猫と暮らす間取り

住まいのかたち | 2012.3.13

前回「犬と猫のトイレを考える」というコラムを書いたところ、たくさんの方からご意見をいただきました。そこで今回は特に、猫と暮らすことについて考えてみたいと思います。

前回の提案は、犬と猫のトイレの置き場所ついて考えたのですが、「トイレの位置そのものは、人間のトイレと一緒の場所がいい」「お風呂場の近くで、すぐに洗い流せる方がいい」というご意見を多くいただきました。ほんの一部ですが、いくつかご紹介します。

    私の家にも猫がいますが、リビングにはトイレをおいていません。家を建てるとしても、リビングには置きたくないですね。できれば人間のトイレ内に置きたいと思っています。
    みなさんはリビングに猫トイレを置いているのでしょうか?
    (福岡県・女性・30代)

    犬はしょっちゅうトイレを必要としますが、猫は成猫で1日2回程度です。
    そして犬と違って猫は、トイレにとても神経質です。このため我が家の猫トイレは、洗面脱衣所においてあります。洗面所なら換気扇もついているし、トイレの丸洗いも洗面台か浴室ですぐに出来ます。
    (東京都・女性・50代)

    猫砂の後処理など考えると、人間のトイレと同じ場所が望ましく、猫と同居していらい10年以上人間のトイレの中に置いてあります。排泄物を流せる場所が欲しくなるため、掃除などの都合等合理的な場所は、人間と同じトイレの場所となりました。匂いはもちろんですが、猫砂が結構飛び散りますし、掃除などを考えると扉や囲いなどあると億劫になりがちで不衛生だと思います。
    唯一の欠点は、トイレのドアを閉められないこと。なので、この入口を工夫し、開けっ放しにならない様になるのが理想ではありますが、猫がトイレに行って排泄物のチェックを行うのには、開け放たれた状態も捨てがたいのです。常に開け放っている為、トイレの匂い等常に気を配って清潔を保つのにも一役買っています。
    (東京都・女性・40代)

皆さんからのご意見で多かったのは、猫のトイレは砂状のものが多く飛び散るため、また、猫の情緒の視点からも、ごはんを食べる場所とトイレは、近くにしないほうが良い、というご意見でした。
そこで、まずトイレについて、下のような間取りを考えてみました。

猫のトイレを、バスルーム~洗面室~洗濯機置場の並びにつくり、人間のトイレの場所とも行き来できるようにしました。こうすることで、猫の糞尿の始末もすぐ横のトイレでできたり、バスルームで体を洗ったり、トイレそのものを洗ったりと便利です。
猫のトイレの近くには臭い対策として換気扇を設置し、上部の壁は収納としても使える、猫が上って遊んだりできる棚もつくりました。

そして、食事については、リビングルームの中に猫専用のダイニングテーブルをつくってみました。

猫のダイニングテーブルを床から一段高くする事で、食事への切り替えの気分を演出してみました。また、床の埃などが器に入らない、掃除などをしやすいような配慮もしています。
眠る場所については、猫はどこにでも自分の好きな場所で寝るでしょう。季節や、時間帯によっても気分によっても変わるでしょう。
リビングの上部には、猫が上がれるキャットウォーク(高所にあるネコの通り道)をつくってみました。はしごなどを組み合わせて、少し高い所に落ち着いて眠る場所も確保するのも、気分がいいかもしれません。

いかがでしょうか。今回は猫の気持ちになって、猫中心のリビングルームと遊び場、そしトイレを考えてみました。

少し行き過ぎかな?とも思いましたが、住まいを考えるときに、しっかりペットとの暮らしを計画することで、猫にとってもまた人間にとっても快適で清潔な環境を作り出すことが可能だと思います。
皆さんのご意見をお待ちしています。