第6期5回「動線」「収納」についてのアンケート結果

第6期 2024年〜 | 2024.11.19

本プロジェクトでは、どんな平屋が今、この時代のニーズに合った平屋なのか、これまで一般的とされてきた暮らし方や家族のあり方を見直し、時代の変化にあわせて求められている新しい平屋での暮らしについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

第5回目のアンケートでは、「動線」と「収納」について、みなさんのご意見をお聞きしました。

●回答総数:4,573名
●実施期間:2024年10月25日(金)~11月4日(月・祝)

回答者のプロフィール

年代
世帯形態

Q.現在お住まいの家で、「動線上」不便と感じることはありますか?

Q.「不便を感じたことがある」と答えた方、それはどのようなことですか?(複数回答可)

・2階で洗濯物を干しているが、1階に洗濯機があるため、1階で干せる様にしたい。
・お風呂に入った後に着用するアンダーウェア全般を準備する動線
・収納が家のあちこちに分散しているため、何か物を取りに行く、しまいに行くときに、部屋間をあちこち移動しなければならない

Q.「不便を感じたことがある」と答えた方、動線に悩みを及ぼしていると思われる要因は何だと思いますか?(複数回答可)

・洗濯は1階、干すのは2階なので、持ち運ぶのが重い
・ウォークインクローゼット内に洗濯ものをたたむ場所があるといいなと思う
・ストック容量が少ない。ストックの概念がコロナ以前は弱かった
・対面キッチンでぐるっと回り込まないとキッチンに入れないので大変に感じる。

現在お住まいの家で、「動線上」不便と感じることはありますか?という質問に対して、約7割の方が「ある」と回答されました。

なかでも、不便に感じやすい項目として、衣類を洗う・干す・アイロンをかける・収納するなどの「洗濯動線」が59%、掃除道具の収納スペースやコンセントの位置などの「掃除動線」が52%と続きました。

また、「動線に悩みを及ぼしていると思われる要因は何だと思いますか?」に対しては、「部屋の配置」が51%と最も多く、次いで「自宅にモノが多い」が40%「収納が少ない」が35%と続きました。

Q.「家事動線」を考える上で、あなたが最も重要だと思うのは、次のうちどれですか?

・濡れて重い洗濯物を運ぶのは大変なので。
・1階で洗濯をして2階のベランダに干し、乾いたら取込んで1階で畳み、2階のクローゼットにしまう
・玄関からキッチンまでの動線が長い
・キッチンで家事をしながら洗濯やお風呂掃除などをするのにすぐにできるので。

「家事動線」を考える上で、あなたが最も重要だと思うものをお伺いしました。こちらはあえて選ぶなら・・ということで選択いただきましたが、「洗面所(洗濯機置き場)~物干し場の動線(洗濯物の持ち運び)」が33%ともっとも多く、次いで、「キッチン~洗面所(洗濯機置き場)の動線」が26%と続きました。

家事動線で不満の多かった「洗濯動線」のなかでも、物干し場と居室(洗濯物の取り込み、布団干し)の動線は16%ということから、濡れた洗濯物を持ち運ぶ距離や上下移動のある動線に、一番の不満要素があるようです。

Q.朝起きて仕事や学校へ出かけるまでに通る経路「通勤動線」。
いろいろなところで動線が重なることが想定されますが、毎日をスムーズにするにはどのようにするといいと思いますか?(複数回答可)

・コートかけは冬場ちょっとじゃ済まないから、大きめの玄関脇クローゼットがあると良い
・いつも使っているカバンの置き場所に困る
・身支度が一部屋で済ませられるといい。

「通勤動線」をスムーズにするにはどのようにするといいと思いますか?という質問に対しては、「玄関先にコートやバッグを置いておけるちょっとした収納があるといい」が55%と圧倒的に多い回答となりました。玄関ですべて準備が整うことが理想のようです。

Q.もし平屋を建てるなら、玄関はどんな空間になったら良いなどの「あなたにとっての理想の玄関」を教えてください。(自由回答)

・外に持っていくものや、着ていくものは玄関に全て収納できると助かります。雨具も干せて、アウトドア用品やゴルフバッグも収納できるといい。
・自転車を止めたり傘を干したり来客時のちょっとしたベンチなどが置ける玄関
・高齢者のカートや車椅子も入れて置いておけるスペース
・土間収納があり、間接的にでも光が入って明るく広々として、買い物してきた物を靴を履いたままキッチンまで運べるルートがあると便利かなと思います。
・土間がある。趣味の部屋に繋がっていれば尚良し
・帰って来たときに、ホッと出来る空間。物が少なく、常に掃除されていて、さわやかな匂いがする場所

理想の玄関についての質問では、フリー回答のためさまざまなご意見をいただきましたが、一番多かったのが、前質問のように、まとまった収納があるといいというご意見でした。ほかには、ちょっとした来客対応ができるスペースや、とにかく帰宅してほっとできる空間にしたい、というご意見も多数いただきました。

Q.もし平屋を建てるなら、脱衣所と洗面所はどのような形態がいいですか?

