家とまち 「郊外に住むこと」について

第2期 2008年〜 | 2009.9.2

家は一軒だけがポツンと建つわけではなく、たくさんのさまざまな建物が建ち並ぶ、まちのなかに建つものです。私たちが考えた家が建ち並んで住宅街ができるとしたら、そのまちはどうあったらいいのだろう。まちなみは、庭は、どうあるべきなのだろう。無印良品では、まちづくりについて考え始めました。
第2期第5回「家と家の場所」についてのアンケート結果と、皆さまからの投稿をもとに、今回のミニアンケートでは、戸建てに住むこと、郊外に住むこと、人と人が集まって住むことついて、さらに詳しくお聞きしました。

●回答総数:4,718名
●実施期間:2009年8月4日(火)~2009年8月13日(木)

Q.郊外の戸建ての場合、比較的広い庭や、周囲に緑豊かな環境が手に入ります。あなたが欲しいと思うものをお答えください。(複数回答可)

自然散策やサイクリング、家庭菜園、庭でのバーベキューやガーデニングなど、上位項目は、都会では得にくい豊富な自然やある程度の広い庭にて、のびのびと自然と触れ合う生活が「郊外に住むこと」に期待されているようです。
フリーワードで「樹木」や、「緑」に次いで多かったのが、「水辺・川」そして「ウッドデッキ」でした。
木々の緑、木陰などと同様に、水遊びや、せせらぎが自然のもたらす癒しのイメージで、それらアウトドアと家とを緩やかにつなぐウッドデッキや縁側が理想的ということでしょうか。

Q.郊外の戸建てでまちづくりを考えたとき、1戸ではできないことを複数の家族が集まって住むことで、現実できることがたくさんあえりそうです。あなたが賛同したいと思うものをお答えください。(複数回答可)

やはり公園、広場、手入れされた街路樹、集会所などの公共施設が望まれています。
これらが充実していることで、街の一体感とともに、そこに住む人々にも「つながり」が生まれるでしょう。
フリーワードで特に多かったのは、「図書館」です。小規模な街では、図書館は無理でも集会所を利用した図書室や、読み終えた本を交換しあうリサイクルブックなどは、実現しやすいでしょうし、そこがコミュニケーションの場になりそうです。

Q.家と家の間、通路と庭の関係についてお聞きします。どんなに素敵な家でも、1戸の家だけではまちなみは成立しません。まわりとの関係によって成り立っています。家と家の境界線を示したこれらの図を参照し、ひとつお選びください。

塀をつくる場合の高さは、80cm以下にしたいと言う方が、塀がなくても良いと言う方も含めると、71%と多数派でした。
家と家の境界線は明確に、しかしお隣同士のある程度のコミュニケーションと、空間のつながりはあった方が良い、ということでしょうか。
また視覚的には、冷たい印象のアルミ格子の塀よりも、緑の生垣がいいという結果です。

Q.新しいまちづくりを考えたとき、そのまちの価値観を高めるものは何だと思いますか?(複数回答可)

街の価値を高めるものとして上位に上がったのが、「ルールやマナー」「隣人同士の交流」「維持管理」「同じ価値観の住人」と、ハードではなく、住人の意識や交流であることは、注目すべきことです。
街並みや公共施設などのハードは、そこに住む方々の文化やコミュニケーションをサポートする仕掛けとなる必要があるということではないでしょうか。