第1期第5回「キッチンについて」

第1期 2007年〜 | 2008.5.27

4月に実施したアンケートでは、キッチンとキッチンまわりの暮らしについてお伺いし、たくさんの方にご参加いただきました。
キッチンのありかたは、家族の関係をもっともよく表します。理想の住まいには、いろいろなキッチンがあり、前回から聞いていたダイニングやリビングとの関係によっても、変わってくるようです。
私たちの住まいかたを、キッチンを通してもう一度一緒に考えてみたいと思います。

●回答総数:6,592名
●実施期間:2008年4月11日(金)~4月21日(月)

半数近くの人が誰かと一緒に料理をしています。その中でもご主人と一緒に料理をするというのが高い結果となっています。
キッチンは一人用のスペースでは少し狭いかもしれませんね。

料理中、夕食時、夕食後、それぞれどこで過ごしていますか?

キッチンにいる人は、奥様(母、妻)が約7割、ご主人(父・夫)が2割、子供たちやその他が約1割です。
男性の料理参加が目立ちます。

小学生以下の子供たちは、夕食後もダイニングで過ごしているようです。

ご主人(父・夫)は夕食後、小学生以下の子供たちは料理中にリビングで過ごしていることが多いようです。

中学生以上の子供たちとご主人(父・夫)は、料理中と夕食後に個室で過ごす割合が多いです。
リビングを夕食後に使うのもご主人(父・夫)が多いのですが、個室で過ごす割合も多いというのは興味深いです。
「料理中、夕食時、夕食後、それぞれどこで過ごしていますか?」の結果をまとめてみると以下のことが言えそうです。

・奥様(母、妻)は、夕食後は少しリビングでゆっくり過ごしています。
・ご主人(父・夫)は、料理中は個室に、夕食後はリビングか個室かにわかれます。
・小学生以下の子供たちは、夕食前はリビング、夕食後はダイニングにいるようです。
・中学生以上の子供たちは、料理中と夕食後に個室で過ごす人が多いようです。

このことからリビングは夫婦が過ごし、子供たちは個室で過ごすと言えるのではでしょうか。
この結果から個室のあり方や過ごし方について少し考えてみようと思いました。

「家族との会話」「本を読む」「テレビをみる」「仕事をする」など、ダイニングはさまざまな使い方をする空間のようです。

「キッチンで食事やお酒等を飲む」が22.6%と大きな数値になっているのが面白いですね。
簡単なお酒のおつまみをつくって、そのままキッチンでちょっと一杯という光景が目に浮かびます。
オープンキッチンのまわりに腰かけるスペースがあると便利そうです。

料理中は「音楽を聴きながら」「テレビを見ながら」が多いですが、料理だけに集中する方も26.6%いらっしゃいます。
また、「パソコンをしながら」という方が4.3%います。


家の真ん中にあるキッチン、お母さんはキッチンにいながら家族みんなを見渡せます。
子供部屋の子供たち、リビングにいるお父さん、お母さんは家族の司令塔です。

ただ食事の準備をするだけではつまりません。
家族が集まり、楽しくにぎやかに過ごします。子供たちは、お母さんのまわりに集まります。会話を料理するのがキッチンです。

キッチンはやっぱりクローズ型がいいですね。
油の臭いも気にならないし、汚れ物も外から見えない。裏方は人には見せたくないものです。

セミオープンキッチンは、手元が隠れるので、片付けにそれほど気を使わなくていいので気が楽です。
それに、カウンター越しに目の前でサーブできるのが便利です。もちろん、家族の会話にも参加できるのがうれしいです。

男の料理は、ダイナミック。プロ仕様のキッチンも備えて本格料理。
家族もお父さんの料理を楽しみにしています。もちろん、準備から家族も手伝ったりして、楽しいひと時です。

お母さんは一日の多くの時間をキッチンで過ごします。
ちょっとしたテーブルや本棚があって、家計簿をつけたり、料理のレシピを見たり、パソコンでネット検索。お母さんだって自分一人のスペースが必要です。

キッチン周りには意外と収納が少ないものです。お皿やなべをしまうところは考えていても食品庫まではなかなか気がまわりません。パスタや、お米、つけもの、趣味でつくる果実酒、缶詰や日持ちのする食料品など、多くの食材がキッチンには氾濫します。キッチンにつながる食品庫があったら便利です。

夫婦で一緒に片付け、洗い物をしながら、会話を楽しみます。
片付けをしながらも、まだまだ会話が弾みます。片付けは一緒にすれば、楽しいし、早く終わります。

昔のように南側のキッチンはものが腐るという時代でもありません。
明るく、庭にもすぐ出られるようなキッチンがいいですね。

リビングのテーブルで食事をします、あえてダイニングという空間はつくりません。
食事の時間もくつろぎの時間もひとつの空間でするのが基本です。


食事は低い大きなテーブルでします。基本は床座の生活。
食事が終わったら、テレビの時間。クッションを頭に敷いて、床にゴロン、快適です。

キッチンの前の大きなダイニング。子供は、おやつを食べたり、宿題もしたり。お父さんもお茶を飲んだり、新聞を読んだりと、家族のみんなが入れ替わり使っています。家族は、お母さんの近くに集まります。ダイニングは家族の広場です。

まずはダイニングテーブルで一服です。お茶を飲んだり、タバコを吸ったり、新聞を読んだり。
キッチンのほうからは、お母さんが食事を用意する音が聞こえます。

「大きくなくても食品庫がほしい」という方の共感度が非常に高くなっています。多くの人の願望といえます。
また、今までのアンケートでお伺いしてきた「床座の生活」への共感度はそれほど高くはありませんでした。
これについては第6回「理想の住まい方について」のアンケートで具体的な間取りを提案していますので、あらためて結果をご報告できればと思っています。
まとめ
平日でも夫婦そろって食事をすると答えた人が60%近くいらっしゃいました。
さらに家族で一緒に料理をする(47%)、ご主人も料理をする(6%)など、多忙な現代の生活の中にあっても、家族で過ごす時間を大切にしていることがわかります。
家族で過ごす時間の中でも、料理をすることや、一緒に食事をすることは大切な時間なのでしょう。また、男性の家事への参加も多くうかがえます。

キッチンのありかたは、家族の関係をもっともよく表します。

みんなで料理をする、一人でする、かなりの時間をかけて料理をする、簡単にする…などさまざまです。
また料理中は家族の会話に参加するのか、集中して料理をするのか、
下ごしらえはキッチンでするのか、ダイニングまで使ってするのか、
などいろいろなキッチンのありかたがあるようです。
さらにダイニングやリビングとの関係によっても、キッチンのありかたも変わってくるようです。
私たちの住まいかたを、キッチンを通してもう一度一緒に考えてみたいと思います。