第4期第1回 「家の外まわり」について

第4期 2017年〜 | 2017.6.12

今回のアンケートでは、家の外まわりの役割や機能ついてお聞きしました。たくさんのご参加ありがとうございました。
家の外部は、家づくりでは外構計画とも言われますが、単に「外構」という概念で、車庫の位置や敷地境界をどうするかを考えるだけでなく、「街につながっている」という観点から考えていくと、暮らしの質がもっともっと上がるかもしれません。このアンケート結果をご報告します。

●回答総数:11,459名
●実施期間:2017年4月18日(火)~4月24日(月)

回答者のプロフィール

世帯形態
現在のお住まい

駐車場・カーポートについて

戸建てにお住まいの方には、現在お住まいの家の駐車場・カーポートのタイプを、それ以外の方には、もし今、戸建てを建てるとした時のつくりたい駐車場・カーポートのタイプをそれぞれお聞きしました。
現状、屋根のない雨ざらしタイプの駐車場が約半数のようです。戸建て以外にお住まいの方に「もし今、戸建てを建てるとしら」とお聞きすると、屋根のない雨ざらしタイプは9%となり、9割以上の方が、何かしら屋根のあるタイプの駐車場を希望しています。

現在の戸建て住居における、
駐車場のタイプ

もし戸建てを建てる場合の、
つくりたい駐車場のタイプ

現在お住まいの家の、駐車場・カーポートについてのメリット、デメリット、ご意見

門扉を付けずに、道路から車を入れやすい。屋根が無いので、厳寒時には車のフロントガラスが凍る。(戸建て/雨ざらし/親+子世帯)

カーポートを設置すると家の外観を損ねるため設置しませんでした。開放感と美観は保てましたが大雨の時は屋根があるといいなと思います。(戸建て/雨ざらし/親+子世帯)

雨が降る中の車からの出入りは大変ですが、屋根があるとその上から不審者が入るかもしれないのでつけませんでした。(戸建て/雨ざらし/3世代世帯)

雨に濡れないと思ったが、取り付けて生活してみて、冬、どんなに寒くても、凍らないことを知った。付けて大正解。デメリットは、費用がかかること。(戸建て/屋根ありタイプ/親+子世帯)

屋根だけでは少し強い雨だと濡れる。まぁ仕方ないとは思うけど、高かった割に濡れるので無くてもいい気がしてくる。(戸建て/屋根ありタイプ/親+子世帯)

メリット:雨天時でも乗り降りが楽。デメリット:外観が多少損なわれる。カーポートの柱がなければもう一台車を止められる。(戸建て/屋根ありタイプ/親+子世帯)

庭について

戸建てにお住まいの方に、現在お住まいの家の外まわりにあるものをお聞きしました。
インターフォンは、ほとんどの方は設置されていますが、表札については83%と、必ずしも設置しているわけではないようです。また、今話題になっている「宅配受け取りボックス」を設置されている方も2%ほどいらっしゃいました。

戸建てにお住まいの方に、「普段(雨の日以外)洗濯物はどこに干しますか」とお聞きしました。

一般的に戸建住宅では、1階に水まわりが設置されていることが多いのですが、最も多いのは、「屋外の2階以上のバルコニーに干す」で43%となっています。
また、戸建てにお住まいであっても、約3割の方が室内に洗濯物を干す、または乾燥機を利用しています。洗濯物の干し方は、働き方や世帯の形態によるところが大きいようです。

戸建てにお住まいの方には、現在お住まいの家の庭にあるものを、それ以外の方には、もし今、戸建てを建てるとした時の庭につくりたいもの、置きたいものをそれぞれお聞きしました。
現在、庭に木を植えている方の割合に対し、「もし今、戸建てを建てる場合」に木を植えたいかどうか、その希望にかなり開きがあるようです。また、現在の家に「物置き、小屋」がある方が、半数以上もあったのも新たな発見です。

塀について

戸建てにお住まいの方には、塀があるかないかを、それ以外の方には、もし今、戸建てを建てるとした時に、塀をつくりたいかどうかをそれぞれお聞きしました。

現在の戸建て住居における、塀
もし戸建てを建てる場合の、塀

現在お住まいの家に、塀のない方のご意見

親世代は、塀は必須と考えているが、夫婦間で塀は特に必要ないと考えている。逆に死角になるとも聞いたので、防犯上も兼ねて今のところいらない。(戸建て/親+子世帯)

金銭的な問題で作れなかった。塀がないのでゴミを外に出すときにお隣さんと少し気まずいときがある。昼間は照明要らずの我が家だが、塀ができると陽の光は窓から入りにくくなるかもしれない。(戸建て/親+子世帯)

以前ブロック塀がありました。古くなった事もあり、地震で崩れる事を考え、塀をなくしました。(戸建て/3世代世帯)

閉塞感を感じるので作りませんでした。狭い土地ですが、狭く感じないのがメリットです。(戸建て/親+子世帯)

もし今、戸建てを建てるとした時に、塀を「つくらないと思う」にご回答された方のご意見

実家が作っていたが、木材の劣化が酷かったので自分で建てるなら作らないと思う。金銭面でそこまでは出来ないと思う。(集合住宅/夫婦二人世帯)

