第4期第4回 「小さな住まい」について

第4期 2017年〜 | 2017.11.14

建物が主役ではなく、暮らしが主役の家。少ないモノで暮らすこと。小さく暮らすこと。場所・時間・お金に縛られない暮らし方はどのようなものなのでしょうか。今回のアンケートでは、小屋に住むことや、二地域居住、住まいの持ち方や働き方についてお聞きしました。

●回答総数:12,530名
●実施期間:2017年9月19日(火)~9月26日(火)

回答者のプロフィール

年代
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世帯形態
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Q 現在の住まいに満足していますか?

住まい形態別

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住まいの広さ別

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年代別

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住まいの形態別でみると、賃貸よりも、家を所有している方の満足度が高く、住まいは広くなるほど満足度は高くなる傾向がありますが、80㎡を超えるとそれほど変わらないようです。賃貸よりは所有物件のほうが、より自由に住まいをつくることができるからでしょうか。また興味深いことに、年代別では住まいの満足度にあまり大きな差がありませんでした。

Q 現在の世帯年収に満足していますか?

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Q 現在の仕事、職業に満足していますか?

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年収は高いほど満足度も高くなる傾向ですが、職業は、必ずしも高収入といわれている職業の満足度が高いわけでもなさそうです。上位3つの「専門職」「自営業・フリーランス」「経営者・管理職」の共通項として、“自分で決められる”ことができる、裁量の範囲が広い職業の満足度が高いようです。

お金についてお聞きしました

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物の持ち方についてお聞きしました

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63%以上の方が、「住まいにかかるお金を小さくしたい」と思っており、84%の方が「なるべくものを多く持ちたくない」と思っています。また、半数以上の方が「家が小さくなればものを捨てることができる」と思っています。多くの方が必要最低限の物と自分の大切な物に囲まれてシンプルに暮らしたいと思っている、といえそうです。

仕事と職場についてお聞きしました

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住まいの場所についてお聞きしました

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Q 二つの住まいを持ったり、仕事と生活の場を田舎と都市で行き来したりという、いわゆる二地域居住をしてみたいと思ったことはありますか?

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二地域居住についてお聞きしました

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私たちは、どこに住みたいかという問い以前に「仕事の環境」つまり職場との距離や得られる収入などの問題が先立ちます。これについて、コラムで詳しく考察しています。

Q 小屋に住みたいと思いますか?

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Q 小屋の目的は何でしょうか?

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実際に小屋に住んでいる方の、小屋で暮らそうと思った理由

住居として:部屋の壁がなく、ステップフロアーなどで大まかに区切られた部屋が2つと大きく繋がったLDKの家。山小屋風だけど、天井は高めにとってある。
子供が2人(どちらも男)いるが、一緒に住むのはせいぜい20歳前後までと考えたらその後の夫婦二人の生活の方が長い。2人でちょうどいいくらいの大きさがあれば十分と思ったから。(30代/夫婦+子ども世帯/北海道)

住居として:いたって、シンプルな家。必要最低限のものしかおいてない。
他にお金をつかいたかった。ローンに追われるのはきらいだから。(30代/夫婦+子ども世帯/三重県)

個人の別荘、レジャーとして:小屋付き市民農園。
自然の中で余暇を過ごしたいので。(50代/単身世帯/北海道)
住居として:家は13坪弱。夫婦二人と犬一匹で暮らす予定。平屋でサンルームと屋根裏があります。
現在の住まいは土地が700坪近くあり、家の居住スペースは20坪。ワンルームのような作りで広々感じますが、物を減らしたいのと、この先歳をとるにつれ管理が大変になるのを予想して小さい家でお気に入りの少ないもので暮らしたくて(小屋を)建築中です。主に持ち物を減らすのが目的かも。子供もおらず、残す人や片付けてくれる人もいないし、少ないお気に入りのもので工夫して暮らす方が楽しそうだから。ここ数年の災害や消費社会を見ていて、身軽でいたくなりました。(50代/夫婦二人世帯/山梨県)

個人の別荘、レジャーとして:20畳程の面積でロフト、キッチン、バス、トイレのある小屋。敷地は200坪程で畑と花壇がある。
職場に便利な自宅は狭く、庭も無いため、自然の中で週末は静かな自然の中で過ごしたいと思ったから。(60代/夫婦二人世帯/京都府)

小屋に住みたいと思っている方の、小屋で暮らしたい理由

ほとんどリビングで生活している為、小さな家でかまわない。家に数千万単位でお金をつぎ込み一生かけて払っていくよりも、その千万単位のお金を浮かせて、こだわって家具や服を選びたい。また旅行等にお金をまわせたらその方が有意義な使い方だと考えている為。また、星がたくさん見える山の上等に思いついた時に気軽に滞在出来る小屋があれば、天候の良い週末や時間のある日に、サッと天体観測に行けて良いと思った。(30代/夫婦+子ども世帯/千葉県)
広さよりも自分の好きなものに囲まれて暮らすほうがストレスもなく、毎日が楽し見なる気がする。狭くても自分にとって使いやすい、暮らしやすさのほうが大事かなと思う。(20代/夫婦+子ども世帯/神奈川県)

