マンション購入の相談で、2025年よく聞かれた質問はなんですか?
リノベーションなんでも相談室 | 2025.12.2
今年も年の瀬が迫ってきましたが、こっしーさんが2025年によく聞かれた質問はあるのでしょうか。今後のマンション購入の参考にさせていただきます
マンション業界や住宅業界にとって、2025年はさまざまな変化のある年でした。新築住宅の省エネ義務化がついにスタートしたり、マンション価格高騰や金利上昇などのマーケットの大きな動きがあったりと、これからマンションを買おうという方にとっては大変な一年でした。このタイミングで住まいづくりの相談会に参加した方は、どのようなことを心配し、質問をしていたのでしょうか。
今回は、個人としても毎年100件近いご相談と向き合っている、マンション管理士で宅地建物取引士の”こっしー”が、2025年の相談会でよく聞かれた質問について解説してまいります。
住宅性能についての質問
お客さまとの個別相談を行うなかで、住宅の性能についての質問を受けることが多くなった印象を持っています。これまでは「おしゃれ」や「自分らしさ」という言葉との結びつきが強かった「リノベーション」という存在ですが、それだけではなく、「健康」「快適」「省エネ」といった言葉とリンクさせて考える方が増えているのかもしれません。2025年から新築住宅の省エネ義務化が始まったことに加え、酷暑のニュースなどに触れることで、住宅の質について考えるようになった方も多いのではないでしょうか。それでは、いくつか具体的な質問を見てみましょう。
「マンションでも断熱改修はやるべきなのでしょうか」
戸建住宅と比べて気密性が高く、外気と接している面が少ないマンションですから、どこまで断熱改修に力を入れるべきかがわからないと悩むのも無理はありません。なんとなく性能向上はやるべきだという意識はあるものの、具体的な必要性についてはいまひとつよくわからないということなのでしょう。
回答としては、マンションでも断熱改修はやるべきです。最近の新築住宅は断熱・省エネ性能については高い水準で建てられていますが、リノベーション対象となるような築20年程度経ったマンションにおいては、今年から新築住宅で義務化された水準を満たしているものはほとんどありません。健康・快適な暮らしを送るため、あるいは長期的に資産価値を維持するためには、目には見えない性能の部分にもしっかりとコストをかけることをおすすめしています。下記の記事も参考にしてみてください。
2021.11.9
「断熱リノベーションをすると補助金がもらえるのでしょうか」
補助金がもらえるのであればもらいたいものですよね。自治体毎の独自の助成制度に加えて、ここ数年は国としても住宅の新築、既存住宅のリフォーム・リノベーションに対しする助成制度を設けています。2025年度については、きちんと省エネに資する改修工事を行うことが条件として設定されたため、壁の断熱、窓へのインナーサッシの設置、省エネ設備の導入を行った方については、金額の差こそあれ補助金の交付を受けているのでしょう。新築同等の水準まで性能を高めたものについてはより手厚い補助をもらえると嬉しいなと感じておりますが、それは来年度以降の制度に期待しましょう。
住宅ローン・予算についての質問
お金についても質問は、必ずと言っていいほど聞かれる内容です。そもそも大きなお買い物であるが故の不安があるなかで、マンション価格の高騰や金利上昇・金利動向の不透明感という状況が重なっておりますから、プロに聞いておきたい、と考える方も多かったのでしょう。たとえば、以下のような質問にはよくお答えしておりました。
「変動金利ではなく、固定金利を選んだ方がよいのでしょうか」
金利上昇局面に入る前は、激しい金利競争が行われていましたらから、0.3%台の住宅ローンというのも珍しいものではありませんでした。直近では、住宅ローン金利は0.9%前後まで上がってきており、今後もインフレの度合いによってはさらなる金利上昇もあるかもしれないという見方もあります。
変動か固定か、という問いへの回答はそれぞれの価値観によるところもありますが、必ずしもいまの状態で固定金利一択に絞る必要はないと考えています。このままインフレが続いたとしても、固定金利の方が利息面で得をするというケースは稀だといえるでしょう。ただし、収入が不安定なお仕事をしている方など、住宅ローンの返済額に変動があっては困る、という方においては固定金利を選んだ方が気持ちの面でも安心でしょう。下記のコラムもご参照ください。
2022.4.19
「金利上昇に備え、借入は少なくした方がいいのでしょうか」
変動金利の住宅ローンを借りている場合、将来的な金利上昇リスクに備えて、借入額はなるべく少なくしたいと考える方も増えているのかもしれません。ご家庭の状況次第なので万人に共通する回答はできないのですが、一般論としては、借入額を必要以上に抑える必要はないでしょう。無理な借入は禁物ですが、住宅ローン自体がインフレ対策として機能を持ちますから、借入を減らすことに躍起になる必要はないといえます。詳しくは、以下のコラムをご覧ください。
2025.9.2
マンション市場の将来についての質問
マンション価格の高騰を受けて、これまでは新築・築浅のマンションを検討していた方も、中古マンションのリノベーションに目を向けるようになってきました。新築マンションのモデルルームを見学し、販売担当者からひとしきり中古マンションのリスクを説明された状態で相談会に来場される方も増えましたから、本当に中古マンションは大丈夫なのか、という意味合いの質問がなされることにも納得できます。
「古いマンションは価値が下がるのではないか」
マンションの築年数が経過していくと、やがて無価値になってしまうと考えることに違和感はありません。ところが、実際はそのようにだらだらと価格が下がり続けるというものではなく、築35~40年あたりで価格が下げ止まるというのがマンション市場です。ただし、どのようなマンションでも価格を維持できるということではありませんから、「耐震性」と「管理状態」についてはマンション購入前に確認することをおすすめしています。現行の耐震基準を満たしている建物であること、財務状況や将来的な修繕計画が健全な状態であること等、選ぶものさえ間違えなければ、マンション価格の値下がりにおびえる必要はありません。以下の記事も参考にしてみてください。
2024.6.18
2024.9.10
今回は、2025年の個別相談会でよく聞かれた質問について解説しました。業界全体としてもニュースとなった省エネ義務化、インフレ社会への移行など、社会情勢の変化を受けて質問の内容も変わってきているのかもしれません。他にも間取のつくり方や立地の選び方についてのご質問もありましたから、気になる方は実際に個別相談会にてお話いたしましょう。
無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、マンション購入の初期段階から、設計・施工、アフターサポートまで、ワンストップでサービスを提供しております。ご興味をお持ちの方は、リノベーションセミナーや相談会にお越しください。
\ みなさんからのご質問もお待ちしています!/

“こっしー”プロフィール
無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。








