第2期第1回「家事について」
第2期 2008年〜 | 2008.12.25
第1回のテーマは「家事について」です。具体的には、家事動線と家事分担についてお聞きしました。
暮らしの中で家事とは避けて通ることができないもの。しかし忙しい私たち現代人は、家事とどのように向き合っていくのか、また住まいの空間の中にどのように組み込んでいくのか、今回のアンケートから暮らしや住まいを考える、新たな視点を見つけていきたいと思います。
●回答総数:2,967名
●実施期間:2008年11月3日(月)~2008年11月9日(日)
既婚で共働き家庭か、専業主婦家庭か、また、世帯を一緒にしているお子さまが「あり」とお答えの方、「なし」とお答えの方を主に比較しています。
それ以外の方々のデータも内部では分析しておりますが、今回の報告ではもっとも特徴的な傾向を示した上記のグループの比較を報告させていただきます。
料理について
Q. 料理にかかる作業時間はどれくらい?
1週間の作業時間の平均を、朝食、昼食、夕食で比べてみました。
Q. 夕食の準備・料理と、その後片付けを誰が行っていますか?
専業主婦家庭の夕食の、夫の参加度を平日と休日で比べてみました。
夕食の準備と片付けの平均は週に430分、1日平均61.4分となっており、毎日1時間ほどかかっていることになります。
夫の夕食の参加度では、準備・料理が平日3%→休日18%、片付けが平日10%→休日19%となり、家事の中でも休日になると高い参加度になっています。料理が好きだという男性もいらっしゃるのではないかと思います。
洗濯について
Q. 洗濯をする頻度は?
洗濯をする回数を平日と休日でみてみましょう。
Q.洗濯はどこの場所でしていますか?
洗濯の作業の一連の流れを想像してみてください。
また洗濯では、洗濯機を置いてある場所は90%の方が洗面脱衣室といえます。
洗濯物を干す場所はベランダや庭が73%ですが、それ以外に室内干しをされている方も20%いることも注目していいかと思います。
たたむ・収納する場所は、63%と圧倒的にリビングが多く、寝室の方が18%もいました。
アイロンがけについては、これも67%とリビングが一番多いですが、キッチンや家事室で行う方も7%いらっしゃいます。
掃除について
Q. 掃除にかかる作業時間はどれくらい?
1週間の作業時間の平均を、専業主婦家庭と共働き家庭とで比べてみました。
Q.掃除は誰が行っていますか?
休日の専業主婦家庭の、夫の参加度をみてみました。
「専業主婦家庭・こどもあり」では週に188分、1日約27分、子供なし・共働きでは週に124分、1日約18分となっています。
夫の参加度の高いのは風呂掃除で、休日には40%の方が行っています。なおゴミ出しについては、約半数の方が手伝っているようです。
買い物について
Q. 買い物をする頻度は?
食料品や日用品等の消耗品の買い物の頻度を平日と休日でみてみましょう。
Q.買い物は誰が行っていますか?
買い物の、夫の参加度をみてみました。
買い物への夫の参加度は、平日10%に対し休日はとても高く70%。日用品の買い物だけでなく、趣味のものや、ショッピングセンターなどで買い物以外にも休日を楽しむ方もいらっしゃるかもしれません。また、ご主人が運転してお車で少し遠いお店に行くこともあるかも知れません。
家事の好感度・負担度
Q. それぞれの家事について、好きですか?(平日についての結果です)
Q. それぞれの家事について、負担ですか?(平日についての結果です)
一方、アイロンがけは風呂掃除、夕食後片付けと並んで、負担に思う割合が高い家事のようです。
洗濯についてさらにお聞きしました
Q. 洗濯機はキッチン、またはその近くにある方が便利と思う?
Q.洗濯機は洗面脱衣室、またはその近くにある方が便利と思う?
Q.あなたの家にあるものは?
洗面脱衣室に洗濯機がある大きな理由のひとつは、風呂の残り湯を使うことのようで60%の方が利用しています。
洗濯乾燥機を持っている方のうち、乾燥機能を「毎回洗濯のたびに使う」とお答えの方は4%でした。「雨の日や風の強い日、天候によって外に干せない時に使う」という方が28%。多くの方は太陽の下や、風通しのいいところで、自然に乾かすことを好んでいます。
家事の好感度と合わせて考えても、多くの方が洗濯はむしろ好きな家事のひとつのようです。汚れたものをきれいにして、干すというのは気持ちのいいことなのかもしれません。
乾燥機を持ちながら、使っていない人がこんなにも多くいることは今回の調査ではもっとも驚いたことでした。
作業時間についてのまとめ
Q. 家事の作業時間はどれくらい?
1週間の作業時間の平均です。
Q.洗濯だけぬきだすと?
1週間の作業時間の平均を、専業主婦家庭と共働き家庭とで比べてみました。
洗濯に関する作業時間を見てみると、共働き家庭の平均は専業主婦家庭よりも1日23分も差があり、「専業主婦家庭・こどもあり」「共働き家庭・こどもあり」では1日平均2.9分しか差がありません。共働きの奥さんはかなり頑張っていると言えそうです。
その他(仲良しランキング)
お聞きした家事の中で、「夫婦一緒に」を選択された家事のランキングをだしてみました。
2位休日の「掃除機をかける」、3位休日の「洗濯をたたむ・収納する」、4位休日の「夕食の準備」です。
やはり休日には仲良し度(?)が上がりますが、この数字が多いのか少ないのかは、みなさまに伺ってみたいところです。平日の家事は奥様が主役といえそうです。
さいごに(まとめ)
家事に費やす時間は家電製品の発達とともに効率は良くなってきたのだと思います。しかしそれでも1日平均204分、専業主婦の方で222分、共働きの方で184分と3時間を超える時間を費やしています。この時間は作業に費やしている時間のみを計算していますから、その前後の時間などを考えるとずいぶんと家事には時間がかかっていると思いました。
家事の効率化のためには家電製品の助けも必要でしょうが、家事動線の効率化が大事ではないかと思っています。使いやすい、無駄のない機能的な間取りはとても有効です。また視覚的にもバックヤードのものがくつろぎの空間の中にはみ出てこないことは、暮らしの豊かさにも大きく影響します。リビングに洗濯物が干してあるようなことになっては、居心地の良いリビングスペースも台無しです。
今回のまとめでもう一つ発見したことは、洗濯乾燥機を持っていながら使っていない人がいかに多いかということです。
自然に乾燥させるということのほうが気持ちいいと感じているのだと思います。また想像ではありますが、外に干すだけでなく、室内干しのスペースがあると便利なのではないかとも感じます。効率のいい家事動線のなかで、洗濯にかかわる動線を考えた間取りは、暮らしを豊かにする鍵ではないでしょうか。
今回の調査をもとに、家事動線を考えた間取りの提案をしてみたいと思います。楽しみにしていてください。今回のアンケート結果について、みなさまはどのように思われましたか?ぜひご意見をお寄せください。
みなさまのデータは大切に扱わせていただき、今後の暮らし方の研究に活用させていただきますのでご了承ください。