洋服は料理と似ている、と最近思う。たとえばワードローブから服をえらぶとき。季節や気温、体調なんかも考えながら今日のコーディネートを考えることは、冷蔵庫を開けて旬の食材を眺めながら今日の献立を考えることと似ている。今日は何を着たい？ 何を食べたい？
食べることは生きることって言うなら、服を着ることだって生きることだ。わたしたちは、その日その時をどうくらしたいかによって服をえらんでる。たとえば、そう、お休みの日は自然体でいられる締め付けない服がいいとか。寝るときは肌ざわりと着心地の良いパジャマがいいとか。がんばらなければいけない日には、パリッと糊のきいたワイシャツがいいとか。
洋服をまとうことは、良くくらすことに深くつながってるんだと思う。洋服ってなんだろう？

□　6月4日、衣替え宣言。

6月に入ってじめっと蒸し暑い日が続くなあと思っていたら、いつのまにか梅雨に入っていた。長袖シャツがそろそろ暑くて、タンスの奥から半袖シャツを引っ張り出しているここ数日。よし、令和第一回衣替え宣言。

この部屋をえらぶとき、“洋服をたっぷり収納できる場所をつくる”と決めた。でもそれはただ洋服をたくさんしまいたかったんじゃなくて、大好きな洋服を大切に扱いたかったんだって気づいた。
広い団地に引っ越して、4畳半の一室を、大好きな洋服やかばんを思いっきり置いておける衣装部屋にしてから、毎日服をえらぶのがとても楽しい。
さて、やりますか衣替え。季節が変わるたびに、洋服と見つめ合おうね。

□　6月4日、本日2回目の日記。

ただいま午後10時。新しい家でも無事衣替えができたから、忘れないように日記に記しておこう。
まず季節の変わり目に、洋服と見つめ合うこと。自分で管理できる服の最大枚数は、１人あたり100着らしい（多分うちには倍以上ある。販売スタッフをしてるとどうしても増えちゃうんだよね）。去年と今年着なかった無印良品の服は、思い切ってBRINGへ。「いつか着る」の「いつか」は多分ずっと来ないからね。
冬のニットは伸びないように丁寧に畳んで、ひと目見て分かるように縦に収納。同じ種類は同じ棚にまとめる、というのは基本中の基本。
衣替えってやり始めるまで面倒だけど、いざやり始めたらパズルみたいで面白いし、整理されていくにつれて自然と心もすっきりしてくる。
衣装部屋に5台置いたスチールユニットシェルフのワードローブには、部屋の真ん中に立ったとき、よく着るものは手前に。あまり着ないものは奥に。洗濯して干すときとしまうときのハンガーを同じ無印良品のアルミハンガーにしてるから、乾いたそのままを手前にしまっていけば、自然と自分がいちばん使いやすい配置になる。衣替えも服えらびもラクでうれしいね。
ワードローブが夏模様になって、気分が上がってニコニコ。あしたは何を着ようかな。

□　6月7日。梅雨のスキマの良い天気。3回洗濯機をまわした。

最近、家着はもっぱら麻のクルタ。もともとはインドの民族衣装なんだって。麻は洗ったら少しシワになるけど、自然な風合いだから全然気にならない。着れば着るほど、洗えば洗うほど、くったりと肌に馴染んでいくのがお気に入り。ごみ出しも近所のスーパーもクルタでお出かけ。かわいくてラクにすごせて、ついつい鼻歌も歌っちゃう。
そう、今日はうれしいことがあったんだ！ 仕事から家に帰ったら、ドアのところに紙袋がかかってた。素敵なプレゼントは、同じ無印良品で働いている仲良しの同僚・きいちゃんから。きいちゃんのお母さん手づくりのきな粉もちと、小さなユーカリの鉢植えの贈りもの。なんと、きな粉は大豆を炒って挽いた自家製きな粉だって。きな粉ってつくれるんだ……。晩ごはんのあとに食べて、心までまんぷくになるおいしさだった。ユーカリは良い香り。だれかからのプレゼントってこんなにうれしい気分になるんだね。

□　6月8日。お気に入りの白いTシャツにアイロンをかけた。

ベーシックな白のTシャツは、シンプルだからこそ着こなしを自由に楽しめるから、好き。白は清潔感があって涼しげでそれ自体にも魅力があるし、ほかの服や色、もしかしたら自分自身の魅力もぐっと引き立ててくれるから、とても好き。白ごはんみたいだね。
アイロンは、服をハンガーにかけたまま。シワが気になったらすぐにアイロンできるよう、あえて出しっぱなし。アイロンをかけたばかりの服を身に着ける気持ち良さったら、たまらないな。今日もからっと元気にがんばりますか。

アルミ洗濯用ハンガー