vol.24 光の家
「無印良品の家」で暮らす人を訪ねて神奈川県逗子市へ。
建築への造詣も深いKIKIさんが、日向に佇む「窓の家」に会いに行きました。
建築への造詣も深いKIKIさんが、日向に佇む「窓の家」に会いに行きました。
施工例 | 2018.3.13


ダイアログ3
逗子と鎌倉の暮らし
収納と持ち物の関係
- KIKIさん
- それにしても、テレビがないだけじゃなく、持ち物も少ないですよね。壁もスッキリ広くて気持ちがいいです。
- 夫
- テレビは僕たちはなくても平気ですが、子どもは見たいときもあるみたいです。
- 妻
- KIKIさんって、何か「持ち物」のルールありますか。ワンシーズン着ない洋服は処分するとか。
- KIKIさん
- そうですね。洋服はフリマで放出することありますが、本は「棚に入るだけ」って決めて買ってます。でも棚自体が大きいので、まだまだいけますね。
- 夫
- 大きい本棚いいなあ。どんな感じの本が多いんですか。
- KIKIさん
- うーん、小説が多いけど、建築を勉強していた頃の名残で、建築の作品集や写真集のような大判の本は捨てられないですね。
- 夫
- 大きな本棚ほしいね。
- 妻
- ……。
- KIKIさん
- スペース足りてないですか。
- 妻
- ぜんぜん足りてないです。帰宅してポストを開けると、また新しい本が届いていて。
- 夫
- 宅配が便利なんで、つい。
- 妻
- 私は食器の収納が欲しいです。いまは置き場所がないからガマンしてます。
- 夫
- ああ、食器棚ねー。
- KIKIさん
- 壁に少しでも空間があると欲張って収納に充てる人は多いと思いますが、この家はちゃんと壁が残されていますよね。一室空間で壁が少ないのに、壁の余白がいっぱい残ってるのは、改めていいなあ、って思います。
- 妻
- 最初は大判の絵画を掛けるつもりだったんですが。
- 夫
- まだ丸めてあるね(笑)
- KIKIさん
- リフォームするときに友人にアドバイスされたのは「収納はつくりすぎないほうがいい」でした。理由は、あればあるほど、モノが増えるから、自分が使う場所を意識してつくったほうがいいって。難しいかなと思ったんですが、いま思うと良いアドバイスいただいたなーと思います。
- 妻
- 確かにちょっと意識するだけで、ずいぶん違うと思います。でも、私たちの場合は、モノを減らそうという意識もそんなにないかもしれないです。
- KIKIさん
- そこを意識しすぎるすると、逆に不自由な暮らしになりそうですよね。
- 夫
- そうですね。
逗子と鎌倉の暮らし
- KIKIさん
- この家を建てる前は、どんな暮らし方だったんですか。
- 妻
- 結婚して最初の住まいはマンションですね。戸建住宅はここが初めてです。戸建の生活は最初は戸惑いもありました。マンションとは違いますから。
- KIKIさん
- 自分たちの生活は変わっていないはずなのに。住まいのかたちを変えると、いろいろ違ってきますよね。
- 夫
- 僕は神奈川生まれで、都内に引っ越してからもずっと戸建住宅で暮らしていたんですが、結婚して初めてマンションで暮らしてみて、それはそれで面白いなと思っていましたね。マンションは10階だったので、まず、景色が違うんですよ。それに、エレベータで乗り合わせるとお互い挨拶したり、みんなで住んでるなーって感じが面白かった。
- 妻
- ここは、実家にも近くて住みやすさはよくわかっていたので、なんとなく土地を探していたら、宅地のチラシが目に留まったんですよ。クルマの通行量が少なくて、バス停やスーパーが近くて。この住宅地の中でも静かで動きやすい場所だと思います。
- 夫
- 角地だったことが決めてでしたね。以前からこの辺りで住みたかったけど、賃貸は少ないですから。それなら建てようと。少しランニングすると住宅街に鎌倉時代の史跡があったり、いろんな時代が同時に存在している面白さも感じていました。
- 妻
- KIKIさんは、鎌倉で暮らして何年になるんですか。
- KIKIさん
- 8年くらいかな。
- 夫
- 僕らより先輩ですね。
- KIKIさん
- 私はなんとなく東京を離れたいなあって思ってたころ、もともと友人夫婦が住んでいた家が空き家になったときに見せていただいて、それで一目惚れで……。当時、東京で住んでいた部屋の3倍の広さがあって、家賃は変わらず、平屋で、大家さんがお隣にお住まいで、お庭もあって。それに、山に興味を持ち始めたころで、自然が近いところもいいかなーと。東京にも通えるし。もしも無理なら、また引っ越そうと、気楽な気持ちで移り住みましたね。
- 妻
- 東京での暮らしとの違いって、何か感じることありますか。
- KIKIさん
- そうですねー。例えば、東京では人を家に招くときは、食事もちゃんと準備しないといけないと頑張っていたけど、鎌倉のお友だちは、家に遊びに行くときも、こちらに招くときも、適当に手料理を一、二品持っていったり、持ってきてくれたりするからすごく楽で。きっと、そういうのに慣れてるんですよね。
- 妻
- 確かに。時間の融通も利くし、いろいろと寛容だと思いますね。
- 夫
- そうそう。
- KIKIさん
- それから、鎌倉に越したときにいいなと思ったのは、1日家にいても残念な気持ちにならないことですね。東京では「あー、1日家にいちゃったなー」って損したような気分になるんですが、それがなくなったんですよ。環境のせいなのかな。
- 妻
- あー、わかります。わかります。
- 夫
- 不思議だよね。
- 妻
- KIKIさんは、家で仕事することが多いと思いますが、そういうときに気分転換ってどうしています?
- KIKIさん
- 庭いじりです。雑草抜いたり、球根植えたり細々やってます。それがリフレッシュの時間です。
- 妻
- いいですねー。
- 夫
- もうちょっと庭をなんとかしたいよね。素人の手作業だったので、時間だけはかかったんですが。まだ凸凹で。
- KIKIさん
- でも、日当たりが良くて広い庭はうらやましいです。今日はありがとうございました。また、近所でお会いするかもしれないですね。
- 妻・夫
- そうですねー。こちらこそ、ありがとうございました。楽しかったです。
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