境を作らず、町にとけこむような形で広々と過ごしたい。庭に入りやすくなるとか、家の中が見えやすくなるなどプライバシーや防犯の面では不安がある。(集合住宅/夫婦二人世帯)

塀と家の間の掃除が面倒、少しでも家の面積を広くしたい。(集合住宅/親+子世帯)

閉塞感があって嫌い。戸建てを建てるなら近所の家と離れているようなところにしたいから。デメリットは防犯が甘くなること。(集合住宅/親+子世帯)

もし今、戸建てを建てるとして、つくりたい塀のタイプを全ての人にお聞きしました。

塀の素材
塀の高さ
最も支持された塀タイプ

高さ:1.2m以下(胸下位)
素材:木、ウッドフェンス・半分程度透けている

2番めに支持された塀タイプ

高さ:1.5m程度(目線位)
素材:木、ウッドフェンス・ほぼ透けていない

3番めに支持された塀タイプ

高さ:1.5m程度(目線位)
素材:木、ウッドフェンス・半分程度透けている

つくりたい塀についてのご意見

外から見えていないようにしたいため。また、木のぬくもりが好きなため。(高さ1.8m以上・木、ウッドフェンス・ほぼ透けていないを選択)

解放感があり、境界線もあるといった雰囲気が望ましいと考えるため。(高さ40cm以下・木、ウッドフェンス・ほぼ透けていないを選択)

震災のとき、ブロック塀が崩れるのを目の当たりにしたから。木々であれば季節の楽しみもあるのでは。(高さ1m以下・生け垣・半分程度透けているを選択)

塀を作ることで中を見てもらえないのは残念なため、低く、ガーデニングを行い中にも注目してもらう。(高さ40cm以下・生け垣・半分程度透けているを選択)

外から全く見えないと防犯上良くないと思うので。アルミや鉄は、手入れが楽そうと思ったので。(高さ1.5m程度・金属・半分以上透けているを選択)

塀そのものが、防犯、プライベート空間保護を成し得てくれる意味合いに捉えていますので、そこはしっかりやはり本来の意にそったものであって欲しいです。(高さ1.2m以下・コンクリートブロック・ほぼ透けていないを選択)

アプローチ(通路部分)について

もし今、戸建てを建てるとして、つくりたい道路からのアプローチの素材の組み合わせをお聞きしました。

最も支持されたアプローチのタイプ

地面:芝生
通路:タイル・レンガ

2番めに支持されたアプローチのタイプ

地面:芝生
通路:木

3番めに支持されたアプローチのタイプ

地面:芝生
通路:コンクリート

つくりたいアプローチについてのご意見

芝生はアプローチを明るく感じさせるため。そして雨などを考慮すると最も手入れがしやすく、汚れが目立たないコンクリートを通路にした方が良さそう。(地面:芝生、通路:コンクリートを選択)

ポーチを白いタイルにしてしまい汚れが目立つので、レンガにすればよかったと思ったのと、きれいに手入れされた芝生は見ていて気持ちがいいから。デメリットは芝生の手入れをしないと見た目が悪くなること。(地面:芝生、通路:タイル・レンガを選択)

車に泥がついたり、タイヤに小石がはさまったりしないようにシンプルなコンクリートを選んだ。(地面:コンクリート、通路:コンクリートを選択)

防犯重視で音がする砂利にしたい。芝生や土の方が自然で良いが、草取りは大変だと思う。(地面:砂利またはウッドバークを選択)

今の家で地面を土にしたら雑草で困っているので。メリット:雑草が生えにくい。デメリット:ヒールのある靴をはくと砂利の場合靴のかかとが傷つく。(地面:砂利またはウッドバークを選択)

なるべく外回りに植物を植えたいので。芝生が理想ですが、年中綺麗な状態を保つのは難しいので、土にしてグランドカバーなどで覆いたいです。(地面:土を選択)
まとめ
今回のアンケートで印象的だったのは、理想と現実との乖離が大きかったことでした。

例えば、もしこれから家を建てる場合に、駐車場・カーポートは「屋根のない雨ざらしタイプ」を選択された方は、8%しかいらっしゃらないのですが、現在すでに戸建にお住まいの方の実態は、49%が「屋根のない雨ざらしタイプ」でした。
また塀についても、塀を立てるならウッドフェンスと考えている方が56%に対して、現状ウッドフェンスの採用率は9%でした。
また樹木も3m以上の樹木がほしいと思っている方は11%に対して、実際は32%の方の庭にあるようです。

理想と現実にギャップが生まれる要因は、駐車場・カーポートやウッドフェンスなどの場合は、「コスト」の問題があると思われますが、カーポートの場合はそれに加えて、スペースの問題もありそうです。また、樹木についても、メンテナンスを考えて3m以下に抑えたかったのに、こんなに大きくなるとは思わなかった、ということもあるでしょう。

家の計画優先で後回しになりがちな「外まわり」ですが、「理想の外まわり」を実現するためには、お金だけではなく多岐にわたっての知識や計画性も必要そうです。
「みんなで考える住まいのかたち」では、家の外まわりについて今後さらなるアンケートなども交えながら、もう少し焦点を絞って考えていきたいと思っておりますので、今後もご協力をお願いいたします。