これからも変わらないために変化する「千里青山台の夏祭り」
千里青山台団地物語 | 2014.8.29
2014年8月23日、盆踊りとライブパフォーマンスが共存する大イベント、「青山台サマーフェスティバル」が開催されました。
昨年の「千里青山台の夏祭り」レポートをお届けしてから1年、これまでの盆踊り大会から、大きな路線変更をしたこの夏祭り。
屋台やパフォーマーの数を大幅に増やし、外部からのボランティアスタッフを募るなど、新たな地域祭りのかたちをつくるため、千里青山台の町をあげて全力運転です。気まぐれな天候に悩まされたりもしましたが、町中から700人以上があつまり大きな賑わいをみせました。
今回は、地域の伝統文化を残しつつ、賑やかな夏祭りを取り戻す青山台サマーフェスティバルの様子をご紹介します。
「夏祭り」から「サマーフェスティバル」へ
千里青山台夏祭り・盆踊り大会は、昨年からステージやライブパフォーマンスを取り入れ、複合的なイベントへと変わりました。
舵を切ったのは、千里青山台連合自治会長の金井さん。昨年の結果に手応えを感じたようで、「今年は夜店もパフォーマーも増やして、もっと楽しんでもらう!」と鼻息も荒いご様子。千里青山台団地の自治会長である柳田さんも「金井さんは元テレビマンだから、エンターテイメント色はかなり強くなると思うよ」。と、盛り上がりを確信されているようでした。
しかし大きな方向転換にあたり、これまで協力してくれていた方の参加が遠慮がちになったといいます。そこで今年は、連合自治会の外からボランティアを募って運営するかたちがとられました。急な呼びかけにも関わらず20名近くの方にお集まりいただいて、さあ活動開始です。
と思った矢先「盆踊りの先導がいない」という問題が。地域の伝統にメスを入れるやり方は、これまで一生懸命に守ってきた方には受け入れがたい側面もあるようです。取りやめの声も上がる中、真っ先に反対したのは金井さんでした。
「盆踊りは日本の伝統だから、吹田音頭は地域の文化だから、なんとしても残したい。夏祭りを乗っ取ったワケではないということは、今回のサマーフェスティバルできっと伝わる」。
そもそもサマーフェスティバルというかたちをとったのは、夏祭りそのものが廃れてしまうのを止めるためなのだと。
そういうことなら、スタッフ全員の力を合わせ、やりたいことを全部やってしまうことに決めました。正直なところ、運営スタッフの中にも「これまで仲良くしてきた人と、喧嘩してまでやることなの?」という空気が流れていました。
きっと気持ちが伝わると信じて、新しくやりたいことはすべて実現しようじゃないか!千里青山台全体から集まった出来合いチームがまとまり、動き出した瞬間でした。
「去年は会場が暗かった」という意見を聞き、千里青山台の2丁目に住む辻岡さんが電気配線を仕切って対応。提灯や裸電球の数を改めて、より明るく安全な会場が出来上がりました。
「横断幕もつくろう」と声が上がれば、同じく千里青山台在住の西尾さんが即座にデザイン&発注。1週間で巨大なシンボルが届いてしまい、あまりのハヤワザに驚きを通り越して大笑いです。
よりステージを意識した会場づくりをしようと、自治会長の柳田さんご自身、ボランティアスタッフと現場を歩きまわりました。テーブルやイス、屋台の配置も新たに練り直し、よりよい会場づくりを縁の下で支えてくださいました。
ついに迎えたサマーフェスティバル当日
前回の成功から大失敗はないとわかっていても、挑戦の多い今年のサマーフェスティバル。やる気に満ちるスタッフや出店者の皆さんが集まれば、それだけで活気が溢れます。
午前8時に集まって、ものすごい勢いで会場をつくり上げる千里山台のみなさん。普段は静かな住人たちが協力し合ったときの、集中力と爆発力には目を見張るものがありました。
遅いお昼ご飯を食べて一息ついたころ、ステージでパフォーマンスをする方が到着し、リハーサルがスタートしました。スピーカーから溢れる陽気な音楽に、会場は一気に本番ムードへ。聞きつけた方がポツポツと、会場へ集まり始めていました。いよいよ、青山台サマーフェスティバルの開幕です!
さすがは夏休み。真っ先に会場へ足を運んでくれたのは、近所の子供たちでした。その後、ひとまわり小さい子をつれたお父さんやお母さん。孫に手を引かれるおじいちゃんおばあちゃんで、あっという間に会場がいっぱいに。
午後6時をまわる頃には、会場から溢れんばかりの活気に満ちていました。各々の親しい人と喋って飲んで。とても満喫してくれている姿を横目に、駆けまわるスタッフにも笑顔がこぼれました。
新旧コラボのパフォーマンス
北千里高校の軽音部やダンス部が若い力を注ぎ込み、青山台小学校のゆるキャラ「あおたん」やアニメソングバンドが子供たちを引っ張ります。そうやって若者を引きつけたところで、ついに盆踊りがスタートしました。
懸念されていた先導役は、ボランティアスタッフの声かけで新たに参加していただくことができました。伝統の衣装でキレよく踊る方々を見よう見まねで、後に続いてア~ヨイヨイ。途中から雨が降り出しましたが、どこ吹く風とみんなで踊り狂いました。
全体での来場者が700人を超えた千里青山台サマーフェスティバル。みんなが楽しみに遊びに来てくれて、笑顔で帰って行きました。細かな反省はあるけれど、「大成功と言って間違いないのではないか」と運営のみなさんは胸を張ります。
これからも変わらずお祭りを開くために、積極的に変わっていく。こうして住人が集まり交流する場が復活してくるというのは、とても重要なことだと思っています。
内部のみならず、町全体をあげた活動の基幹となり始めた千里青山台団地。これからの変化に、ますますの期待が膨らみます。
千里青山台での活動に興味をお持ちの方は、いつでもお声がけください。ご提案や改善点など、たくさん頂戴したいと考えています。青山台をいっしょに盛り上げていきませんか?