未来の団地に住む

築200年団地 | 2018.11.27

今回は、これから未来に住む場所について考えてみたいと思います。
現在住んでいる場所はどのように決めているでしょうか。一般的に会社から近いから、実家に近いから、利便性が良いから、周辺環境がよいから、生まれ育った場所だから…、などが考えられます。とくに会社との距離は毎日のことですから重要になっていると思います。

今後、数年のうちに自動車の自動運転がはじまり、また通信速度がさらに早くなるといわれており、そうなるといままで住まいを決める大きな要素であった距離の影響が少なくなるかもしれません。
自動運転がはじまることで、住める場所が広がります。例えば地方の郊外に住んだとしても、仕事や買い物の不便さが少なくなります。バスが自動運転車になれば、公共交通手段として有効です。タクシーが自動運転車になればもっと便利になりそうです。また、自動運転車・自動会計システムを使ったお店が自分の家のすぐ近くまで来てくれるかもしれません。

一方、通信速度がいまの4Gから5Gに変わることで、各段に速くなり通信の時間差が少なくなって遠隔地のWEB会議がスムーズにできるようになったり、離島にいても都会の専門医が遠隔操作で手術ができるといわれています。そうなると、仕事を会社で行う必要がなくなり、家で仕事、外で仕事というのが当たり前になる可能性があります。現在の通勤距離や時間が問題なくなり、住む場所が会社からの距離とはいまほど関係がなくなるかもしれません。

このように技術が発達した未来では、住む場所をどのように決めるのでしょうか。
通勤距離が、遠距離・中距離・近距離の3つにわけて考えてみると、遠距離は移動時間の影響が少なくなり、中距離と近距離ではその周辺環境の魅力が大きく影響し、そこに空間自体(デザイン・性能など)の魅力が合わさりそうです。
つまり利便性よりも、住まいの周辺環境と住まいの空間そのものが重要視されていくのかもしれません。

ここで団地を見返してみると、多くの団地は、公園や樹木など自然環境に囲まれており、近くに学校や商店が多くあります。団地住戸の空間自体も日当たりや風通しの良さが魅力です。
昔からそうであったように、おそらく技術が発展しても日当たり風通しの気持ち良さなどの大切さは、今後も変わらないでしょう。そこがさらに時代に合わせた空間にリノベーションされていけば、価値はさらにあがりそうです。

そうなると、未来は会社との距離があったとしても街の魅力・周辺環境の魅力をもっている団地の住みやすさがフォーカスされ、団地に住むことの価値があがりそうです。
未来を想像してみると、これから大切にすべき暮らしの本質が見えてくるかもしれません。

みなさんはどう思われますか。ぜひご意見をいただければと思います。