マンションの音の問題が心配です

コラム | 2021.10.26

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「マンション購入に興味があるのですが、多数の世帯が同じ建物で暮らす共同住宅という性質上、近隣との騒音問題が心配です。どこまで気にするべきなのか、また、リノベーションでできる対策があるのか教えてください」。

マンションの音の問題、非常に難しいテーマですね。音の感じ方は人それぞれですし、近隣住人との関係性次第でトラブルに発展するか否かが変わってくるものです。今回は、マンションの音の問題について、知っておくべき基礎知識とリノベーションで対策できることについて解説してまいります。

とにかく、音の問題は難しい

はじめにお伝えしておきたいのが、音の問題については「こうすれば万事解決!」という対策はないのだ、ということです。聴覚や音に対する感じ方は人それぞれ異なりますから、マンションで暮らす以上、多かれ少なかれ音の問題とは付き合うことになるとお考えください。自分は音に対して非常に敏感だ、という自覚のある方は、マンションには不向きかもしれません。

実際、国土交通省による「平成30年度マンション総合調査」を見ると、マンション内で発生するトラブルのなかで、「生活音」が群を抜いていることがわかります(図1)。また、建物の完成年次別の集計(図2)によれば、比較的新しいマンションでも音の問題を抱えているようです。のちほど説明しますが、新しいマンションは古いものと比べて遮音・防音性能という面では有利なはずですから、いかに「音の感じ方」が重要であるかが見て取れます。

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図1. マンションのトラブルでは生活音がダントツ

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図2. 新しいマンションでも生活音の問題が発生している

マンション内の3つの音

そもそも、音というのは「空気伝搬音」と「固体伝搬音」に分けることができます。文字通り、空気を伝う音と、コンクリートなどの固体を伝う音です。さらに、固体伝搬音は「軽量衝撃音」と「重量衝撃音」に分けることができ、マンションの音問題について扱う際には「空気伝搬音」「軽量衝撃音」「重量衝撃音」の3種類にフォーカスする必要があるのです。

(1)空気伝搬音
話し声やテレビ・オーディオ・楽器などから発生する音が、空気伝搬音です。人間にとって最もよく聞こえる音が、高音で音が大きいものといわれておりますので、ピアノやバイオリンの演奏や大声での歌唱はとくに気を付ける必要があります。楽器演奏については、管理規約で時間の制限がされていることもありますので、その遵守が求められます。また、空気伝搬音については、窓などの開口部からもまわり込んで音が伝わるということも理解をしておきましょう。最近の新築ではペアガラスのサッシが使われているため、単板ガラスが使用されている古いマンションと比べると防音性能は高くなります。

(2)軽量衝撃音
スプーンのような軽くて硬いものを、フローリングやタイルといった固い床の上に落としたときに伝わる音が軽量衝撃音です。これも、高音で音が大きい部類に入りますので、耳障りな音であるといえます。多くのマンションでは、管理規約に床の遮音性についての定めがあり「LL-45以上の性能とすること」や「フローリングに変更する際は近隣住人の承認を取ること」などが求められます。軽量衝撃音は遮音性のある床材を使用することで、比較的対策がしやすい音になります。

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図3. 軽量衝撃音対策となる遮音二重床

(3)重量衝撃音
こどもが走りまわったり飛び跳ねたりするような、ドシンという音が重量衝撃音です。マンションの騒音問題と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはこの音の問題かもしれません。ドシンという音が真下の部屋だけに伝わるとは限らず、思いもよらぬところまで影響が出ることもあります。重量衝撃音の伝わりやすさについては、コンクリートスラブの厚さや梁の入り方など建物の構造に依存するため、リフォーム・リノベーションでの対策がしにくい音になります。最近のマンションでは床のコンクリートが20cm以上あるのは当たり前で、15cm程度のこともある古いマンションと比べると有利といえます。

リノベーションでできる対策

マンションの3種類の音に対して、リノベーションでできる対策の一例を図4にまとめます。空気伝搬音に対しては、インナーサッシの設置など窓の防音性能を高めることが効果的です。本気で楽器の演奏を楽しむなら、防音室を設置するのもよいかもしれません。軽量衝撃音に対しては、遮音性の担保された床材や床下地を使用すればよいでしょう。最も厄介なのが重量衝撃音で、遮音二重床などの効果がないわけではないのですが、ドタドタ歩かない、飛び跳ねない、重たい荷物をドスンと落とさない、など生活する上での注意がより重要となります。上階からの音対策として、天井裏への木炭チップの敷設という方法もあるそうです。

空気伝搬音
・窓ガラスをペアガラスに変更 ※管理組合の許可が必要
・インナーサッシの設置
・防音室の設置
軽量衝撃音
・遮音フローリングの使用
・遮音二重床の使用
重量衝撃音
・遮音二重床の使用
・天井裏への木炭チップの敷設 ※上階から自室への騒音対策

図4. リノベーションでできる騒音対策

繰り返しになりますが、音の感じ方は人それぞれで、リノベーションでできる対策にも限りがあります。マンションの騒音トラブルは、結局は人と人との問題ですから、近隣の方と良好な関係性を築くなど、ソフト面での対策が最重要といっても過言ではありません。引越しの際やすれ違ったときに挨拶をする、テレビ・音楽の音量に注意する、扉の開け閉めや家具の移動はそっと行う、というようにお互いさまの精神で、まわりに配慮した生活を意識してみてください。

今回は、マンションの音の問題について解説しました。対策が難しい種類の音もありますが、リフォーム・リノベーションをする際にはルールや良識に則った設計施工を行う、普段の生活においては共同住宅であることを意識するという至極当然な暮らし方が何よりの対策であるといえそうです。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、インナーサッシや遮音二重床を標準仕様としています。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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