A.「洗面脱衣室」として、洗面所と脱衣所を一つにまとめる
お風呂と洗面脱衣室が近くにあることで「配管設備」もひとまとめにできるので、コスト削減に効果があり、スペースも最小限。洗濯前の予洗い時などに便利な配置です。デメリットは、誰かが入浴している間は洗面脱衣室に入れない点です。

B.「洗面所」と「脱衣所」を分ける
他の人が入浴中でも、脱衣所の扉を閉めれば自由に洗面所を使え、来客時に洗面所を使ってもらいやすくなります。デメリットは、洗面所と脱衣所それぞれのスペースが必要な点です。

C.廊下に「洗面所」をもうけ、浴室の隣は「脱衣所」とする
帰宅してすぐに手を洗え、来客時に気軽に使ってもらいやすくなり、部屋として区切らないので、家族がお風呂に入っていても問題なく使えます。デメリットは、ドライヤー等で髪の毛が飛びやすいなど、こまめな掃除が必要になったり、配置によっては、ドライヤーの音や身支度中の姿が丸見えになったりする点です。

・スペースを取るのは難しいが、洗面脱衣所の他にもう一つ洗面スペースが欲しい。
・玄関近くに手を洗うのみの洗面所があれば、洗面脱衣所として一つにまとめた形が理想
・洗面・脱衣所とし、洗濯室を別にしたい
・水回りなどはコンパクトにした分、LDなどをゆったりしたい

もし平屋を建てるなら、脱衣所と洗面所はどのような形態がいいですか?という質問に対して、「洗面脱衣室」として洗面所と脱衣所を一つにまとめるが42%と一番多く、次いで、「洗面所」と「脱衣所」を分けたい方が38%と、概ね半々といったところでした。

フリーコメントでは、この選択肢にない、洗面脱衣室は一緒でいいけど玄関先にも洗面台があるといいです、という回答が多く寄せられました。

Q.洗濯物はどこに干していますか?(複数回答)

ベランダが63%と多い回答ではありますが、2番目がリビングで22%と多く、その他で回答いただいた中では、2階の部屋や廊下、空いている部屋、また、サンルームや専用の物干し部屋がある、という方が多くいらっしゃいました。

Q.洗濯物はどのように干していますか?

洗濯物を干したい場所へ運んでからハンガー等にかけている方が64%、洗濯機の近くでハンガーにかけている方が29%という結果でした。フリーコメントの中では、一度リビングに運び、リビングでハンガーにかけてからベランダ等の干場にもっていく、という方が多くいらっしゃいました。

Q平屋に住むなら、洗濯物はどこに干したいですか?(複数回答可)

・いろいろなものを収納する部屋を作り、洗濯物も干せるようにしたい
・サンルームがほしい
・雨の日でも干せる場所
・花粉や虫が気になるので、サンルームのように日当たりの良いガラス窓に覆われたベランダが良い

平屋に住むなら、洗濯物はどこに干したいですか?という質問では、屋根がかかっているテラスが59%、室内に設けた物干し部屋が52%と、「洗濯物を干す場所」といえば、外部のベランダやテラスが一般的でしたが、室内干しのご要望が半数以上であることがわかりました。
花粉症や共働き世帯が増えたり、色柄物は陰干しにしたいという方など、室内に設けた物干し場に干したい、という方が多いようです。

Q.平屋を建てるとしたら、どんなお風呂にしたいですか?(複数回答可)

将来、平屋を建てるとしたら、どんなお風呂にしたいですか?という質問には、「凹凸が少なくすっきりとした、清掃しやすいお風呂」が61%と圧倒的に多い結果となりました。
次いで「足を伸ばせるくらい広々とした浴槽」が49%「保温性がよく、節水機能のある、環境にやさしいお風呂」が44%と続き、+αの機能面での回答を見てみると、マイクロバブル機能やジェットバスや肩湯、音楽をかけたり照明を工夫したりと、リラクゼーション効果を求めるものが求められているようです。

一方、少数派ではありますが、平屋なので、ヒノキのお風呂や、露天風呂のような外の緑とつながった空間にしたいというお声もいただきました。

Q.自宅の収納について悩みがありますか?

Q.収納で、具体的に困っていることは何ですか?

収納について悩んでいる方が80%。また、具体的に困っていることについての質問には、「収納スペースが少ない」が64%、「捨てられずに持っている物が多い」が43%という結果となりました。

Q.なかなか捨てられないものはありますか?

なかなか捨てられないものは何ですか?という質問では「衣類」が67%と圧倒的に多く、クローゼットの収納スペースについて困っている方が多いことがわかりました。
「断捨離」がブームの時代もありましたが、そうはいってもなかなか捨てられないというのが現実のようです。

まとめ

夫婦共働きが一般的となり、ライフスタイルや働き方が多様化された今、「住まい」にまず求められていることは、「効率が良いこと」のようです。

洗濯動線1つをとっても、「洗濯物を洗う・干す・畳む・収納する」という一連の流れがあり、そのひとつひとつの場所が遠かったり、上下階を何度も往復する必要があったりと、日々ストレスを感じていることがうかがえました。

そのため、一連の作業が1か所にまとめられる「室内の物干しスペース」や「玄関回りの大きな収納」を望まれる方が多く、お風呂に関しても、リラックスをしたいという前に、掃除がしやすいことが一番に上げられるなど、優先順位としてまずは、生活の利便性を求める方が多いようです。

また、収納については、「収納スペースが少ない」と言いつつも、モノが多く「捨てなくては」と思いながら長年処分できずに持ち続けているモノがある、という方も多く、その悩みを払拭するためにも、まとまった場所に大きめの収納が欲しいと要望される方が多いのかもしれません。

次回のアンケート(最終回)では、これまでのアンケート結果を踏まえ、理想の平屋の「間取り」についてお聞きする予定です。生活スタイルや優先順位によって、どんな平屋が求められているのか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

また、たくさんのご意見、お待ちしております。