家づくりの予算はどう決める?
住まいのかたち | 2024.1.29
家づくりは多くの人にとって一生に一度の大きなお買い物。絶対に失敗したくない一方で、初めてのことばかりのため、不安を感じる場面も多いですよね。
本コラムでは、普段モデルハウスで家づくりのお手伝いをしているインフィルコーディネーターが、実際の経験やお客さまの声をもとに、家づくりの疑問におこたえします。
家づくりの予算。
家を買いたい、と考えると同時にお金のことが頭をよぎるのは私だけではないはず。
家づくりで考えたくないこと、ナンバーワン「お金」。
夢をみていたいのに、「お金」のことを考えると現実を突きつけられる気がする。
だからできれば考えたくない。
でも、考えたくないということはそれだけ重要な事です。
どのように「家づくりの予算」を決めていくといいのでしょう?
家っておいくら?
まず、そもそも家を建てるためにはどのくらいの費用が必要でしょうか?
結論は「建てる家や敷地条件によって異なる」ということになりますが、それだと目安になりません。自分たちが建てたい建物の費用がどれくらいかかるかを事前に建築会社に確認しておく必要があります。
そのため、確認する際に建てたい建物のイメージができているとベターです。まずはWEBサイトやモデルハウスなどを見学してイメージを膨らませ、建築をお願いしたいと思う建築会社の目星をつけましょう。
また、建築費は建物だけでなく敷地条件によって大きく異なります。
建築予定地が決まっている方はわかりやすいですが、土地から探す予定の方はひとまず、「一般的な条件の敷地で」という前提で費用を確認しておきましょう。また、建築費プラス土地の費用も必要になるため、希望エリアの土地の相場も確認しておく必要があります。
最終的には必ず検討地での見積もりを確認しましょう。
敷地条件によって建築費は上下する為、土地を購入する際は必ず事前に確認してください。
土地探しについて、詳しくは前回のコラム「土地探しにコツってありますか?」をご覧ください。
無印良品の家では「かんたん見積」というサービスで、建物の本体工事価格がWEB上で確認できます。(ただし、前述した通り最終的な建築費は敷地条件によって大きく異なるため、建物本体工事価格以外の敷地条件によって変化する費用は含んでおりません。最終建築費は建築地最寄りのモデルハウスへご相談後のお見積りにて確定するため、詳しくはぜひモデルハウスまでご相談ください)
ぜひこちらもご活用いただき、建物の費用がどれくらい必要か確認してみてください。
今の家賃と比べたらどれくらい増える?
家づくりに必要な総額(土地から探される方は「建物」+「土地」の総額)が確認できたら、資金の内訳を確認していきましょう。資金の内訳は主に下記3つ。
・自己資金
・住宅ローン
・親族等からの援助金
自己資金や援助金は急には増えないため(増えると嬉しいですが・・・)、基本的には住宅ローンをいくら借りて何年で返すか、ということを考えていきます。ここで一番わかりやすいのは「いくら借りるか?」よりも「月々の返済がいくらか?」と考えること。賃貸にお住まいの方は現在の家賃と比較ができるため、「これくらいなら払っていけそうかな?」「ちょっとキツそうだ・・・」など感覚的に予算をつかむことができます。
ただし家賃との比較は注意が必要です。
そもそも現在の家賃が収入に対して比率が大きく、払いすぎている場合も(実際に現在家賃を払って生活できているため、大きなズレはないとは思いますが)。
そのままの感覚で住宅ローンを組むのはちょっと危険です。また、逆に余裕があるのに予算を厳しく見積り過ぎてしまい(もちろん少ない支払いで済むのに越したことはないですが)、妥協の多い家づくりになってしまう可能性もあります。
適切な予算を把握する
ここでいう「適切な予算」とは、「ここまでだったら住宅ローンを借りても老後の資金が足りなくなることはないな」というラインを確認しておくことです。もちろんギリギリまで借りる必要はないため、余裕があればなお良いです。予算設定を決め「本当はここまでで抑えたいけど、最悪このラインまでは大丈夫」と把握しておくことが大切です。
建物も土地も見れば見るほど目が肥え、理想も高くなっていきがちです。適切な予算を把握していれば、コストとのバランスを検討しながら、予算オーバーにならないように注意しながら家づくりを進めることができます。
ライフシミュレーションって何?
ではどのように「適切な予算」を把握するのでしょうか?
おすすめしているのはライフシミュレーション。
ライフシミュレーションとは、将来の収支状況を確認する作業。家づくりにお金をかけすぎて、老後の資金が足りない、なんてことにならないように収支状況・資金状況を老後までシミュレーションしていきます。
そもそも、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」は人生の三大資金といわれています。
「住宅資金」を考えるのに、他の2つの「教育資金」「老後資金」を把握していないのはまずそうです。ライフシミュレーションで三大資金はもちろん、その他の収支も確認していく必要があります。
そのため、シミュレーションの際には現在の収支状況・将来的に必要になってくるお金を細かく確認していきます。
今、何にお金を使っているのか(少しドキドキしますが)、これからどんな支出が必要になるのか。教育資金ってどれくらいいるのかな、車も9年くらいで買い替えたいな、旅行も行きたいし・・・など細かく想定していきます。
もちろん住宅ローンのご相談も同時におこなっていきます。繰り上げ返済のタイミングも、最初から計画に織り込んでおくとより安心です。
ただ、あくまでシミュレーションのため少し厳しめに想定していきます。物価の上昇率なども加味して最終的に老後の資金の逆算をしていきます。
老後資金が十分であれば住宅の予算も問題ありませんが、老後資金が不足しているようであれば支出や収入の見直し、また住宅購入にかける予算も見直しが必要です。
資金も含めて、理想の暮らしを考えよう
住宅購入にあたって、資金計画はとても重要です。
ライフシミュレーションをすることで現状の暮らしも整理することができ、理想としている暮らしも整理することができます。
資金も含めて理想の暮らしを考えることで、理想の住まいを考えてみてはいかがでしょうか?
今回は、予算の決め方について解説いたしました。
無印良品の家では、お客さまの資金計画のサポートをさせていただいております。解説にあったライフシミュレーションのサービスもございますので、気になる方はぜひお近くのモデルハウスにご来場ください。
インフィルコーディネーター たかはし
一級建築士・宅地建物取引士
無印良品の家 名古屋店の店長として、これまで約70件の物件を手掛けてきました。
大切にしていることは、「後悔しない」家づくりをしていただくこと。なるべく公平な立場で、良い面も悪い面もしっかりご説明し、納得して家づくりを進めていただけるようサポートしています。