vol.27 景色の家
「無印良品の家」で暮らしている方を訪ねて青森県三戸郡へ。
情報学研究者のドミニク・チェンさんが、美しい風景に佇む「窓の家」に会いに行きました。

施工例 | 2020.1.14

ダイアログ3

マンションと戸建て住宅。東京と地方都市

リビングから庭へ。景色を眺めながら

チェンさん
リビングから外に出ることができるんだ。ウッドデッキいいですね。もう寒いのかなと思っていましたが、陽があると温かいですね。庭についてはご主人が?
はい。私は芝生をお願いしたくらいで。
ほぼほぼ自分ですね。あとは好き勝手にやろうかなと(笑)。
チェンさん
なんか、いい感じに意思疎通ができてるんですね。
白い家と緑の芝生って合いそうですよね。
この面積の庭を、素人が芝生を張るのは大変だといわれましたが、来年はチャレンジしたいと思っています。それから、もう2本くらい木を植えたいですね。
チェンさん
垣根がないのもいいですね。そのおかげで、風景と地続きになる感じがしますよ。家の中からずっと景色がつながって、向こうの畑や遠くの山がより近くに感じられる。
お隣が庭をきれいに手入れされる方なので、家族はそれを借景として楽しませていただいてます(笑)。
チェンさん
こちらも素敵な家だし、お互いが借景になってる感じじゃないですか。
そうかもしれないですね。
チェンさん
こう、まだ何もない山砂だけの庭を眺めているのも好きなんですよ。いろんな想像ができて、何時間でも眺めていられます。
そういえば、青森は縄文遺跡が多いですよね。このあたりも土器は出るんですか。
出ますよ。ガンガン出ます。その道路の先では発掘調査もしてましたし。
チェンさん
ホントですか。
えーと、そこ。庭のそこに見えているの、縄文土器の破片だと思いますよ。
チェンさん
えええええええ。あ! ホントだ!! 文様が。
……(ニコニコ)。
チェンさん
って、Kさん、ぜんぜん驚かないですよね。
子供のころ、遊びで少し掘るだけでけっこう大きなものも出ましたからね。
チェンさん
えええええ。そんなに……。
それ割って遊んでました。
いやいや、それダメ。割っちゃダメ
でも、当時は、このへんの子供にとっては、そんなに珍しいものではなかったんですよ。ちょっと掘ってみますか?
大人が二人で穴を掘ってると怪しい人たちだと思われますよー。
チェンさん
まあ、確かに……(笑)。

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では、リビングに戻りましょうか(笑)。
チェンさん
どうですか。実際にこの家で暮らしてみて。
ホントに大・満・足です! 
窓の家」を建てて良かったと心から思いますね。快適なのはもちろんですが、デザインが気に入っていて。ベタですがシンプル・イズ・ベストですよね。
そうね。シンプルは飽きないし。
30年以上暮らす場所だと思うので、なんとか風や流行の装飾で豪華に見せるより、シンプルな建物と空間に自分たちで手を加えるほうが私たちに合ってるなと。
チェンさん
どういうところを自分で手を加えようと考えたのですか。
たとえば、ドローン飛ばして窓の位置を決めたと聞きましたが、ほかにもハッスルしちゃったところあります?
先ほども話しましたが、最初に出していただいたプランは、二人の希望を十分に反映されていて、実は、その時点でほぼ手を入れるところはなかったんですよ。
最初にお願いした共通の希望は、広めのリビングと広めの土間。それにウッドデッキくらいかな。
そうだ。ドローンで撮影した動画、ご覧になりますか?
チェンさん
ぜひ!

(ご主人が準備中)

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チェンさん
おー、すごい! 画像が安定していますね。三脚立てて撮影してるみたいですよ。音は大きいんですか。
まあ、けっこううるさいですね。
主人のお母さんが外で草刈りをしている最中に、ドローンを飛ばしたときは、すごい羽音で、アブの集団が襲ってきたと思ったらしいです。
チェンさん
ははははは。たしかに、びっくりしますよね。
僕が想像していたのは、敷地図上で飛ばす位置を決めて、そこで上空で静止させて、どう見えるのかを確認しているのかと。
そうです。位置は外壁のラインにしっかり合わせています。
チェンさん
うーん、こういうのって、男が独りで盛り上がちゃうんですよねー。いいですねー。
上棟のときや柱梁が組み上がった段階など、施工途中できるだけ記録を残すように飛ばしていました。
チェンさん
おー、タイムラプスでどんどん組み上がっていく。ドキュメンタリー作品みたいじゃないですか。すごい、すごい。
東京にいたころは、ドローンを飛ばす許可がなかなか下りないんですよ。こういうのは地方じゃないと無理ですね。

