マンションでストーブを使ってもいいですか?

コラム | 2021.11.23

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「実家のマンションでは石油ストーブを使っていましたが、最近のマンションではストーブを使わないほうがよいと聞きました。マンションでストーブを使ってもよいものなのでしょうか」。

これからの季節に気になる、暖房についてのご相談ですね。私の実家も古いマンションなのですが、灯油ファンヒーターを使っていましたね。各居室にはガスコックがあり、分譲当時にはガスストーブの使用が想定されていたこともわかります。ところが、最近のマンションにおいてはストーブやファンヒーター(以降、まとめてストーブと呼びます)を見かけることは少なくなりました。マンションにおいてストーブを使ってもいいものなのか、そのほかの暖房器具の特長も交えて解説してまいります。

家庭で使う、主な暖房器具

まずは基礎知識として、暖房器具の種類と特長についてみてみましょう。表1に、代表的な暖房器具のメリット・デメリット・用途をまとめました。用途は、局所的に暖める「採暖」と、お部屋全体を暖める「暖房」に分類しています。みなさんの家庭には、どの暖房器具がありますでしょうか?

表1. 暖房器具ごとの特長

メリット デメリット 用途
石油・ガス
ストーブ
・すぐに暖まる ・空気を汚染する
・結露リスクが高まる
採暖
電気
ストーブ
・空気を汚染しない
・小型化が容易
・電気代が高い 採暖
オイルヒーター ・空気を汚染しない
・低温でやけどしにくい
・電気代が高い
・すぐに暖まらない
採暖・暖房
エアコン ・電気代が安い
・空気を汚染しない
・すぐに暖まらない 暖房

石油・ガスストーブは、すぐに暖まるというメリットはあるものの、燃料を燃やした空気が室内に排出されるため、室内の空気が汚れてしまいます。換気を怠ると一酸化炭素中毒を引き起こすリスクもありますから、気密性の高いマンションにおいては、とくに注意が必要です。また、燃焼の過程で水蒸気が発生するので、結露の発生リスクも高まってしまいます。これらのデメリットを踏まえると、お部屋全体を暖める目的で使うのではなく、せいぜい一家に一台、人がいるところを短時間・集中的に暖めるという使い方が向いてるようです。

電気ストーブは電気代が高いものの小型化が容易なので、デスクの下に置いて足元だけを暖めるという使い方も良さそうです。オイルヒーターのじわじわ暖まる感覚を好む方もいますが、思いのほか電気代がかかるので気を付けましょう。エアコンは圧倒的に効率が高く、空気を汚染することもないので、ほとんどの家庭においてメインの暖房器具として選ばれています。

マンションでは、ストーブは使わない

先に結論をお伝えすると、「マンションでストーブを使ってもいいか?」と聞かれた場合、「基本的には使わないほうがよい。」というのが回答になります。寒冷地などで使われるものを除き、一般的に使われるストーブについては空気を汚染するリスクもありますから、マンションにおいては、基本的には使うべきではありません。あえて”基本的には”と添えているのは、マンションの性能や使い方によっては、絶対NGとは言い難いケースもあるためです。

たとえば、築50年を迎えるような古いマンションにおいては、建物自体に断熱施工がなされていなかったり、劣化したサッシからすきま風が漏れたりと、暖めたそばから熱が逃げてしまうものもあります。そのような場合においては、エアコンのぬるい熱源では室内が十分に暖まらず、ストーブの高温熱源に頼りたい気持ちもわかります。もっとも、このようなお部屋については、断熱性能や気密性能を高めるようなリノベーションをしていただきたいものですが。

ストーブとエアコンの普及率の推移(図1)を見ると、エアコンの普及率が伸び続けているのに対し、ストーブ(ファンヒーター)は2005年をピークに低下していることがわかります。戸建、マンションともに断熱・気密性能が向上し、エアコンの高効率化が進んでいることもあり、暖房器具のあり方が変化しているようですね。なお、管理規約で灯油など危険物の持ち込みやストーブの使用が禁止されているケースもありますから、マンションごとの確認も必要となります。

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図1. エアコン・ストーブの普及率

採暖ではなく、暖房を

私自身が実家で暮らしていたころのことを思い返すと、ストーブは専ら「採暖」目的で使っていました。断熱性能の低いマンションだったので、冬になると室内は寒く、ストーブ前のベストポジションを兄弟で取り合ったものです。逆にいえば、ストーブのすぐ前は快適、その他の場所は寒い(不快)という状況だったわけですね。

このコラムでもたびたび紹介しておりますが、家のなかで健康・快適に過ごすためには、リビングでも寝室でも脱衣室でも、お部屋のどこにいても適度な温度であることが望まれます。そのような環境を実現するためには、以前のような「採暖」の考え方ではなく、お部屋全体を暖める「暖房」の考え方へのシフトチェンジが必要になります。住まいの重要性が増している現代だからこそ、暖房器具の選定や使い方、間取のつくり方など、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、ストーブや暖房方法について解説しました。暖房器具を選定する際には、それぞれの器具の特長やお部屋の性能も踏まえて考えてみるとよさそうです。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、お部屋全体が暖まる一室空間の考えをもとにした空間づくりをしております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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