第3期第6回「賃貸住宅のリノベーションについて」

第3期 2011年〜 | 2013.1.8

今回のアンケートは、賃貸住宅のリノベーションについてお聞きしました。
リノベーションをした部屋の工事費をどれだけかけられるのか。それはある意味、その後の賃料によって決まってしまいます。どのくらいの賃料アップをしたら住んでもらえるのか、そのことについてみなさんのご意見をうかがいました。

●回答総数:2,238名
●実施期間:2012年12月18日(火)~ 12月25日(火)

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リノベーションした団地の「部屋」についてお聞きしました。どのようなリノベーションが良いと思いますか。

「お風呂やキッチンなどの住宅設備は新しいものが良い」というのに共感する答えが圧倒的に多いですが、並んで「キッチンの大きさを選べると良い」と思う方も87%もいるというのは興味深い数字です。
大きいだけでない、小さなキッチンというのも選択の可能性としてあると言えるでしょう。「キッチンは小さくても良い」と答えている方が29%もいます。
また「経年変化した古い部分を残しても良い」と答えた方も54%と半数以上。すべてが新しいだけでなく、時代を住み継いでいくという、時間の記憶を表現することもあってもいいのかもしれません。

リノベーション例として、写真のような間仕切りのない広い空間、白と木の内装、新しくなったキッチンと洗面など、部屋の古さや歴史観を残しつつ、自分流にアレンジできる、特別なリノベーションの部屋を借りたいと思いますか。とお聞きしました

また、上記のリノベーションした部屋が広さ40~60m²として、どれくらいの賃料なら借りたいと思いますか。とお聞きしましたところ、以下の回答となりました。

「賃料のあがる範囲が、10%までなら借りたい」と思っている方が78%いらっしゃいます。もし8万円の家賃だとしたら、8,000円の賃料アップということになります。この数字から、かけられるリノベーション費用を算定すると、だいたい一住戸200万円ぐらいのコストがかかえられそうです。もちろん、すべてが住み手の負担になる訳でなく、貸し手側の負担もあるでしょうから、事情により多少の増減はあると思われます。
このアンケートからは、多少の賃料アップでいいなら、より快適な暮らしをしてみたい、また、リノベーションという手法での物件に入居してみたいという意見がうかがえます。いくつかご紹介します。

一軒家では叶えられない空間が得られると思うので、多少の付加価値がついても仕方がないのかなと思う。(女性/30代後半/専業主婦)

価格はその地域の相場が関係してくるから、同じ地域の似たような広さと設備の物件の比較で決めると思う。元の賃料はあまり関係ないと思う。(女性/30代後半/自営業)
リノベーションされたことで、現代の生活にあった間取りに変わったり、設備が新しくなるのであれば賃料があがることはしょうがないが、あまりあがりすぎると新たに建築されたものの方が良いと思ってしまうので、上げ幅は10%くらいまでと思った。(男性/30代前半/会社員)

部屋を選ぶとき、賃料は安ければ安いほどうれしいものの、安すぎても周囲の住民の質が心配な面もある。リノベーションした部屋には付加価値がついていると思うのである程度は価格が上がっても良いと思うし、住民の質もそのことで上げていけるのではないかと思う。(女性/30代前半/会社員)
まとめ
リノベーションとは自分の暮らしを自分で考える事。それは住み方に関する知恵や工夫を、自ら行なっていくことともいえそうです。暮らしながら手を加えて行く。自分の暮らしをどうかたちにしていくのか。そのことを学ぶためにもリノベーションはとても楽しい学習ツールだとも言えます。
今、日本人が暮らし方についての知識や技術が日に日に向上しているようにも思います。お金をかけることより、時間をかけて自分の暮らしをしつらえていく。成熟時代の日本の暮らし方のひとつが古い建物をリノベーションして暮らすということなのかもしれません。分譲だけではなく、賃貸のリノベーション物件という可能性、さらに深く考えてみたいと思います。

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