建売住宅と注文住宅(その2)。それぞれのメリット、デメリットは?
初心者が家を買う | 2010.7.20
男性・独身。30歳代後半。 私が「実際に家を購入するまで」の顛末記を連載することになりました。 計画倒れに終らぬよう、みなさんの応援をよろしくお願いします。 m(_ _)m |
みなさん、こんにちは。FUJIです。
前回に引き続き、建売住宅と注文住宅について、考えてみたいと思います。
建売住宅は、土地と、既に建てられている家がセットで販売されているものです。それゆえ、建売住宅を購入するときには、「どこに住むか(土地)」と「どんな家に住むか(家)」を切り離して考えることができません。
人によって違うとは思いますが、「どこに住むか」が優先されるケースが多い、とも聞きます。つまりは、どうしても「どんな家に住むか」は後回しにされがち、という場合が多いようです。
まぁ、「どんな家に住むか」を考えたところで、それほど選択肢がない、という実情もあるんですけど…。これについては、後で書きますね。
それに対して注文住宅の場合は、土地の購入と、家を建てるのとは切り離されています。「どこに住むか」を決めて土地を購入した後、「どんな家に住むか」を考えて家を建てることができます。もちろん、その分、時間もかかります。
建売住宅の典型的スタイルって?
建売住宅の広告チラシが自宅のポストに投函されているのをご覧になった方も大勢いらっしゃると思います。
そうした広告は、多くの場合、以下の3点を強調していますよね。
建売住宅のチラシによく書かれていること
- (1)立地条件
「○○駅から○分」とか、「公園が近い」とか「学校が近い」とか。地図つきの場合もありますね。 - (2)広さと間取り
広さは、「土地面積 ○○m²」「建物面積 ○○m²」とか。間取りは「3LDK」とか、そんな感じです。間取り図が掲載されている場合も多いですね。 - (3)価格
まぁ、これはズバリですけど。ただ、こうして「価格が明快だ」ということが、注文住宅に対する建売住宅の特長のひとつであるわけです。
ここで注目したいのは、間取りです。当たり前といえば当たり前なんですけど、「○LDK」という表示がほとんどですよね。
これが会社のオフィスとか倉庫だったら、「○LDK」っていう表示はないわけです。えっ、FUJIは何を言っているんだ、といわれそうなんですけど…、以前このコラムでも話題にしたのですが、「○LDK」というのは、子ども部屋など、個人のプライバシーを守るために家族それぞれの個室あるいは寝室が複数ある、ということを前提にした考え方なんです。
統計の取りかたはいろいろあるんですけど、日本の「出生率」って、この30年以上にわたって「2以下」なので、人口は減少傾向にあるんですよね。2009年は「1.37」なんです。ちょっと乱暴な例えをすると、つまりは、きょうだいの構成でいうと、今後は「3人きょうだい」とか「2人きょうだい」とかじゃなくて、「ひとりっ子」が最も多くなるんじゃないかな、と。実際には、結婚しても子どもを持たない人も増えていると思います。
家の話からちょっとそれますけど、料理のレシピって、昔は「4人分」を基本に材料の量を書くのが当たり前だったんだそうです。でも、4人家族自体が減ってきているので、近頃では2人分で書くことも多くなってきた、と聞いたことがあります。
子どもの数が少ないと、個室はそんなにたくさん必要ないですよね。「無印良品の家」では、戸建てに限らずご協力いただける方のお宅を訪問取材して、実際に家がどのように使われているか、などを調査しているんです。すると、よくあるのが、個室のうちひとつが物置代わりに使われている、という例です。こういうのはもったいない話ですよね。
個人的に、この「○LDK問題」が建売住宅で気になるところなんです。ただし、私が書いているのは、あくまでもチラシから推測していることです。少子化傾向にともなって、建売住宅の間取りも、いろいろ変わってきているかもしれません。追々、実際の建売住宅を見て回って、改めて考えてみようと思います。
建売住宅のメリットとは?
さきほども書きましたが、建売住宅は「土地」と「家」がセットで販売されています。郊外の住宅地が新たに造成される際には、多くの建売住宅がいっせいに建てられることが多いですね。(「無印良品の家」も「白井小町」のプロジェクトに取り組んでいます)
こういう場合、不動産会社が計画を立てる中心となるのですが、個々人が家を建てるよりも、不動産会社が一気に建てたほうが、「きれいに揃った街並み」がつくられる、というメリットがあります。これは単に、各戸の見た目がそろう、というだけでなく、住民が自由につかえる集会場とか、街路樹とか、そういったことにまで不動産会社は気を使うわけです。
個人的な嗜好ですが、私は、こういう「街並みが整えられている」ことには、非常に価値を感じます。海外に旅行などにいくと、古い街並みが揃えられて残っている街がありますが、ああいうのって、壁の色とか、屋根材とかを条例で規制していたりするんですよね。看板なども厳しく規制されていたりします。それはそれで窮屈さを感じることもあるのでしょうが、調えられた街並みは、長い目で見て、その街の価値、つまりは土地の価値も低下しにくくさせる、ともいわれています。
私は働くようになってからは、利便性を優先して、ずっと都心に住んでいるんですね。きれいに整えられた街並みとは反対の、都市の猥雑さ、というものも決して嫌いではないんですが、きちんと整えられた街並みには、強い魅力を感じます。もちろん、個々のケースで、好き嫌いはあるでしょうが。
注文住宅のメリット、デメリット?
さて、建売住宅に比べての、注文住宅のメリット、デメリットについて考えてみたいと思います。
とはいうものの…、注文住宅って、基本は「自由に」つくれるものですから、なかなか一般論にはしにくいんですよね…。もちろん、この「自由」ということが、注文住宅の最大のメリットなわけですけど。
間取りだけでなく、どのような材質にするのか、なども自由です。電気工事のように、安全面のために、免許が必要なものもありますから、ほんとうになんでも自分でできる、というわけではありませんが…。
つまりは、手間と時間とアイディアさえあれば、費用を安く抑えられるのも注文住宅のメリットのひとつなんです。これがなかなかたいへんなことであるわけですが…。
今回の個人的まとめ
- ■建売住宅は、「○LDK」という間取りである場合が多い。使い勝手という意味では、厳しいか?
- ■新規に住宅地をつくるときに街並みを整えるため、ルールやある程度の規制は必要だ。そうしたときに、建売住宅のメリットが発揮される
- ■注文住宅は、「自由」だ。だから、手間や時間さえかければ、アイデア次第でコストを抑えることもできる。たいへんなことだけど…
今回も、頭の中で考えたことばかりになってしまいました…。反省…。
次回からは、最近家を買った知人のところを尋ねて、実際の物件を見てみようと思っています。私がこのコラムで考えてきたことを検証してみようと思います。
実際に物件を見ると、イメージも湧きますしね。
次回以降もよろしくお願いします。 m(_ _)m