空間の気持ち良さは、何年経っても変わらない価値だと思います

木の家 | 2016.3.29

静岡県御殿場市、御殿場駅から程近い住宅地に建つ木の家S邸。Sさんは愛犬のみんみんちゃんとともに暮らしています。取材におうかがいした日はあいにくの曇り空でしたが、晴れた日には2階のバルコニーから富士山を間近に見ることができるそうで、その眺めが大のお気に入りなのだとか。
「最近、日常生活が楽しくてしょうがない」と語るSさん、「庭の池に小鳥が飛んできて水浴びをしたり、木の実をついばんでいるのを見ていると本当に癒されます」と微笑みます。

■建物概要
ご住所:静岡県御殿場市
竣工年月:2015年6月
延床面積:93.57m²(28.30坪)
■ご家族構成
単身+犬

そんなSさんと無印良品の家の出会いは今から7、8年前。「友人から教えてもらってホームページを見たのがきっかけです。素敵な家だなと思いましたが、まさか自分が住むなんて考えもしませんでした」といいます。
Sさんに転機が訪れたのは2年程前。それまで暮らしていた東京都内のマンションを引き払い、ご実家のある御殿場へと移り住むことになります。
「実家の敷地内に、古い物置小屋がいくつか建っている場所がありました。そこをうまく活用すればもっと素敵な空間になりそうだったので、両親を説得して承諾してもらいました」。

「家を建てようと思い立ってから、以前から少し関心のあったエコ住宅に関する本を読んで勉強をはじめたんです。

その中で、光や空気の流れなどを上手に利用して住宅の性能を高めるパッシブデザインという考え方と出会い共感を覚えました。勉強を進めるうちに、自分が求めている家に一番近いのは無印良品の家かもしれないと思うようになりました」と話します。

Sさんは、実際に住宅を検討するに当たり、いくつかの住宅展示場へも足を運んだそうです。
「どれを見ても心がときめかなかったです。シンプルで機能的なものを求めていた自分にとって、御影石の玄関や立派な床柱は余計なものに感じました」といいます。

その後、無印良品の家の資料請求をして、詳しいスペックを調べたというSさん、「性能を頭で理解したら、実際に見てみたくなり、入居者宅見学会に参加しました。そのとき見た家は、室内が思った以上に明るかったのが印象的でした。また、無駄なものが一切無くスッキリとまとまっている感じに好感が持てました」。
また、「見学会に参加した帰りにモデルハウス(静岡店)にも立寄りました。すごく気に入って、帰る頃にはもうすっかり契約する気になっていました」と振り返ります。

Sさんは購入することを決めると、すぐに「初めての家づくり講座」に申し込み、家づくりのプロセスを確認。
「間取りは、ほぼ設計担当者に任せました。素人の私が下手に口を出すよりも、プロに任せる方が良いものができるのではないかと思いました。ただ、キッチンの仕様がカタログの情報だけでは不十分だったので、同じものを採用している家を見に行かせてもらいました。そこで細かい使い勝手や、収納量を確認することができて良かったです」。

隣の実家に住んでいたので、工事中は毎日進捗を見ることができました。家が出来上がっていく様子を見るのが楽しかったです。一度、基礎工事の最中に大雨が降ったことがあり、基礎のコンクリートに水が溜まっているのを見て不安になったことがありました。でも、よく考えたら水が溜まるということは隙間が無い証拠なんだと納得しました」。

S邸のプランは1階にリビング、ダイニング、キッチン、水まわり、納戸。2階は寝室、ウォークインクローゼット、フリースペース。2階の吹き抜けに面して大きめのデスクが置かれ、普段そこでお仕事をされているとのこと。
「実現したかったポイントは、隣の母屋にすぐ行ける勝手口。そこから毎日両親のために食事を届けています」。まさにスープの冷めない距離で、お互いに安心して暮らせそうです。

「実際に住んでみると、想像していた通りとても気持ちよい空間です。夏場は御殿場という土地柄もあり冷房がほとんど必要ないくらい快適でした。空気の流れがよく計算されているなと思いました。冬は床暖房を入れると家全体が暖まる感じで、断熱性能の高さを実感できます」。

「この家で暮らしはじめてから、早寝早起きが苦じゃなくなり、きちんと生活するようになりましたね。日々の繰り返しが楽しく感じられて、家の中で過ごすのも好きになりました」というSさんは、こう続けます。
「東京で暮らしているとき、昔暮らした御殿場の家の夢をよく見ていたんです。でも、今はまったくその夢を見なくなりました。きっと今の暮らしに満足しているからなんだと思います」。

「家に遊びに来た友人から、『Sさんらしい、こだわりのある家だね』と言われたことがあります。でも、実は私は全然こだわっていなくて、無印良品の家をそのまま買っただけだと思っているんです。それが私らしく見えるというのは嬉しいことですけどね」と話すSさんは最後にこう語ってくれました。
「家の価値ってなんだろうと考えたときに、一番は空間の気持ち良さだと思ったんです。その意味で、この家は数十年経っても価値を持ち続けることができるんじゃないかと思います」。

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます