
「ストリートファニチャーアレンジ」から考える暮らしの知恵
団地から考える暮らしの知恵100 | 2025.3.28
第四十九回
「ストリートファニチャーアレンジ」から考える暮らしの知恵
MUJI×UR団地まるごとリノベーションでは、団地の敷地内に居住者のコミュニティを醸成するための滞留空間をつくるべく、「つながるストリートファニチャー」を開発しました。ベンチ、テーブル、ハイカウンターといった高さの違うストリートファニチャーを組み合せて日常的に利用することができます。
「花見川団地(千葉市)」のストリートファニチャーの様子。人々が日常的に滞留する空間として機能する。
イベントを開催する際には、屋台やテントといったものがイベント運営には欠かせませんが、団地の敷地の広場に外から持ち込まなくても、その場にあるストリートファニチャーを組み合わせることで、イベントに必要な什器に変化されることができないものでしょうか。そんな屋外空間で役に立つ知恵を考えてみたいと思います。
「泉北茶山台二丁団地(大阪府堺市)」でのイベント時の様子。テントや屋台が並ぶ。
<暮らしの知恵(1) 日常の屋外空間 – ストリートファニチャーのある暮らし ->
例えば、ストリートファニチャーとして「つながるベンチ」が2台あったとしましょう。さらにサイクルスタンドを設置することで、サイクリストの人も団地に訪れた際に、自分の自転車の近くで休憩することができます。
そして、これらベンチ2台とサイクルスタンド1台を使って、イベント時に活躍できそうな変化するストリートファニチャーのアイデアをご紹介したいと思います。
「花見川団地」でのつながるベンチの様子。
「泉北茶山台二丁団地」でのつながるベンチの様子。
<暮らしの知恵(2) イベント時 – 屋台に変形するストリートファニチャー ->
これまでは、横方向につなげることで、日常的に利用してもらえるストリートファニチャーを想定していましたが、実は高さ方向にもつないでいけるのでは・・・?と思い、イベントの中で、実証実験も行ってみました。
「泉北茶山台二丁団地」でのイベントの様子
ベンチを2段重ねることで、コーヒーをドリップするのにもちょうど良い高さです。
団地で行うマルシェなどの屋外イベントのために、新しく屋台を購入して保管しておくのではなく、その場にあるベンチを屋台として利用できたらどうしょう?前日から準備のために搬入する必要もなく、イベントの1時間前に組み立てるだけですぐ屋台として機能し、高さ方向につなげることで、屋台にちょうど良い高さになります。
上の段の座面(天板)に加え、下の段の座面を利用して、収納やディスプレイ棚としても利用できそうです。見栄えよくイベントの際に活躍しそうです。
さらに、サイクルスタンドを組み合わせて、布を貼ることで、簡易的なタープとして利用できれば、夏の日差しや小雨も防いでくれそうです。
このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見お待ちしております。
また、MUJI×URでは、オリジナルの「共同開発パーツ」を展開しています。
団地の暮らしの考察から生まれた、団地の魅力を引きたてるオリジナルパーツ
MUJI×URでは、UR都市機構と無印良品が共同で開発したオリジナルパーツを「団地の魅力を引きたてる新しいアイテム」として、リノベーション住戸に使用しています。
団地の暮らしに欠かせない畳・ふすま・キッチンも現代の暮らしに合うようにデザインを見直し、また、地産地消やリユースといった開発の背景にあるストーリーを大切にしています。
そして、このような開発パーツを使用した「Parts Room」の展開も開始しました。
気になるパーツやテーマを見つけて、団地暮らしを楽しんでみませんか。随時募集も行っていますので、ご興味のある方は是非、空室情報をチェックしてみてください。