物の片付けに日々追われる毎日から、すっきりとした物に囲まれて新シンプルにくらす生活がしたい、と思うようになったこと。(40代/夫婦+子ども世帯/千葉県)

今のスマートな便利すぎる暮らしから離れ、知恵を使い工夫して、自分の力で生きてみたい。家族と。(50代/3世代世帯/長崎県)

モノが少なくなると、ストレスを感じなくなり、腰が軽くなり時間も長く感じる。コンパクトな家でも少ないモノの中で広々とゆったり生活したい。(30代/夫婦+子ども世帯/北海道)
実家の目の前は線路。隣は鉄鋼所と木材店。毎日騒音の中で暮らしています。母はいつかノイローゼになると言いながら30年住み続けています。娘の私からしたら、なぜこんな場所に建てたのだろうと思ってしまいますが、費用やその他諸々の兼ね合いで両親は今の場所に建てることを決めざるを得なかったのだと思います。母と一緒に山の方へドライブに行くと、「これくらい小さな家でいいから、住んでみたい」といつもペンションのような小さい小さい木造の小屋を指差します。他にも小さな家を見つけると、「お父さん(私の父)は今の家にいたいと思うから、お母さん(自分)は週末だけでいいから、こういう家で過ごしてみたい」と漏らします。そう言う母の言葉を聞いてきて、モンゴルに旅行した際、田舎に数日滞在したが日本では考えられないほどゆったりした時間を過ごせた。必要最低限の暮らしの豊かさに気付かされたので。(30代/夫婦+子ども世帯/愛知県)
母の幸せのためにも、本当に小さな家でもいいからなんとか建ててあげたいと思っています。(20代/夫婦+子ども世帯/栃木県)
若い頃から大人がローンを抱え、一生を掛けて支払って行くというスタイルに違和感があり、自由に自分らしく生きる為にもっとお金や時間を使えないのかな?と思ってきました。震災後、益々その気持ちは確かなものとなりました。今は、幸運なことに両親が転居した後の家に家族で住んでいますが、家を財産と考えるより、出来れば身の丈にあったサイズの家を、自由にいじったりしながら、そしてもっと良い場所があれば移る、そんな気持ちで生きてみたいと思っています。立派な家をもち、それが生きがいとなる方もいらっしゃるでしょうし、小さな家でも自分らしく生きたいと思う方もいらっしゃるでしょうが、そのどちらも素晴らしいと思います。選択肢として、もっと家や生き方に対して幅広く柔軟な考え方が日本にも根付くことを期待しています。(40代/夫婦+子ども世帯/福岡県)
私が小さい時から父が物を溜め込む人で、そのおかげで家族がそろってご飯を食べることができませんでした。現在も実家に帰ればまず掃除…毎回実家に帰るたびに疲労困憊で帰ります。毎回、悲しい気持ちになります。それが反面教師となり、私はミニマリストになりました。大きな震災などで、自分の持ち物が避難経路をふさいでしまう…という事を避けたいと考えています。被災した後の瓦礫を減らし、経済的負担も踏まえて生活を再建しやすくするには、普段からコンパクトな生活をし、フットワークを軽くしておくことが近道ではないかなと感じています。(40代/夫婦二人世帯/東京都)
まとめ
「小さな住まい」や「小屋」という語感には、単純に「狭い家」という物理的なこと以上に、「慎ましやかに暮らす」という日本人特有(?)の美学が含まれているのではないでしょうか。
今回の皆さまの回答には、そういう暮らしをしてみたい、でもすぐに苦しくなりそう、という憧れと、畏怖(?)が交錯しているように感じました。
「収入が減っても好きな仕事をしたいか」「小屋に住みたいか」「田舎に暮らしたいか」などの設問への回答で、「どちらとも言えない」という回答率が30%を超えているところに、そういう「悩み」が垣間見えるような気がします。
この感覚は、「モノを持たない暮らし」にも共通するようで、「モノを持たないために、小さな住まいに暮らしたい」という発想がフリーワード回答に多かったのも特徴的でした。

「小さな暮らし」「モノを持たない暮らし」は、ストイックで美しい暮らし方ではあるが、難易度が高い、というのが一般的なイメージのようですが、はたして本当にそうなのでしょうか。「小さな暮らし」にすることで、精神的な美学ではなく、例えばより便利な場所に住めたり、家にかけるコストを抑えた分、好きなことにお金をかけられたり…というように、物理的に得るものも多いはず。
小さな住まい」コラムでは、今回のアンケートを踏まえて、「小さな暮らし」をもう少し考えていきたいと思います。どうぞご期待ください。

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