もしも、月に住むなら~一戸建て、マンション、所有、賃貸~

コラム | 2009.10.6

先週は「月に住むとしたら、地球の場合と全然違うかたちで家も生活も考えなくてはならない」という話を引き合いに出し、住む場所と住まいのかたちは、密接に関係しているはず、というお話をさせていただきました。
住む場所として、月と地球を比較するのは、あまりに突飛かもしれません。しかし今は人の住む場所ではないと思われている月でさえ、月に住もうという意思とアイデア、それを支える技術力があれば、きっと「住めば都」になるのでは?ということを申し上げたかったのです。

話を少し現実に戻して、「もしも地球に住むなら」と考えてみましょう。
私たちの地上での「住まいの種類」は、どのくらいあるでしょうか。

新築
中古
中古
リノベーション
一戸建て
(注文住宅)
1
2
3
一戸建て
(建売住宅)
4
5
6
集合住宅
7
8
9

これに、「所有」するか「賃貸」にするかが加わりますので、少なくとも9×2=18種類の住まいの形態があることになります。みんなで考える住まいのかたちコーナーでは、これらについて、いろいろな角度から皆さんと一緒に考えてきましたが、これはまだまだほんの一部に過ぎません。
その上、上記の表に表現できていない要素があります。それは、「場所」と「広さ」そして「価格」です。皆さんがどの家に住もうかと考えるとき、実際にはこの3つのことが加わり、無数の選択肢が広がってくると思います。

家を取得しようとするときのことを考えてみましょう。まず家を取得するための「価格」を決め、予算を立てなければなりません。この時点で、「月に住む」という選択肢はなくなるのが普通でしょう。
例えば、

  ・都市部の70m²のマンション
  ・郊外の90m²の土地に建つ100m²の建売住宅
  ・もっと郊外に135m²の土地に建つ110m²の注文住宅

というように、予算が決まると「場所」と「広さ」の組み合わせがある程度絞られてきます。その中からどれを選択していくかは、人それぞれさまざまだと思います。最初から「一戸建て注文住宅」と決めている場合もあれば、「場所はこのエリアで」と譲れない場合もあるでしょう。

さて、「住まいの種類」から決めるのか、「場所」から決めるのか、どちらが良いのでしょうか?
私たちはそのどちらでもないと考えています。大切なのはそこで「どう暮らすか」を考えることではないでしょうか。

たとえば、「予算が限られているから、都市部に一戸建ての注文住宅は無理」ということはありません。歩いていけるところにお気に入りのカフェと、品揃え豊富な書店と、深夜でも営業している映画館があって、猫の額ほどの庭でもそこに小さな一株の木から大好きな花が咲いていれば、家は最小限の広さでも十分、と考える方なら都市部に一戸建て注文住宅も可能なのです。

いえむしろ、来客時やゆっくりしたいときこそ、お気に入りのカフェで過ごし、読書欲は書店や図書館で満たし、観たいときに映画館で最新の映画を観るという生活ならば、普通は誰も考えないような小さな家で十分で、そんな特別に小さな家は、注文住宅でないと実現できないかもしれません。
それは「都市部で一戸建て」というかたちにこだわった結果ではなく、「カフェでの快適なひとときと、最新の書籍や映画と、庭に咲く一輪の花」にこだわった結晶ですから、間違いなくその家では豊かな暮らしが待っているでしょう。

「みんなで考える住まいのかたち」では、具体的な場所にスポットを当て、そこで皆さんがどんな暮らしをしているか、どんな生活が実現可能なのかを考察していきたいと考えています。
「こんな暮らしにこだわった結果、ここに住んだ」または「あんなところで、こんな風に暮らしてみたい」という皆さんのお話をぜひ、お聞かせください。