vol.18 つながる家
「無印良品の家」で暮らしている方を訪ねて愛知県あま市へ。
建築家の大西麻貴さんと百田有希さんが
情趣ある家具と暮らす「窓の家」に会いに行きました。

施工例 | 2015.4.21

ダイアログ2

1階のアトリエにて

雑貨、そして旅行について

百田さん
2階に水まわりを集約したので、1階のオープンにできるスペースの自由度も上がってる感じかな。家の中心の吹き抜けが本当に効いてますよね。それと、やっぱり1階のアトリエのスペースが魅力的ですよね。
大西さん
私たちが設計した住宅でも、クライアントから将来、カフェやショップをやりたいというお話があって、後から住居とお店スペースとの切り分けができるように考えているんですよ。このアトリエはリビングやダイニングと空間はつながってるけど、アトリエのほうがなんとなく外に近い感じがありますよね。
私はネットで雑貨屋さんを運営しているので、いつかはここをそのお店にしたいなと思って計画したスペースなんです。
天井にも陳列照明用の配線ダクトを付けてもらったり。お店はまだ先の話ですけどね。将来何にでもできるかな~と。
百田さん
このスペースは、これから住んでいく中で面白い使われ方がされそうな予感がします。
大西さん
ガラスドアに掛けられたカーテンもかわいいですね。
カーテンは自分でつくりました! 丈が足りなかったので大好きなターコイズブルーの生地を継ぎ足して……。
大西さん
え、じゃあ、ひょっとしてこのクマのバッグも……?
手作りですよ。幼稚園バッグなんですけどね。
大西さん
うわ~! か、かわいいいい。もともとお裁縫が得意だったんですか?
つくることがすごく好きなんです。
リビングのモビールも妻の手製ですよ。以前は長男のベビーベッドの上に吊るしていました。
大西さん
奥様は何がきっかけで雑貨が好きになったのですか?
もともと古いものが好きだったのと、旅行が好きで、旅先の蚤の市で出合ったものをネットで紹介できればなぁと思っていたんですよ。ネットの雑貨屋さんは東欧や中欧の雑貨を中心に、7年くらい前にスタートしたんですが、いまは子育て優先でサイトのほうをなかなか更新できなくて……。
大西さん
東欧や中欧に雑貨を見に行くならどこがお勧めですか?
うーん、ハンガリーならフォークロアな雰囲気で、ドイツはちょっとカチっとした感じでしょうかね、20世紀半ばのモダンなものも多いです。チェコに行くと温かみのある憎めない雰囲気かな。どこも面白いですよ。

大西さんと百田さんと建築

大西さんと百田さんは、一緒に設計事務所を主宰されているんですよね。
大西さん
そうです! もともと大学の建築学科の同級生です。
お二人の趣味というか方向性が合ったんですね。
大西さん
食べ物で言うと、彼は魚好きで私は肉好きみたいな違いはありますね~(笑)。もちろん二人とも建築は大好きですが、大学卒業後に選んだ道の違いで価値観は少し違うかもしれません。彼はアトリエ系の設計事務所に勤め、私は卒業してすぐにひとりで仕事をスタートさせたので・・・。
学生時代はどんな建築の影響を受けたんですか?
大西さん
私は大学2年の前の春休みにフランスに行って、その帰りにスウェーデンに立ち寄り、グンナール・アスプルンドの建築を見て影響を受けたなあ。二人の旅行はたいてい建築見学旅行になっちゃうね。
百田さん
そうだね。
百田さんは……?
百田さん
ぼくの場合は、どうしても建築学科に行きたいと思ったわけじゃないんですよね。もともとものづくりが好きで、それが仕事になればいいかなという漠然とした思いで、建築学科に入ったんですが、勉強するとどんどんのめり込んでいきました。大学が京都だったので、京都のお寺を巡っているときに建築に魅せられた感じです。
普通、お寺を見学するときは縁側を回って外からお部屋を見ることが多いと思うのですが、大徳寺の高桐院は茶室の水屋のほうから庭の見える広間に出ていく経路があって、暗い空間の外に明るい庭が見えていて、庭に向かって少しずつ歩んでいくと、畳に反射した光がどんどん近づいてきて、緑色に輝く空気が充満している感じがするんです。最後にお庭に抜けると一気に明るくなって、その体験がすごく印象的でしたね。京都で大学生活を送れたのは良かったなと思います。
海外に出かけることも多いんですか?
大西さん
旅行というより仕事で行くことが多くなりましたね。南米でプロジェクトが進行中なので、最近だとチリに行きました。
南米の雑貨も面白そうですね~。
大西さん
南米楽しいですよ。チリは自然もダイナミックです。アンデス山脈に砂漠、南はパタゴニア、北のボリビアには塩湖があって……。
地球を感じますよね~。いいな~。
そういえば事務所をウェブで拝見したんですが、えーと、何と言ったらいいのか……。
すっごくオープンですよね(笑)
大西さん
そ、そうなんです(笑)。もう夏は暑くて大変で。それまでは目黒の古いマンションに自分たちで手を入れて使っていたんですが、最近、小豆島で仕事することがあって、地域の方々と関わり合いながらいろいろ考えるケースも増えてきたので、東京でももっと街と関われる場所で仕事がしたいと思ったんですよ。それで、東京の下町エリアに移転して、とにかく開けっ放しで……。
百田さん
近所のおじさんがフラっと立ち寄ったりね。ご近所さんに差し入れいただいたり、通りからじっと眺めてる人がいたり。
大西さん
冬は寒いのでビニールカーテン付けたら、ラーメン屋みたいになっちゃって。
え、本当に戸や壁がないんですか?
大西さん・百田さん
ないない。ないですよ。
夫・妻
スゴいですね~!