窓の家 No.37

吹き抜けの窓から満月を見るのがなによりも好きです

窓の家 | 2023.2.21

緑豊かでのどかな景観が広がる岩手県二戸市にある「窓の家」S邸。三角屋根と白い外壁が特長的なモダンな外観が、落ち着いた住環境にもなじんでいます。ご家族はこの家に住んで2年が経過しました。

■建物概要
ご住所:岩手県二戸市
竣工年月:2020年9月
延床面積:78.03m²
■ご家族構成
ご夫婦+お子さま2人

ご主人は仕事の関係で転勤が多かったため、数年前までは家を建てることを考えていなかったといいます。そんなときに無印良品の食器や日用品を愛用していた奥さまがホームページで「無印良品の家」を知りました。しかし当時もすぐに家づくりに動くことはなかったそう。

「その後に上の子が小学校に上がる前までには家を建てようと思いはじめ、あらためて『無印良品の家』について調べました。八戸にモデルハウスがあることを知ったので、2019年5月に家づくり相談会を申し込みました」(奥さま)。

ご夫婦は相談会を受けた際に資金的なハードルを感じたことも事実でした。それでもモデルハウスを見学したときに奥さまが「窓の家」にひとめぼれ。しかし「木の家」を気に入っていたご主人とで意見が分かれることになります。

「それより1年以上前、以前住んでいた町にいたときにふらっと地元の工務店さんの現場見学会に行ったことがありました。見学をしてもとくに家を建てたい気持ちは起きませんでしたが、『無印良品の家』のモデルハウスを見たら『木の家』も『窓の家』もどちらも雰囲気がよかった。そこからは他の工務店さんやハウスメーカーを見る気持ちにもならずにひとまず『無印良品の家』で建てることは即決でしたね」(ご主人)。

「建てるなら『無印良品の家』がいいよね」と2人で納得できたというご夫婦は、その後は積極的に入居者見学会などにも参加。当初は「木の家」を好んでいたご主人でしたが、見学会に行ったことで実際の生活イメージがさらに進み、「窓の家」に心が傾いていきました。

「木の家」にするか「窓の家」にするかよりもご夫婦が苦労したのが、土地探しです。
求めている二戸市内で選択できる土地が少ないことに悩んでいたところ、旦那さんのご両親からご実家の隣の敷地に建てることを勧められました。しかし、もともとあった大きな小屋や車庫の処理や片付け、取り壊し、さらには登記関係の手続きや遺跡が遺っている可能性から役所との兼ね合いなども必要に。

これらを一つ一つクリアしていき、ご夫婦はいよいよ間取りの検討へと進んでいきました。

間取りを考える上でご夫婦は事前に細かいポイントをメモ書きしていき、理想を追求しました。

「基本的には間取りに関しては最初に見た八戸のモデルルームのようにしたいと思いました。それ以外の細かい部分は我が家の生活スタイルや妻の家事のしやすさなどを考えて、ひとつひとつ考えていきました。階段はリビングかダイニングから上がる、玄関にはコートや荷物をかけられるようにクロークをつける、前に住んでいた家はお風呂が狭かったので広いお風呂がほしい、トイレには手洗い場所を設置、洗面所には収納棚をつける、書斎のような安らげる空間をつくる、などです」(ご主人)。

奥さまが気に入っているのがダイニングとキッチンの動線です。ダブルアクセスを可能にして利便性を高くしました。

「ダブルアクセスは当初から希望していました。2階から階段で降りてきた方向と、洗面所やトイレなどの水まわりからの方向と、両側からキッチンに行けるのでとても楽です。またダイニングテーブルとキッチンは横並びで繋げたことで配膳や片付けもしやすいのも気に入っていますね」(奥さま)。

積雪もあって掃除が大変になるため、バルコニーはあえて設けませんでした。洗濯物は2階のフリースペースなどを活用するなどして、室内干しで完結させています。

それまでは新築マンションに住んでいたものの、エアコンをつけていても寒く、熱効率の悪さを感じていました。しかしご夫婦は「窓の家」に住んで部屋の温度がいつも一定で温かいことに快適さを感じています。

「エアコンは1階と2階で1台ずつ。たくさんの窓から日差しが降り注ぐので夏はむしろ西日で暑すぎることもあってもう1台設置しました。ただ冬は朝以外であれば1台で済んでいます。よほど気温が下がらない限り結露もできないのも助かりますね。オール電化ですが、電気代は家が大きくなったのに以前住んでいた家と変わらないので負担感もないのが嬉しいです」(奥さま)。

カーテンはリビング以外にはあえてつけずに朝日の明るさや満月の月明りを楽しむ暮らしを満喫しているご夫婦。ご主人はリビングに寝転んで電気を消し、吹き抜けの窓から見える満月を眺めるのが何よりも好きなんだそうです。

この家に住んでから隣に住むお父さまと一緒に飲んだりお子さんを預けたりと家族同士のつながりも増えました。たくさんの窓からは遠くにそびえる美しい山々や走っていく新幹線も見えます。長年この土地に住むお父さまからも「ここからこんな景色が見えるのか」と驚かれたんだとか。

「友達やいとこがうちに遊びに来ると、リビング脇の窓から『こんにちは』と挨拶されるのが楽しいんです。外構をまだ完成させていないのでこれから芝生を植えたりして少しずつ自分たちの理想に近づけていきたいです」とご夫婦は笑顔で語ってくれました。

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます