未来の技術で団地を活性化できたら

築200年団地 | 2019.1.22

以前実施したアンケート「住まいとモノの持ち方について」では、都会の賃貸マンションに住む場合の、モノの持ち方についてお聞きしました。その中で、集合住宅内にあれば利用したい場所として、「貸倉庫・トランクルーム」「貸し菜園・貸し農場」が挙げられ、近隣住民とシェアしたいものとして「DIY工具、掃除用品(高圧洗浄機など)」「wi-fi」「プリンター・コピー機」「防災用品」「園芸用品」「アウトドア・レジャー用品」「ミシン」などが多くあげられました。

集合住宅「内」にあれば利用したい(または、利用したことがある)もの

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集合住宅に住むとして、その近隣住人と貸し借りをしたいもの、シェアしたいもの

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必要だけど頻繁に使うものではないので、個人でお金も収納スペースも使いたくない。しかし、みんなでシェアするのであれば、グレードの高い使い勝手の良いものがそろえられそうです。
団地での暮らしは「集まって住む」ことですが、そのメリットを生かす方法として、団地の集会所や空き店舗という場所やモノをシェアすることが考えられます。シェアすることによって、個々の住戸に置くモノを少なくして広く住むことができたり、逆にコンパクトな住戸で暮らすことができるかもしれません。

例えば古い住戸の場合、洗濯機置場の位置が使いにくい場合があります。共用のランドリーがあったらどうでしょうか。業務用のランドリー設備を複数置くことで、梅雨の時期や花粉の時期などに大量の洗濯ができ、家庭では洗いにくい布団類にも対応できそうです。さらにそこにテーブルやベンチが用意され、コーヒーなどのサービス・自動販売機などがあればコミュニティスペースとして待ち時間を有効に使えそうです。

本をシェアするスペースがあっても良さそうです。眠っている本を持ち寄れば、他の住人の役に立つかもしれません。もちろん自分の本を読む場所にもなりますし、また、シェアスペースにある本と自分の本を交換できるような仕組みがあってもよいかもしれません。

また、小さい子どもを少しの時間預けられるようなシェアスペースがあったらどうでしょうか。団地に住むお年寄りの方が交代で当番をし、小さい子どもを見られるような仕組みができるとコミュニティが活性化しそうです。そこで使う子どものおもちゃをシェアできれば、住戸内のモノを減らすことができます。

もちろん実行に移すとなると、セキュリティや運営・維持費用などの課題があります。
人が常駐できれば良いですが、運営を無人で行う可能性もありそうです。現在さまざまなところで実験されている無人店舗の技術などを用いることができれば、実現のハードルは低くなります。
例えば、持ち寄った本にICタグをつけ、無人のスペースでも自動でスキャンされたデータを管理できるとか、小さい子どもを預かるスペースにカメラがあり、離れていても子どもの様子が確認できる、などです。

こうして考えてみると、課題はあるものの、「集まって住むことでモノをシェアするしくみ」はスペースを有効活用することでさまざまなメリットが生まれ、最新技術を使うことで解決ができることがありそうです。
みなさんはどう思われますか。ぜひご意見をいただければと思います。