2026年は、中古マンションを選ぶ人がますます増えるのでしょうか?

リノベーションなんでも相談室 | 2026.1.8

ご質問

ここ最近、新築マンション価格の高騰が話題になっています。新築に限らず住まい選びをする人も増えているようですが、2026年は中古マンションを選ぶ人がますます増えていくのでしょうか

みなさんの住まいについてのご相談を受けるなかで「新築マンションを検討していたが、現実的ではなくなってきた」や「中古マンションを前提に考えた方がよいのか迷っている」という声をよく聞くようになりました。住まいの選び方が変わりつつある昨今の住宅業界ですが、2026年はどのような変化が起こるのでしょうか。

今回は、中古マンション市場と日々向き合っている、マンション管理士で宅地建物取引士の”こっしー”が、2026年のマンション市場の展望について解説してまいります。

新築マンションはより高く、より選びにくく。

まずは中古マンションを取り巻く環境を確認してみましょう。建築資材や人件費の上昇、用地取得コストの高騰などを背景に、新築マンションの価格はこの数年で大きく上昇しました(図1)。以前は「億ション」といえば超高級マンションのイメージでしたが、東京23区においては新築マンションの平均価格が2年連続で1億円を超えており、もはや珍しいものではなくなっているのです。

図1. 新築マンション価格の推移

また、新築マンションは供給戸数も減少傾向が続いており、希望するエリアで新築を見つけることができないという状況も珍しくありません(図2)。金額が上がり、選択肢も少なくなっている新築マンションは検討の土台にすら乗らず、現実的な選択肢として中古マンションを選ぶ方が増えているのです。

図2. 首都圏マンションの流通数の推移

図2に示されているように、首都圏においては2016年に新築マンションの供給戸数と中古マンションの成約戸数が逆転して以降、中古マンションの方が盛んに取引されている状況が続いております。中古マンションはもはや住宅購入のメインストリームとなり、今後もますます人気が広がっていくことになるでしょう。

国も「中古シフト」を本格化。

中古マンションの流通が加速すると考える背景には、国のスタンスの変化があります。国としては、これまでさまざまな税制優遇などによって新築住宅の供給を後押ししてきました。たとえば、2025年時点の住宅ローン控除では、新築住宅では最大455万円の控除額(認定長期優良住宅等で子育て世帯の場合)であるのに対し、一般の中古住宅は最大140万円の控除額となっています。

ところが、不動産市場の変化を受けて、中古住宅についても優遇幅を拡充できるような制度変更が予定されています。令和8年度与党税制改正大綱では、一定の省エネ性能を満たす中古住宅について住宅ローン控除の適用を拡充する案が示され、中古住宅でも最大409.5万円(ZEH水準省エネ住宅で子育て世帯の場合)の控除額となることが明記されました(図3)。現時点では確定した内容ではないものの、国としても中古住宅へのシフトを真剣に考えていることがわかる内容となりました。「新築だけを優遇する」という時代から「質の高い住宅ストックを活かす」という時代へのたしかな変化を感じますね。

図3.住宅ローン控除の改正案(令和8年度税制改正大綱)

ひとつ注目をしておくべきは、中古住宅の流通を単に促進したいという意図ではなく、性能の高い住宅を評価し活用していくという方向性が示されているという点です。税制改正大綱によれば、十分な耐震性を持たない住宅は控除対象外のままですし、一定の省エネ性能を満たさないものについては、従前の制度からの拡充は予定されていません。ストックの「量」ではなく「質」に目を向けられていることがよくわかる内容となっています。

価値ある中古マンション選びの要点。

こうした市場の変化や制度の改正を踏まえると、2026年以降、中古マンションを選ぶ人が増えていく流れは、ある意味で必然といえるかもしれません。ただし、中古マンションの選び方やリノベーションの内容については、これまで以上に注意深く検討することをおすすめします。たとえば、住宅ローン控除の改正案や2030年にZEH水準への適合が新築で義務化される予定であることなどを考慮すると、最低でも現行の省エネ基準を満たすように、できればZEH水準を満たすレベルまで省エネ改修を行うとよいでしょう。

また、以前のコラム「買ってはいけないマンションはありますか?」や「長期修繕計画とは、なんですか?」などでも触れている通り、マンションの維持管理の状態が、長期的な住み心地や資産価値に影響することが予想されています。単に「新築か中古か」という比較ではなく、どのような住宅ストックをどのように活かしていくのか、という視点で住まいを考える年になりそうです。

今回は、2026年の中古マンションの展望について解説しました。これまでもさまざまな方法で中古住宅の活用に向けた取り組みが行われてきましたが、いよいよ国も本腰を入れてきたな、という印象を持っています。新築・中古、マンション・戸建、選択肢はさまざまですが、新築に限定せず、中古マンションにも目を向けてみると住まいづくりの幅が広がるかもしれません。リノベーションをすれば新築以上に快適な空間をつくることができますから、ぜひ検討してみてください。

無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、資金計画やマンション選び、設計・施工、アフターサポートまで一気通貫でサービスを提供しております。ご興味をお持ちの方は、リノベーションセミナーや相談会、見学会にぜひお越しください。

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“こっしー”プロフィール

無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。

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