キッチンを家具として考える

団地再生物語 | 2012.9.18

もし、賃貸でリノベーションすることが可能だったとしても、住宅キッチン設備について悩むものです。せっかく新しい設備を取り入れても、引っ越していくときには持っていくことができないし、なにより費用がかかります。

そこで、いっそキッチンは「家具」として考え、引っ越すときには持っていけるものにしてしまう、というのはどうでしょうか。
シンクとコンロ、そしてダイニングテーブルをそれぞれ90cmのパーツに分解してみます。これらをユニット家具のように組み合わせて間取りをつくってみました。

[1]小さなオープンキッチン
シンクとコンロをオープンキッチンとし、とても小さなキッチンをつくってみました。

[2]コンロとダイニングテーブルが一体のキッチン
シンクとコンロは別々にして、コンロとテーブルをつなげてみました。鍋や鉄板焼きなどの料理をするときは、ダイニングテーブルの上が調理台になるので、エクステンションテーブルで広さを拡張できるといいですね。

[3]シンク、コンロ、ダイニングテーブルが一体のキッチン
シンク、コンロ、ダイニングテーブルをつなげてみました。子どもと一緒に料理をすることもできそうですし、また、調理しながら1~2人分の簡単な食事をしたり、バーカウンターのようにも使えそうです。

このように、キッチンを「移動できるもの」と考えるなら、住み替えのたびに持っていくこともできるでしょう。こうしたキッチンだけなら少ない費用で持つこともできるのです。
そのためには、始めからキッチンのついていないスケルトンの賃貸住宅があればいいとも思います。水道、排水のつなぎ込みの位置は物件ごとに決まっているので、そう多くの配置場所は選べないかもしれませんが、工夫をすれば多少の位置の変更は可能なこともあります。また住みながらでも、キッチンの場所を少し動かしてみるということもできそうです。

さてこうした「家具として考える」キッチンですが、レンジフードの取り付け位置で悩みます。コンロやレンジフードの位置や素材などは、法律の決まりがあります。とはいえ、小さな部屋なら壁付きの換気扇をレンジフードとして活用することも出来るかも知れません。しっかりした大型のレンジフードを設置する方法もありますが、リノベーションの可能性を広げるために、ここはできるだけ簡単・簡易なものを考えてみるのはどうでしょうか。
そして、キッチン収納などは造り付けのものではなく、自分の使い勝手の良い位置に簡単な棚などをしつらえて活用するのもいいでしょう。

家具のように動かせる、または持っていけるキッチンいかがでしょうか。
皆さんのご意見をお寄せください。