第3期第2回 「部屋の使い方について」
第3期 2011年〜 | 2011.10.20
リビングとダイニングの関係性について、また床座での暮らしについて、具体的にどのような床座の暮らし方が良いのか、今回は書斎・ワークスペース、客間・ゲストルームについても、それぞれの部屋の使い方について考え間取りをつくり、皆さんが共感できる部屋の使い方をお聞きしました。
家での過ごし方を考えるうえで、そのまわりでおこっていることや、本当はこうしたいという皆さんのご意見をまとめましたのでご覧ください。
●回答総数:114名
●実施期間:2011年8月23日(火)~ 2011年8月30日(火)
コミュニケーションの中心をどこに置くか
リビングで食事をするスタイルについて、4つの間取りの共感度をお聞きしました。
「2.ダイニングはリビングと一緒の空間でつながっている」間取りの共感度は85%、この空間に共感する方が多いようです。
「3.リビングを大きくする」間取りは54%、「4.ダイニングを大きくする」間取りの共感度は55%と、ほぼ同じです。それぞれ生活の中心、コミュニケーションの中心をどこに置くかによって決まるのでしょう。
床座で過ごすことについて
ダイニングとリビングを床座で過ごしたいと思うか、またそのご意見をお聞きしました。
「リビングは床座がよい」「ごろごろしながらくつろぐ」というご意見が多いのですが、「ほこりが気になる」「床座でも床の高さをあげて、視線をあわせたい」「床で過ごすとだらける気がする」というご意見もありました。
また、床座の場合は畳敷きがいいという声も目立ちました。そのほか、「床座だと年寄りが座り立ちで苦労しそう」「床座用の低い椅子があるといい」とのご意見も多く見られました。
食事がコミュニケーションの基本
床座で過ごすスタイルについて、4つの間取りの共感度をお聞きしたところ、「ダイニングは椅子、リビングは床座」という方が多いです。
「ダイニングを充実させたい」「どんなに忙しくても家族はそろって食事をするようにしている」などのご意見が多く、家族が一緒に過ごすことへの強い想いを感じました。食事がコミュニケーションの基本といえるようです。
また、子供の年齢によってもその形態は変わるようで、「子供が独立した後はカウンターで食事をし、リビングを充実させたい」と言うご意見もありました。
リビングの過ごし方は床座の共感度が高く、「リビングではくつろぎたいので寝転がることもできるのがよい」というご意見が多数ありました。その他、「鍋はリビングで」という方も。鍋は床座の方が似合うのでしょうか。
60歳の方の「日本人は食事の場では会話をしない習慣があるので、食事後リビングに行き家族とのコミュニケーションをはかる方が自然」というご意見は印象的でした。
書斎・ワークスペースについて
書斎・ワークスペースを欲しいと思うか、また3つの間取りの共感度をお聞きしました。
ワークスペースは83%もの人が欲しい、またはすでに持っていると答えており、「1.リビングの中に書斎コーナーをつくる」間取りは74%もの人が共感しています。
一方、「3. 独立した書斎コーナーつくる」には55%の人が共感しており、興味深い数字です。こもってだれにも邪魔されない空間が欲しいということでしょう。
客間・ゲストルームについて
客間・ゲストルームを欲しいと思うかお聞きしたところ、57%もの人が「欲しい・すでにある」と答えています。
「客間・ゲストルームが欲しい・ある」と答えた方に「つくるとしたら、和室がいいですか、洋間がいいですか」さらに「どなたが泊まりますか」とお聞きしました。
67%の方が客間・ゲストルームは「和室」がいいと答えています。
また、泊まる人は、友人・知人が77%で1位、ついでご両親です。
和室は多目的に使えるので、来客がいない時は他の用途に使えるというメリットもあるでしょう。
皆さんのご意見をみると、「和室」がいいという方は、来客がいない時は他の用途に使う方が多く、「洋間」がいいという方は専用のゲストルームと考えているようです。なるべく物は置かずに、絵などを飾っておきたいという方もいます。
また、「夏は暑いので、夏になると和室に移動して寝る」という方もいらっしゃいました。
リビングを床座で過ごしたいという方が多いのは興味深い結果でした。日本人は靴を脱いで暮らすという世界に比類のない清潔な文化をもっています。ごろごろとしながらくつろぐ、少しだらしないようにも思いますが、多くの人の暮らしへの欲求なのでしょう。家に帰って食事のあと、休日のとき、うたた寝をしたり、テレビをみたりしてくつろいだり。リビングでは会話をするというよりは、体を休めるという方が望まれているのかもしれません。
また書斎・ワークスペースについても、そのかたちは様々ですが、多くの人が欲しいと思っているようです。家で仕事をするというのも、現代的な特徴なのかも知れません。このあたりは再度、皆さんのご意見をいただきながら考えてみたいと思っています。
客間・ゲストルームは多くの人が欲しいと思っているものの、その使い方に工夫が必要に思えます。実際に使われるのはそう多くはないようですので、日常使いとお客様が来た時の両方にうまく使えるような間取りを考えてみたいと思います。暮らしを快適にするための工夫は、まだまだありそうです。
今後も住まいのかたちアンケートにご期待ください。