大規模マンションってどうですか?

コラム | 2020.9.8

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「中古マンションを選ぶにあたり、マンションの規模が気になります。大規模なマンションに何となく魅力を感じるのですが、実際どうなのでしょうか」。

おっしゃる通り、マンションの規模も気になるところですよね。団地のような巨大コミュニティもあれば、落ち着いた印象の小規模なマンションもあります。今回は、大規模マンションと小規模マンションそれぞれのメリットやデメリットについて解説してまいります。

大規模マンションは、意外と少ない

そもそも、大規模マンション・小規模マンションとは、どのくらいの戸数で分ければいいものなのでしょうか。実はこの区分けには明確な定義がないものの、一般的には100戸を超えるものを大規模マンションと呼ぶことが多いようです。団地やタワーマンションに慣れ親しんだ人だと、100戸を大規模とは感じないかもしれませんが、ここでは100戸を超えるものを大規模マンション、それ以下を小規模マンションとざっくり分けてしまいましょう。少し乱暴ですが、ご了承ください。

それでは、大規模マンションと小規模マンションは、それぞれどのくらいの割合で存在しているのでしょうか。平成24年度に東京都が行った全数調査の結果が図1になります。このグラフは、都内の分譲マンションを対象に、マンション規模別の棟数をまとめたものです。マンションというと大規模なイメージがあるかもしれませんが、実は100戸以下のマンションが全体の95%を占め、101戸以上のマンションはわずか5%しか存在しないという結果になるのです。ちょっと意外かもしれませんね。

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図1. マンション規模別の棟数

大規模・小規模で、違うところ

さて、ここからは、マンションの規模の差によって、どのような違いが生まれるのかを考えていきましょう。それぞれのメリット・デメリットを挙げだすとキリがないので、ここでは「管理費・修繕積立金」「管理組合の運営」「住人間の関係性」という3つに絞って、大規模・小規模それぞれの特長を見てみます。

まずは、管理費・修繕積立金の違いです。大規模マンションの方が、管理費や修繕積立金といったラニングコストが安く済むということはイメージしやすいと思います。必要なお金を大勢で分担することになりますから、スケールメリットが活きますよね。表1の国交省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を見ても、規模が大きくなるほど、各戸の修繕積立金の負担が小さくなることがわかります。管理費についても同様で、大規模マンションの方が小規模マンションよりも各戸の負担が少ないという調査結果もあります。もっとも、小規模マンションでも、低層で修繕が容易、エレベーターがない、余計な共用施設がないなど、構造や設備によっては管理費・修繕積立金の負担が大きくないこともありますが。

表1. 専有床面積当たりの修繕積立金の額

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出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」

つぎに、管理組合の運営です。マンションを購入すると、みなさんは管理組合のメンバーになり、マンションの維持管理の方針や予算などは、自分たちで決めていくことになります。大規模マンションの場合は、多数決の原理が働きやすいというメリットがあります。たくさんの人が存在する分、意見の調整は面倒かもしれませんが、全体の意思決定として間違った方向には進みにくくなります。小規模マンションのメリットは、より密なコミュニケーションが図れることです。例えば、20戸のマンションなら20世帯でひとつのマンションを維持管理することになりますから、住人が自分ごととしてマンションの管理運営に積極的に関与する可能性が高くなります。

最後に、住人間の関係性です。大規模マンションの場合、良くも悪くもマンションらしい関係性になることが多いようです。つまり、親密なご近所づきあいというよりは、各個人のプライバシーを重視した関係性です。もちろん近隣住戸との付き合いなどはあるでしょうが、100世帯も200世帯もいると、同じマンションの住人であっても大半は面識のない人になります。小規模マンションの場合、ご近所づきあいがないとしても、住人の大半が顔見知りとなりますから、不審者により敏感に気が付くといったセキュリティ面での安心感があります。

大規模マンションと小規模マンション、みなさんはどちらに魅力を感じるでしょうか。どちらが正解ということでもないのですが、好き嫌いだけで決めるというのは避けた方がよいかもしれません。例えば、大規模マンションの場合、小規模マンションと比べると、各住人がマンションの管理に関心が低い可能性があります。毎年行われる管理組合の総会でどのような話がなされているかなどを総会議事録で確認したいところです。小規模マンションの場合は、大規模マンションに比べて修繕積立金の負担が大きくなりますから、将来的な修繕計画がどのようになっているのかなど、きちんと確認するべきです。

今回は、大規模マンションと小規模マンションの特長について解説いたしました。ここで取り上げた以外にも、敷地のゆとりや共用施設の程度、売買価格の安定性など、規模の差で生じるさまざまな違いがあり、大規模・小規模どちらが合うかは人それぞれです。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、物件探しからのご相談も承っております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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