冷暖房費を半分にする工夫
快適温度の暮らし方 | 2012.9.4
冷暖房費を半分にする暮らしの工夫
今回は、暮らしのちょっとした知恵や工夫によって、冷暖房費がどれくらい違うのかを「無印良品の家 木の家」を使って全棟温熱シミュレーション「+AIR」でシミュレーションしてみました。シミュレーションなので実際の暮らしとは多少異なりますが、参考にしてみてください。
エアコンの温度設定による違いを比較
みなさんの家ではこの夏、エアコンの設定温度は何度に設定していましたか?
無印良品の家は、全棟温熱シミュレーション「+AIR」のしくみで、みなさんの家を実際にシミュレーションしてご提案するのですが、このエアコンの設定温度で多い設定のひとつが、「冷房23℃、暖房25℃」です。
ちょっと意外かもしれませんが、無印良品の家がおすすめする温度設定は、「冷房28℃、暖房20℃」なのです。
この設定温度と、さらに「暮らしの工夫」で節約できる場合とを比較してみます。
エアコンの温度設定は、無印良品の家がおすすめする、「冷房28℃、暖房20℃」の設定のまま、夏はすだれを窓の外側につけ、冬はブラインドを窓の内側に取り付ける工夫です。
窓の外側につけたすだれは、夏の昼間の陽射しをさえぎり、夜は通風をとります。
窓の内側につけたブラインドは、冬の昼間の暖かい日射しを取り入れ、夜には閉じて、熱を逃がさないようにする効果があります。
3つのシミュレーションについて、冷暖房費を比較してみました。
シミュレーションした家は、以下の木の家の標準的な6間×4間の間取りです。
(エリア:東京都練馬/床面積:約120㎡・約36坪)
下記が、暖冷房負荷シミュレーション報告書です。(クリックで拡大)
冷暖房費を月別に比較してみました。
(冷暖房費は、エアコンの機器効率が4.0(暖房・冷房とも)、電力単価が21円/kWhとして計算)
「冷房23℃、暖房25℃」設定 | 「冷房28℃、暖房20℃」設定 | 「冷房28℃、暖房20℃」設定 +夏のすだれと冬の夜間のブラインド |
|
1月 | 12,370円 | 7,500円 | 6,680円 |
2月 | 10,774円 | 6,368円 | 5,665円 |
3月 | 11,027円 | 6,032円 | 5,471円 |
4月 | 5,113円 | 1,618円 | 1,411円 |
5月 | 3,288円 | 374円 | 87円 |
6月 | 6,255円 | 1,383円 | 571円 |
7月 | 12,413円 | 5,456円 | 3,925円 |
8月 | 14,170円 | 7,116円 | 5,270円 |
9月 | 7,640円 | 2,840円 | 1,687円 |
10月 | 4,308円 | 1,272円 | 208円 |
11月 | 6,446円 | 2,267円 | 1,856円 |
12月 | 10,857円 | 5,948円 | 5,245円 |
年間 | 104,661円 | 48,174円 | 38,074円 |
なんと、設定温度が「冷房23℃、暖房25℃」の場合と比べて、「冷房28℃、暖房20℃設定+夏のすだれと冬の夜間のブラインド」の年間冷暖房費は、約1/3(38,074円)。設定温度を単純に「冷房28℃、暖房20℃」とした場合と比較しても、約1/2(48,174円)となりました。
設定温度をマイナス5℃に設定すると、年間冷暖房費は約半分という結果です。
暮らしの工夫で大きな節約ができる
家庭で使用するエネルギーで冷暖房が占める割合は25%にもなるので、エアコン温度設定の工夫と暮らしの工夫で、大きな費用の節約になりそうです。
まずは温度設定を見直すことで節約ができます。エアコンの設定温度1℃変えると約10%の節電になると言われています。今回は、冷暖房設定温度をそれぞれ5℃変えることで、年間冷暖房費を半分にすることができました。
そして「暮らしの工夫」です。今回の検証では、夏はすだれで日射しをさえぎり、夜は風を通すことで涼しく過ごし、冬は昼間の日差しを充分に取り入れて、夜は熱を逃がさないようにすることで年間冷暖房費が1/3となりました。
エアコンの設定温度や、「暮らしの工夫」で節約になるということをよく聞きますが、このように実際に具体的な数字として見ることで、より実感することができます。
この2つの視点によって、「快適な暮らしをしながら節約をすること」ができそうです。みなさんの節約のきっかけになればと思います。
無印良品の家が提案する全棟温熱シミュレーション「+AIR」では、全ての家に、「快温シミュレーション&アドバイスシート」をご提案しています。
いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、投稿をお待ちしています。