家や土地などの物件を購入するときには、共有名義にする?
初心者が家を買う | 2010.12.21
男性。30歳代後半。夫婦ふたりで、子供なし。 僕が「実際に家を購入するまで」の顛末記を連載することになりました。 この企画を始めることになったときには独身だったので、ひとりでアレやコレや考えたりしていたのですが、結婚したら、妻の意見、というものもありまして、以前にもましてに錯綜ぎみかも…。 |
みなさん、こんにちは。FUJIです。
前回まで、銀行に何軒か行った話を書いたのですが、まぁ、このコラムに書くだけではなくて、自宅で夕ご飯を食べているときに、妻とそういった話をしたりもするわけです。
妻には「家さがし、やる気があって良し」と言われているのですが…、実は妻は独身時代に中古マンションを購入した経験がありまして(今はそこにふたりで住んでいます)、僕よりもこういったことに関する知識も豊富です。どうやら、このコラムも読んでいるようで、「もっと不動産会社にたくさん行かないとダメだよ」とか突っ込まれています。
このコラムの趣旨が「家を買うことに不慣れな、初心者が自分でいろいろやってみる」ということだ、とも知っており、「まぁ、自分ひとりで頑張ってみて。行き詰ったら相談に乗ってあげるから」と言われています。どうも、私を取り囲む「無印良品の家」スタッフと同じ反応だな…。
で、先日、こんな話題を妻から振られました。
「家を買うのはいいんだけど、そのときに、私(妻)とあなた(僕)の名義って、どうするつもりなの? というか、誰がローンを支払うわけ?」
そんなこと、尋ねられるまでは、まったく考えていませんでしたね…。
戸建て住宅やマンションを買った友人に、名義をどうしたか、メールで尋ねてみました。すると、
8人中7人が「夫婦の共有名義」、ひとりが「夫の名義」
という答えでした。
というか、名義って、どうやって決めるものなの? そういえば、「夫婦で共有名義にしておかないと、もし離婚することになったときに、もめる」って聞いたことがあるけど…。
離婚のときにたいへん?
実は、メールで尋ねた友人の中に、まさしく離婚直前なのがおりまして…。彼(Sさん)に「離婚したらどうなるのか?」ということも尋ねました。
Sさんいわく、「いや、この家は共有名義でローンを組んでいるんだけど、実際のところ、まだローンもたくさん残っているし、今後ローンを僕がひとりで払っていくから、僕の手元に残す、ということで話はついているんだよね」
あっ、そうなの?
「そもそも、今回の離婚に関しては、特に財産分与とかはしない、ことになってる。妻は東京に実家があって、先日からそこに戻ってるし、今後はそこに母親とふたりで住むんだ。僕は実家がないから、この家を手放したら新たに住むところを工面しなくちゃならないしね」
でも、もし奥さんが「離婚に際して、家の権利の半分は私のものよ。だから、その分、お金を払って」といわれたら、払わないといけない、ってことでしょ?
「裁判になったら、そうだね。まぁ、この離婚は、それなりに円満な離婚だから、そんなことはないけど」
よくドラマなんかで、離婚のときに「家の名義が…」とかってあるけど、あれって、そもそもどういうことなんだろう?
「あれは、『家の名義を夫ひとりのものにしておくと、離婚の財産分与のときに、妻が自分の取り分を主張しにくい』っていうことだと思うよ。でも、僕たちの世代だと、特に東京に住んでいると、夫婦共稼ぎで、住宅ローンも半々とかに負担して、名義も共有名義にするのが一般的になってるんじゃないかな?」
離婚はめでたいことじゃないけど…、とにかく、財産分与のことでもめなくて良かったねぇ。
「いや、だけどさ…、住宅ローンも夫婦ふたりの名義になってるから、これから銀行に相談して、僕ひとりの名義にしなくちゃならないんだけど…、その手続きもたいへんだし、贈与税もかかるかもしれないから……(ため息)」
なんにしろ、離婚するとたいへんなんですね…。
共有名義が当たり前?
そういえば、Sさんが「共有名義が一般的になっている」と言ってたけど、僕がメールで尋ねた友人も、確かにほとんどそうですね。
確かに、女性が社会で働くことに対する問題は少しずつ解決してなくなってきているし、国税庁のサイトを見ると10年前に比べて一般的に平均年収は下がっているみたいだし、夫婦共稼ぎが当たり前の時代になってるように感じますね。
特に、東京のような都市部で家を購入するには、ほんと、お金がかかるから、共稼ぎじゃないと厳しい、ということもあると思う。メールで尋ねたうち、ひとりだけ「夫名義」と答えた友人は、確かに地方に住んでいて、しかも親から土地は譲ってもらって、戸建て住宅を建てる費用のみ夫が負担した、というケースでしたし。
というわけで、妻にこういった話をして、「今どきは共有名義が多いらしいよ」と答えたところ…、
「はぁ…。それはそうなんだけど、私が聞きたかったのは、そういうことじゃなくて、新たに家を買うときに、誰がお金を負担するのか、ってことよ。家とか土地の名義って、支払った比率と同じにするのが普通なのよ。例えば、私が2000万円支払って、あなたが500万円支払うなら、名義は私が80%で、あなたが20%ってことになるの。もちろん、世間ではふたりが支払っていても、どちらか一方の名義にしたりすることもあるみたいだけど、厳密にいうと、贈与税とかがかかってきたりするのよね。だから、支払った割合に応じた名義の割合にするのが正しいと私は思うよ」
なるほど…………。
「で、あなたは貯金、ほとんどないでしょ? だから、子供が産まれる可能性も考えて、それなりの広さの新たな家を買うとすると、私の名義の割合が高くなると思うのよね。それとも、頑張って、『安くて良い物件』を探してくれる?」
は、はい…。頑張ります…。
このコラム、仕事としてたいへんだ、というだけじゃなく、家に帰ってもたいへんだよ…。