フラット35リノベとは、何ですか?

コラム | 2021.9.28

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「中古マンション購入とリノベーションを検討しており、固定金利のフラット35に興味を持っています。フラット35リノベというものも目にしたのですが、どのような商品なのでしょうか」。

住宅購入をする際には、ほとんどの方が住宅ローンを使うことになると思います。変動金利、固定期間選択型など、さまざまな種類のタイプがあるなかで、長期固定金利の【フラット35】という名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。今回は、中古購入+性能向上リノベーションに特化した【フラット35】リノベについて解説してまいります。

長期間固定金利の【フラット35】

【フラット35】リノベについての説明の前に、そもそも【フラット35】とはどのような制度なのか、簡単に説明いたします。【フラット35】とは、民間金融機関と独立行政法人住宅金融支援機構が提携して提供する、全期間固定型の住宅ローン商品です。【フラット35】のWEBサイトでも紹介されている通り、最長35年の長期間固定金利、【フラット35】Sや【フラット35】リノベのような優遇制度が用意されているなどの特長があります(図1)。借入条件などの詳細は、上記WEBサイトからご確認ください。

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図1.【フラット35】の特長

また、【フラット35】の歴史をたどると、もとは住宅金融公庫が提供していた住宅購入のための融資(公庫融資)を、住宅金融支援機構がかたちを変えて引き継いだものになります。この歴史からもわかるように、公的な性質を帯びた、国民の住宅取得を支援するための制度であるという側面を持ち、個人事業主や経営者などの民間金融機関では審査が通りにくい方でも【フラット35】であれば住宅ローンを組みやすくなります。団体信用生命保険(団信)への加入も任意であり、健康面に不安がある方でも住宅ローンを組むことができるのです。

金利は2021年9月時点で1.28%程度であり、変動金利(条件が良ければ0.5%を下回る)と比べると高い水準ではありますが、直近10年間の推移を見ると、ここ数年は1.5%を下回る低金利状態であることがわかります(図2)。なお、2017年10月からは民間金融機関と同様に団信が付帯することになりましたが、団信に加入しない場合は▲0.2%の金利引下げとなります。

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図2.【フラット35】金利の推移

中古がよりお得になる、【フラット35】リノベ

長期固定金利で根強い人気の【フラット35】ですが、2016年10月からは中古住宅の流通促進と性能向上リフォーム推進のための【フラット35】リノベという制度が登場しました。さらに、2021年1月からは、適合基準が緩和されたこともあり、【フラット35】リノベという制度を目にする機会は増えたかもしれません。金利Aプラン、Bプランの2タイプ(表1)があり、より基準の厳しい金利Aプランに適合すると、10年間にわたって0.5%の優遇を受けられる、とてもお得な制度となっています。2021年9月の融資実行であれば、当初10年間の金利は0.78%となりますから、とても全期間固定金利とは思えない低水準ですね。

表1.【フラット35】リノベの金利タイプ比較

金利Aプラン 金利Bプラン
リフォーム工事費用の要件 300万円以上 200万円以上
住宅の要件 省エネルギー性 一次エネルギー消費量等級5 断熱材の追加
断熱性の高い開口部への交換
高効率空調機・高効率給湯器・太陽光発電設備の設置 など
耐震性 耐震等級3 壁、筋かい等の設置
バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級4以上 手摺の設置
通路または出入口の幅員拡幅
バリアフリートイレまたは浴室への交換 など
耐久性・可変性 長期優良住宅 屋根・外壁の塗装・防水
天井・内壁等の壁紙等の交換 など
金利引下げ期間 10年 5年
金利引き下げ幅 ▲0.5%
【フラット35】との返済額の差
借入額3,000万円(融資率9割以下)
▲約143万円 ▲約77万円

一方で、【フラット35】リノベ金利Aプランで求められる性能水準は、リフォーム・リノベーション業界にとってはハードルが高く、制度が十分に活用されていないという問題もあります。マンションのリノベーションにおいては、主に省エネルギー性が対象となりますが、ここで規定されている「一次エネルギー消費量等級5の住宅」に適合するためには、適切な省エネ改修(断熱性能の向上や、省エネ設備の使用等)を行ったうえで、省エネ性能を計算し、適合状況を証明する必要があるのです。残念ながら、多くのリフォーム・リノベーション会社では、そこまでこだわった設計施工が行われることはなく、金利Bプランへの適合に留まってしまいます。

ご質問者のように、せっかく【フラット35】リノベに興味を持ったのであれば、金利Aプランに適合するリノベーションをしてみてはいかがでしょうか。金利Aプランで求められる省エネルギー水準はリフォーム・リノベーション業界としては厳しいものですが、新築住宅では当たり前にクリアすべき水準といってもよいでしょう。住宅における省エネルギー性能向上の重要度が増している現代において、中古だから低性能でも仕方ない、リノベーションは見た目だけ良ければよい、と現実から目を背けるべきではありません。

今回は、【フラット35】リノベについて解説しました。新築優遇の日本においては珍しい、中古住宅購入者が有利になる制度です。うまく使えば、長期間金利が変わらない安心感と大幅な金利優遇によるお得感が得られますので、中古マンション購入の際には検討してみてもよいかもしれません。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、性能向上リノベーションを標準仕様とした住まいづくりをしています。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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