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住まいの選択肢とマインドシフト

チェンさん
住まいっていろいろな選択肢があるじゃないですか。
そうですね。東京で結婚したてのころに、都内のマンションを見に行って、モデルルームを出た後で二人で感想をいい合ったことがあるんですよ。点数が二人とも同じくらい。60点。それで、分譲マンションは自分たちには合わないなと思って。それからしばらくはマンションを見にいくことはなくなったよね。
そうね。
その後、子供が産まれてから、3人で、またハウスメーカーの物件を見にいったのですが、悪くはないないんだけど、やっぱり自分たちには合わないような…。
そのハウスメーカーは外装は良かったのですが、インテリアに関しては、スイッチプレートやドアノブや、細部の質感やデザインがバラバラで統一感がなかったんですよね。落ち着かない感じがして。
うんうん。
チェンさん
それはお二人の共通の感覚だったんですね。
そうですね。お互いすぐにわかった感じ。
そのあとで、なければ自分たちでつくるしかないと、まず、前に無印良品 有楽町(現在は閉店しています)資料をもらい、気になっていた「無印良品の家」のモデルハウスを見学に行って。そこで「もうこれしかない」って思ったんですよ。細かいディテールまでちゃんと心配りされていて、デザインに統一感があって、余計なものはなくて、手を抜いていると感じるところがなかった。
八戸は「窓の家」と「木の家」の両方のモデルハウスがあって、二つ見比べることができたのも良かったですよ。僕は最初は「木の家」が良いと思ったんですが。
私は昔から白い壁へのあこがれがあって、そこは譲れなかったですね。そのあとはネットで「窓の家」のいろいろな施工例を二人で見て、Instagramでも「#窓の家」で施工例を探して、「窓の家」がどれだけ素敵なのか主人にプレゼンしていました。
チェンさん
最終的には、奥様のプレゼンを聞いているうちに「これいいかも」って。
どちらも魅力的な家ですからね。この家も、「木の家」ほどオープンじゃないけど空気感は共有できている感じがして、いいなと思っていました。
チェンさん
ひょっとして、家を建てる前まではマンション派だったとか。
もともとは、都内に住み続けるならマンションかな~とは思っていました。ただ、子供が生まれて、Uターンを本格的に考え始めて、こちらに戻るなら戸建住宅がほしいなと。
子供が生まれて、これからの人生をどうしようと考えるようになり、地元に帰る選択肢も見えてきて、それなら家を建てようと考えるようになった感じです。だから本格的に家づくりを考えたのは、子供が生まれてからですね。
チェンさん
僕は、もともとは完全なマンション派で、家を新築するなんてありえないと思っていました。それで、結婚してから妻と1年半かけて40物件くらいマンションのモデルルームをまわったんですよ。でも、二人とも満足がいく物件がなかった。「なんでないんだろう」と絶望しかけたときに、ないなら自分で建てる選択肢もあると気づいて、それで家を建てようと…。戸建住宅志向がまったくなかった人が、家を建てるマインドにシフトするきっかけってあるんだなと、改めて思いました。
夫・妻
あー、同じですね。
チェンさん
ご両親はもうこちらに何度か来られているんですよね。
はい、ここで一緒に食事をしたり…。
チェンさん
ご両親はどんな感想を。
冬の寒い時期は、家中、どこも温かくて驚いていました。私の実家は築40年くらいで、お茶の間から廊下に出ると息が白くなるくらい温度差がありましたから。この家はどこでも室温がほとんど同じなので、それだけでとても快適です。
実は前の会社の同期が、偶然、同時期に都内で無印良品の家を建てていたんです。彼は「木の家」ですが。
チェンさん
同じ時期ってすごいですね。その方のお家はもうご覧になられたんですか。
まだなんですよ。彼は、私の実家に遊びにきたことはあるんですが、この家は見ていなくて。お互い訪問するのを楽しみにしてます。
チェンさん
いいですね。今日はどうもありがとうごいました。とても楽しかったです。

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