ダイアログ2

理想は、身軽な暮らしです

リビングにて

長谷川さん
この大きな窓の方向が真南なんですね。
Oさん
ええ。冬は温かいですよ。
長谷川さん
最初に次男の部屋を見せていただいたじゃないですか。あれは、今日のために特別に掃除をしてキレイにしていたわけでは……。
Oさん
少しは片付けたと思いますが、だいたいいつもあんな感じです。

長谷川さん
片付け上手はOさんの英才教育の賜物だな。ぼくの部屋とは大違いだ。子供部屋は一つの部屋を収納家具で仕切って、兄弟で使っているんですね。
Oさん
次男が今年中学校で、長男は高校3年です。間仕切りは無印良品で買った収納家具なので「無印良品の家」のサイズにぴったりキレイに収まるんです。
長谷川さん
大きな空間を家具で仕切る使い方は、融通が利きそうですね。子供部屋を将来どうするかは、現代の住宅の問題の一つなんですよ。ところで子供たちが巣立った後は、あの部屋はどうするんですか?
Oさん
たぶん私が使うと思いますね。何も置かず、椅子を一脚だけ持ち込んで、音楽聴いたり、本を読んだり。
長谷川さん
この吹き抜け上部の開口を通して、1階のリビングと子供部屋、寝室の空気はつながっているんですね。
Oさん
意外とリビングからの声も通るので、主人が夜勤明けで寝ているときは気を使います。でも、この吹き抜けは気に入っていますよ。上の窓を開けると月が見えたり。空しか見えない窓ってなんだか贅沢。
長谷川さん
吹き抜けは最初からの希望だったんですか?
Oさん
希望というわけではなく、もともとそういう仕様だったので、そのまま受け入れた感じですね。

収納は「自然にこうなった」感じ

長谷川さん
家の設計には時間かけました?
Oさん
どうでしょう、最初の相談から着工までは、早かったほうだと思います。長期優良住宅の認定をもらうために余計に時間がかかったくらいです。その認定のために床面積を広げなければならなかったけど、結果的には良かったと思いますね。最初の希望はもう少し小さな家でした。
長谷川さん
先ほども話しましたが、新築の時は、収納スペースはとりあえず多め多めになりがちなんですよ。でも、多めにする根拠はたいていは曖昧で、自分たちの暮らし方や生活スタイルをちゃんと考えている人は意外に少ないです。ぼくは施主のそうした部分をできるだけ引き出そうと、対話を増やすのですが、それでも暮らしていると想定外のことって起こると思うんですね。
Oさん
そういう心配もあって、収納が少ないと不安を感じる人が多いと思うんですよ。
長谷川さん
うんうん。でも、Oさんは「必要十分以外の収納は不要」とご自身で判断し、しかも、まだ収納スペースに余裕がありますからね。何か強い意志があってモノを少なく暮らしているわけではないんですよね。
Oさん
わが家の場合、普通に暮らして「自然にこうなった」という感じです。明日すぐに、どこにでも引っ越しできるくらいのつもりで暮らしを考えていますから。
長谷川さん
え~、どういう覚悟ですか、それ(笑)。家を建てたばかりで。しかも持ち家だし。
Oさん
うふふ、まあ、ちょっと極端でしたが、それくらい身軽なのが理想なんですよ。
長谷川さん
それって育った環境とかご両親の影響とかあるんでしょうか。
Oさん
たしかに実家もモノが出しっ放しということはなかったですね。
長谷川さん
収納スペースが少ないと普通なら室内に収納家具が増えるけど、それもないですもんね。
Oさん
ウチはテレビ台もないですから。リビングで収納と言えば、子どもがゲームソフトをしまうトランクくらいです。
長谷川さん
あ~、冗談じゃなくて、ホントにすぐ引っ越しできちゃうね(笑)。