナーのSさんは60代の男性。長年お勤めになった会社を定年退職した後、故郷のお住まいのそばにカフェを開業しました。

■建物概要
ご住所:新潟県新潟市
竣工年月:2024年4月
延床面積:57.96m²(17.53坪)
■ご家族構成
単身

「こんな建物でカフェがやれたらいいな、と思えました」

「もともと、本と映画と音楽が好きで、定年後に趣味を活かしたお店を始めたいと思っていたんです」

そう語るSさんは、お仕事をしている頃から、どのような「お店」にするか思いをめぐらせてきたそう。休みを利用して土地選びをしたり、各地のカフェや図書館の見学なども積極的に行ってきました。『陽の家』のことは、建物探しをしていく中で知りました。

「その頃、上越市にある『無印良品 直江津』に行った時に、『陽の家』のモデルハウスがあることを知って見学したんです。偶然の出会いでしたが、これがいいな、と直感しました。シンプルかつ飽きのこないデザインに好感を持ったのです」

その後もカフェづくりのための準備を着実に進めていったSさんは、初訪問から約半年後にモデルハウスを再訪しました。そこで改めて「陽の家」を見学し、仕様などについてもくわしく話を聞きました。

「実家のそばに見つけた土地は、神社や公園が隣接していて自然を身近に感じられるところでした。この環境を活かしながら、今まで集めてきた本を並べて、ずっと聴いてきた音楽が流れるようなカフェにしたいと考えながら、どんなお店にしていくかシミュレーションしていました。

改めて見る『陽の家』は、そんな僕が持っていたカフェのイメージにぴったりでした。広々としたウッドデッキと大きな窓があって、外と室内がほどよくつながっている平屋。こんな建物でこぢんまりとしたカフェがやれたらいいな、と思えました」

そう振り返るSさん。その後は、担当者たちと実際につくることを想定しながら具体的な相談や打ち合わせを重ねていきました。そして予算や性能面に関しても納得した上で契約。満を持してセカンドライフのためのお店を完成させました。

「陽の家」の特長を活かしつつも、随所に自身の希望を入れる

「モデルハウスの雰囲気がとてもよかったので、基本的なデザインや仕様はそれを踏襲するようにお願いしました」

お店づくりをそう振り返るSさん。広めにとったウッドデッキや、大きな窓、勾配のある天井、そして開放感のある一室空間といった「陽の家」の特長を活かしつつも、随所にご自身の希望を入れていきました。

「といっても、お店だから電源のコンセントを多めにするとかのディテールがほとんどだったように思います。設計の段階で何度も打ち合わせができたし、いいご提案もいただけたので、とてもいい感じの空間になったと感じています」

その言葉どおり、木の質感を生かしたテーブルや椅子などが程よい間隔で置かれた店内は、流れる音楽もあいまって、落ち着いた空気が流れています。対面式のキッチン周りに並べられた食器類も、数が多すぎないので圧迫感がありません。壁に置かれた本棚には思わず手に取りたくなるような魅力的な本が並んでいます。

まさにSさんが大事に育んできた「世界観」をそのまま形にしたような、温かい雰囲気のお店。はじめてから半年が経ちましたが、当初に予想していた以上の来客があることもうなずけます。

「1日ここにいたいと仰る方も、いらっしゃるんですよ」

嬉しそうにそう話すSさん。新米マスターですが、料理のメニューなども工夫しながら、居心地良い空間になるよう努力を重ねています。

「陽の家」を通して新たな人脈も生まれ、世界が広がっていく

お客さんたちとの交流も楽しんでいます。

「みなさまとの会話から知識や気づきを得たりしています。新たな人脈も生まれたりして、世界が広がっていくことが新鮮ですね」

小規模のコンサートなどのイベントも開催しており、好評を博しているそうです。
「今のところ、当初にやってみたいと思っていたことはできているように思います。これからは講演会や読書会もやってみたいですし、いつかは古本の販売もしてみたい。そんなことを考えたりしています。周りの方々も親切なので、居心地がいい。会社員時代は離れていた故郷の良さを、カフェでの時間を積み重ねていくことで再確認できているのも嬉しいですね」

定年後に自分の趣味を活かしたカフェを開くという夢をかなえ、充実したセカンドライフを送るSさん。自身のやりたいことを全力で楽しむその姿に、共感を覚える方も多いのではないでしょうか。

「私の場合は、生まれ故郷で理想的な土地が見つかったりする運に恵まれていたから、良いスタートを切ることができたと思います」

そう謙遜するSさんは、お話を続けてくださいました。

「あとやっぱり、周辺の環境と調和する『陽の家』に出会えたことも大きかったですね。開放感があって居心地がよいから、魅力的なお客さまたちとのご縁ができたと思いますし、可変性が高いから、コンサートなどを気軽に開くことができている。動線が考えられているので、料理などもストレスなく行えています。もし『陽の家』に出会わなかったとしても、カフェは開いていたとは思います。でも『陽の家』にしてよかった、自分で考えられる限りの『最善の選択』をすることができた、と日々実感しています」

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます