vol.23 協奏の家
「無印良品の家」で暮らしている方を訪ねて奈良県生駒市へ。
イラストレーターの大塚いちおさんが、職住一体の「窓の家」に会いに行きました。

施工例 | 2017.10.17

プロローグ

仕事と家

僕が初めて一人暮らしを始めた部屋は、4畳半のアパートだった。食事も睡眠も、本を読んだり、絵を描くのもそこだった。部屋には、本やレコード、画材や生活用品が、同じように並んでいた。絵を描く事を仕事にしたいと思っていた僕にとって、そこは好きな事が好きな時に出来る天国のような空間だった。
少しコンスタントに仕事が出来るようになって僕は、自宅とは別に仕事部屋を借りた。それまで生活と仕事がすべてが同じ空間だったから、それを切り離す事はきっと難しいと思っていたのに、不思議と仕事の集中力は上がった。それ以来、僕は自宅と仕事場を別にした生活を続けている。たまたま僕には、それが合っていたのだろう。けど、仕事でもある好きな絵を描くことと、生活がうまく重なりあっていたらどうだったのか、今でも時々考える。生活と仕事が融合した空間。
あの時、僕が選ばなかったほうだ。家はどうしたって、その人の生き方が表れる。
今日は、僕が選ばなかったほうの人生を見に来た。

大塚いちお|おおつかいちお
イラストレーター・アートディレクター
雑誌や書籍、広告、音楽関係などのイラストレーションを数多く手がけるほか、展覧会やワークショップの活動も積極的に行っている。NHK Eテレ 「みいつけた!」のキャラクターなど番組全体のアートディレクションを担当。Jリーグ川崎フロンターレのアートディレクターを務める。

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