vol.11 和ぎの家
「無印良品の家」で暮らしている方を訪ねて岡山県倉敷市へ。
フラワーアーティストで造園家の塚田有一さんが、
「無印良品」と暮らす「木の家」に会いに行きました。

施工例 | 2012.11.6

プロローグ

澄んだ場所

素敵な住まいだと感じるとき、いつも「入江」とか「渚」のイメージが頭に浮かぶ。凪いだ波がひたひたと打ち寄せる岸辺の光景だ。
ある土地に、自然と住む人が引き寄せられ、暮らしを営む。家を建て、住むことは根を降ろす事でもあるから覚悟もいる。「くらす」の「くら」は「さくら」や「まくら」と同じ「座」という意味だし、「すむ」は「住む」
「棲む」。訛って「占む」。また「澄む」に通じる。「す」から連想すると「巣」や「素」も仲間。「好き」や「数寄」にも繋がっていくだろう。
様々な偶然の必然に導かれてその場所に落ち着き、日々過ごし馴染んでいく。できるだけ自分達の「数寄」を通し、「素」を大事に暮らし、生き生きとして、瑞々しいこと。それはまるで植物の種が何処かからか運ばれて根を生やし、芽生え、花が咲くように。
よい住まいは風土と切り離せないものとなり、子ども達の歓声や渡る風の音、花の香り…そういうものと溶け合って存在している。住まう人の振る舞いの向こう側に、そんな風景が一瞬見えると、それは静かな入江のイメージと重なり、ほっとして嬉しくなるのだ。

塚田有一|つかだゆういち
フラワーアーティスト/造園家
1991年草月流入門。IDEEを経て、(有)温室代表。
ガーデンデザインのほか、世田谷ものづくり学校での学校園主宰、インドアガーデン・ファニチャーの企画など植物をめぐる活動は多岐にわたる。
無印良品の家 有楽町 家センターでは定期的にワークショップを開催。