いまの住まいをリノベーションしたいのですが

リノベーションなんでも相談室 | 2021.12.21

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「新築で購入してから25年以上住んでいる自宅マンションのリノベーションを考えています。どのような手順で進めればよいのでしょうか」。

新築で購入したマンションも、長年暮らしていると内装や設備の不具合が出てきたり、暮らしと間取りが合わなくなったりと、いろいろな問題が生じるものです。とはいえ、明確なリミットがあるわけではないので、いつかやろう…と先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか。今回は、ご自宅をリノベーションする際のスケジュールや進め方について解説してまいります。

自宅リノベのスケジュール

まずは、ご自宅をリノベーションする際のひと通りの流れを見ていきましょう。図1の通り、大きくは「きっかけ」→「検討」→「設計」→「仮住まい」→「施工」→「引越し」という流れになり、どんなに順調に進んだとしても、検討開始からリノベーション後のお引越しまでには半年以上の期間が必要になります。

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図1. 自宅リノベーションのスケジュール

(1)きっかけ
リノベーションを検討するに至るには、何かのきっかけが存在するはずです。2018年にリクルート住まいカンパニーが発表したアンケート結果(図2)によれば、設備にまつわる問題をきっかけにリフォームを行った方が多いようです。実際に私がお客様のご相談を受けるなかでも、洗面・お風呂・キッチンなどの設備のリフォーム検討から始まり、それなら床下の配管も、そこまでやるなら間取りも含めて刷新しようと考え、リノベーションをすることになる方も多くいらっしゃいます。

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図2. リフォームのきっかけは設備の問題が多数

(2)検討
リノベーションの実施時期、工事規模、資金計画、依頼する会社の選定など、具体的な設計施工を行う前に、決めるべきことを集中して検討する期間が必要です。工事規模・資金計画の考え方はのちほど解説しますが、いつから新生活を始めたいか、つまり工事のデッドラインを仮決めするところからはじめるとそのほかの検討が捗ります。ご自宅のリノベーションの場合、どうしても腰が重たくなりがちですからね。

(3)設計
ご自宅の場合、お部屋のいいところ、悪いところがよくわかるでしょうから、「西側の窓からの眺望がよいから、それを生かしたい」、「暗くて寒い、無駄な廊下をなくしたい」、「北側の寝室は結露がひどいから、なんとかしたい」など、課題や要望を具体的に整理しながら設計を進めます。規約・細則や建物の構造など、基本的な確認も設計開始前に行います。

(4)仮住まい
リノベーションを行う際には一度お部屋を空っぽにする必要がありますから、工事期間の3~4か月程度は仮住まいへの転居が必要になります。とくに仮住まいのあてがなければ、仮住まいを専門に取り扱う不動産業者に協力してもらうことが一般的です。この仮住まいへの引越しのタイミングで、持ち物の整理を行いましょう

(5)施工
フルスケルトンからのリノベーションの場合、解体してはじめてわかることもありますので、多くのリノベーション会社では解体後に現地でのお打合せを行います。そのほか、現地での打合せを行うこともありますが、工事中の現場への立ち入りは各社のルールに従って行ってください。現場には資材や工具などが置かれており危険ですから、無断で立ち入るとケガなどのトラブルにつながる場合もあります。

(6)引越し
工事が終わると、ようやくお引越しです。仮住まい先への引越しでは整理しきれなかった物もあるでしょうから、改めているもの・いらないものの選別を行いましょう。家具・家電選びも工事期間中に目途をつけ、お引越し後に必要なものが揃うように手配をしましょう。

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図3. 未開封の物は処分も検討

自宅リノベ検討のコツ

スケジュールとしてまとめるとシンプルなものですが、実際は「検討」のフェーズがなかなか進まずに時間だけが経ってしまう場合が多いように思います。ここからは、自宅のリノベーションをスムーズに進めるためのコツをまとめますので、ぜひ参考にしてみてください。

(1)あと何年住む想定なのかを考える
まず考えていただきたいのは、この家をリノベーションして、あとどれくらい住もうと思っているかということです。たとえば、せいぜいあと5~6年住んで、その後は実家に戻ろうという想定であれば、必要最低限のリフォーム工事にとどめて予算を抑えるという考え方もあるでしょう。一方で、リノベーション後の住まいを終の棲家として考えるのであれば、20~30年先まで見据えて、段差の少ない空間、冷暖房の効きやすい空間、健康に暮らせる空間など、安全性や快適性を意識した住まいをつくるべきです。あとどれくらい住むのかを考えると、工事の規模が決まってきます

(2)適正な予算設定について考える
工事規模を決めたとして、それが実現できるか否かも大きな問題です。手元の資金に余裕がある方は心配ないかもしれませんが、どこまで貯蓄を取り崩していいかわからないという方も多いのではないでしょうか。また、リフォームローンや住宅ローンの借り換えを行う(表1)という選択肢もありますから、資金計画をひとりで考えるというのはとても難しいことなのかもしれません。

表1. 自宅リノベ資金調達の一例

リフォームローン 住宅ローン借り換え
抵当権 不要 必要
金利 高い
(2%程度)
低い
(0.5%程度)
借入可能金 少ない
(~1,000万円程度)
多い
(~10,000万円程度)
借入期間 短い
(最長15年程度)
長い
(最長35年)
審査 少ない、すぐ借入できる 厳しい、時間がかかる

住宅購入の際の資金計画の重要性は、以前のコラムでも解説しておりますが、自宅をリノベーションする場合も、適正予算を明確にすることが大切です。予算を抑え過ぎて中途半端になるのはもったいないですし、コストを掛け過ぎて貯蓄を食いつぶすのも考えものです。できれば、住宅に明るいファイナンシャルプランナーなど第三者の意見も踏まえた計画を行うとよいでしょう。自宅リノベーションを検討しはじめる50~60代においては、定年までの期間が限られますから、予算をどうするか、自己資金と借入のバランスをどうするかなど、慎重な検討が必要といえます。

今回は、自宅リノベーションの手順について解説しました。長く暮らした住まいを、よりよい空間に変えていけるリノベーションですが、いざ具体的な検討を行おうと思ってもなかなか検討が進まないものです。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、検討初期のご相談や資金計画のお手伝いも含めたサービスを提供しております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

みなさんからのご質問もお待ちしています!/

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