HOUSE VISION「編集の家」

住まいのかたち | 2013.3.19

今回は、HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITIONの蔦屋書店×東京R不動産の展示ハウス「編集の家」についてお話しします。

「編集の家」は、集合住宅の一室をリノベーションし、壁を取り払って、ひとつの大きな空間にしています。そこにはダイニング、キッチン、ワークスペースが一体になった、とてつもない大きなテーブルがあります。家族はこの大きなテーブルを囲んでそれぞれが自由に時間を過ごします。一人になりたくなったら、集中ブースという移動式の小さな書斎にこもって仕事をする、というものです。

一方、ガラスで囲まれたバスルームには風呂が2つあります。家族でお風呂に入りながらテレビを見たり会話をしたり、団らんの時間をお風呂で過ごすというもので、バスルームとリビングが一体になっています。
これはあくまでも提案です。ここまで暮らしは自由になれるという、多くの人の既成の枠組みを超えて、こんな暮らしもあるかもしれない。そう思ってもらう、ひとつの事例だそうです。

蔦屋書店 × 東京R不動産
「編集の家」

この「編集の家」にはもう1つの部屋があり、そこにはリノベーションをするときに選択できるパーツの数々が展示されています。展示すべてに金額が提示されていて、ユーザーが自分の予算と合わせて選択できるようになっているのです。
さまざまな模様のタイルや特殊な塗装、床材、ドアノブやスイッチプレートなどがあり、こんなものがあったのかと、もし自分で家をつくるのならどれを選ぼう、とその夢が広がっていくのです。

リノベーションの事例と、自分の家を自分でつくるためのパーツの展示。今まで家は買うもの、プロに任せるもの、そう考えて来た時代に、自分の暮らしは自分で考え、つくること、そうした新しい考え方が社会に動き始めていることを教えてくれています。

こうした考え方はさらに進んで自分で施工もする、DIYという考え方もうまれてきそうです。完璧な工事でなくても、少し粗っぽい工事でも、自分で使うものなら問題ありません。さらにそうしたテイストが暖かみのある素材感や肌触りを作り出しますし、なにより自分でつくることで家への愛着がわいてきます。
きれいな家を買うより、自分でつくってみる。時々手を入れて、自分の暮らしに合わせてつくり替えていく。住みながら家に手を入れていく。そうした学習とも言える暮らしへのこだわりが、暮らしの質を上げていくことなのかもしれません。

>「HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITION」に向けての坂氏のコメントを、こちらの動画からみることができます
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