木製サッシについて-美しい「風景」が浮かび上がる、高性能な木枠の窓。
寄稿・インタビュー | 2007.10.1
美しい「風景」が浮かび上がる、高性能な木枠の窓。
「この家を作るにあたって、最初に決めたキーワードが『窓』でした。それで、窓というものの構造や機能を根本から考え直していた時に思い付いたのが、サッシのない窓。人が窓に目を向ける時は、もちろんサッシではなく、窓の外の景色が見たいわけですよね。それならサッシをなくして、まるで絵画のように風景が切り取られる窓がつくれたらと思ったんです」
この家の企画・監修に関わった建築家の白浜誠さん。さらに窓を設計するにあたり、もうひとつ、この家の重要なテーマが関係したといいます。
「『窓の家』とは、エコロジーの観点から考えられた住宅。つまり地球環境保護のためにエネルギー効率のいい家とするには、建物自体が断熱効果が高く、気密性に優れていなければなりません。これは窓の素材を木にすることで、驚くほど大きな効果が得られるんです」
そして木製のサッシを専門で手がける、キマド株式会社の木原正進さんと出合うに至りました。日本が昔から親しんできた、木という自然素材の機能に着目する木原さんは、こう話します。
「木製サッシはアルミに比べれば、格段に断熱性能が優れています。耐久性を高めるため外部に接している部分はアルミで保護しています。また、私どもは自然保護を考えており、原料の木には余剰木材など、森林伐採をせずに得た素材を使っています」
そんなおふたりのコラボレーションで、見た目はシャープで洗練されたデザイン、かつ高性能という、まさに一石二鳥の窓が誕生しました。
窓のサイズは4種類あり、60センチ、約90センチ、約150センチの正方形と、180センチ×250センチの横長タイプ。これらを間取りやデザインに合わせてレイアウトすることで、家の表情を幅広くアレンジすることが可能となり、窓の数だけ美しい風景が生まれます。
2007年10月発行 無印良品の家カタログより