リノベーションのスケジュールを教えてください
リノベーションなんでも相談室 | 2020.3.24
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。
今回お答えするご質問は、こちら。
「中古マンションを購入してリノベーションを行うには、やることがたくさんありそうです。どのようなスケジュールになるのでしょうか?」
自分たちでゼロから住まいをつくるリノベーションの場合、出来合いの物件を購入する場合と比べると少しややこしいフローになります。今回は中古マンションを購入してリノベーションする際の一連の流れとポイントを解説してまいります。
中古マンション購入×リノベーションの4つの工程
リノベーションを行う際には、マンション探しや住宅ローン選び、間取りづくりや実際の工事などたくさんのやるべきことがあります。これらの工程は、「事前準備」「資金計画」「物件探し」「設計・施工」の大きく4つに分類できます。基本的にはこの順番で進みますが、「資金計画」と「物件探し」はマンション選びを進めるなかで入れ替わったり、「資金計画」が再度割って入ったりするようなイメージです。
事前準備(目安:1ヶ月程度)
そもそも自分は家を買うべきなのか、戸建かマンションか、新築か中古かなど、住まいについての価値観を整理するところからはじめます。職住近接を実現したい人もいれば、広いお庭のある家でガーデニングを楽しみたい人もいるでしょうから、自分の叶えたい暮らしにあわせた選択肢を考えていきます。中古マンションを購入してリノベーションをしようと思うのであれば、まずは「住まいづくりの条件の整理」からはじめましょう。自身が実現したい暮らしのイメージを、箇条書きで構わないので書き出します。それから、それぞれの理由も書いてみて、最後にそれらの優先度を書き加えます。例えば、このような感じです。
事前準備で、もう1つやっておきたいことがあります。それは「リノベーション会社を知る」ということです。現在はたくさんのリノベーション会社がありますから、各社の特色やこだわり、強みなどを知ることも事前準備の段階で行いましょう。気になる会社があれば、実際に相談に行ったり、実例見学会などに足を運んだりしてみましょう。
資金計画(目安:2週間程度)
住まいづくりについての方向性が固まってきたら、今度は具体的な資金計画を考えてみましょう。どんなに素敵な暮らしや住まいを思い描いたとしても、絵に描いた餅では意味がないですから、ここで一度理想から現実に戻ってみましょう。住まいは何千万円というお買い物ですし、多くの方は35年など長期のローンを組みますから、住まいづくりにおいて資金計画はとても重要な意味を持ちます。インターネットや書籍で調べると「年収の〇倍」や「月収の〇%」などの予算の目安を目にすることがあると思いますが、適正な予算は人それぞれです。自分にとっては毎月いくらの支払いなら問題ないのか、ファイナンシャルプランナーなどと相談して明確にすることをおすすめします。また、住宅ローンで借りられる額と返していける額はイコールではないので、資金計画は慎重に検討しましょう。
物件探し(目安:1~3ヶ月程度)
予算が決まると、今度は物件探しをはじめることができます。自身の価値観をもとに明確化した予算と、住みたい街や希望の広さなどの諸条件を踏まえて、リノベーションの前提となる物件を探していきます。ここで気をつけるべきポイントは2つあります。1つは「ないものを探さないこと」です。中古マンションは“立地”と“広さ”と“築年数”で“価格”がほぼ決まるものですから、割安なものや相場を逸脱した好条件なものを探すと、貴重な時間を空費することになります。自分たちの希望条件と相場を照らし合わせながら、物件探しの条件を調整していきます。もう1つ大切なポイントは「リノベーションで変えられない部分を確認すること」です。例えば、リビングが狭い、居室が多い/少ない、内装が気に入らないといった問題なら、リノベーションで解決できます。しかし、眺望や根本的な光・風の入り方、マンションの耐震性能や管理状態などは、いくらリノベーションをしても変えられるものではありません。物件を選ぶ際には、このような変えられない部分をしっかりと確認することが大切です。
設計・施工(目安:6ヶ月程度)
購入する物件が決まると、ついに本格的なリノベーションのお話がはじまります。できれば検討物件の売買契約の前に、どのような間取りづくりができそうか、構造や規約を踏まえた検討を行いましょう。叶えたい暮らしを実現するために、大きな問題があるようであれば、購入を思いとどまるという選択肢もあるかもしれません。リノベーションの場合、詳細な設計は1~3ヶ月程度の期間で行うことになり、打合せのなかで間取りや設備仕様、照明やコンセントの計画など、細かな部分まで決めていきます。ここでのポイントは「暮らしから逆算した取捨選択」です。ついついやりたいことが盛りだくさんになりがちですが、過度につくり込みすぎたり、デザイン性ばかりに目がいったりしないように注意をしましょう。あくまで長く暮らす住まいですから、長期的な視点で必要なものを考えることをおすすめします。
設計内容がすべて決まると、マンション管理組合への工事申請の後、工事がはじまります。フルスケルトンからのリノベーションの場合、3ヶ月程度の工期となり、その間に数回現場での打合せをすることが一般的です。リノベーションの場合、解体してみて初めてわかることもありますから、設計期間に引き続き、工事期間中も密なコミュニケーションが必要になります。工事が終わると、晴れてお引き渡しとなり、新しい住まいでの生活がはじまります。
今回は、リノベーションのスケジュールについてお答えしました。物件探しからのリノベーションを行う場合には、お引越しまで短くて半年、長ければ1年以上の期間がかかります。そのあいだにやること・考えるべきことがたくさんありますので、プロの手を借りるというのも1つの方法といえるでしょう。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」でも、資金計画や物件探しを含めたワンストップサービスを提供しておりますので、ご興味を持たれた方はリノベーションセミナーや相談会にお越しください。
\みなさんからのご質問をお待ちしています!/
“こっしー”プロフィール
無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。