阪神・淡路大震災から31年。インフラゼロハウスがHAT神戸・脇の浜にやってきた
ゼロ・プロジェクト | 2026.2.6
2026年1月17日——阪神・淡路大震災から31年目のこの日、神戸市中央区のHAT神戸・脇の浜団地のけやき広場に、インフラゼロハウスが設置されました。
水や電気を自給しながら、どこでも好きな場所で暮らせる未来の家「インフラゼロハウス」。UR都市機構とMUJI HOUSEが連携し、団地やまちなかでの活用可能性を探る共同実証実験は、南花台団地(大阪府河内長野市)、北ぶらくり丁商店街(和歌山県和歌山市)での実証を経て、震災の記憶を継承し、防災・減災の重要性を発信し続けるこの地へとやってきました。
UR都市機構との共同実証実験の目的や内容については、別のコラムでもご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
9月12日|UR都市機構と「インフラゼロハウス」を活用した共同実証実験が始まりました>
9月25日|インフラゼロハウスが南花台団地にやってきた>
10月31日|インフラゼロハウスが北ぶらくり丁商店街にやってきた>
HAT神戸・脇の浜団地について
HAT神戸は、阪神・淡路大震災からの復興の象徴として整備されたまちです。神戸市中心部から東へ約2kmの臨海部に位置しています。
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の翌年1996年には早くも着工が始まり、1998年には街びらきを迎えるという、驚異的なスピードで復興が進められました。現在、HAT神戸の中心エリアには阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター(以下、「人と防災未来センター」)が立地し、震災の経験と教訓を国内外に発信する拠点となっています。

HAT神戸・脇の浜団地

人と防災未来センター
また、UR都市機構が管理するHAT神戸・脇の浜団地には、「けやき広場」が整備されており、日々の憩いの場であることに加え、かまどベンチや仮設給排水台、防災倉庫などが設置され、防災機能を備えた広場として地域活動のフィールドとして活用されています。

けやき広場

かまどベンチ

仮設給排水台
HAT神戸・脇の浜での実証実験について
今回の実証実験では、HAT神戸・脇の浜団地のけやき広場に、インフラゼロハウスのリビング棟を設置。期間は2026年1月17日から2月8日までの約3週間です。
実証実験では、防災情報の発信や地域交流の拠点として活用されます。脇の浜ふれあいのまちづくり協議会、人と防災未来センター、日本総合住生活、URコミュニティと連携し、以下のような取り組みを実施します。
平時の活用
・地域住民の交流拠点としての開放(予約制)
・防災すごろくや防災カードゲーム、絵本などを常設し、楽しみながら防災を学べる場
・地域の写真展示スペースとしての活用
防災啓発イベント
・かまどベンチを使った炊き出し訓練
・火起こし・薪割り体験
・かまどベンチを使った焼きマシュマロ体験
・水消火器体験、隔て板蹴破り体験
・段ボールベッド、エマージェンシーアルミシート体験
・歯磨きシート、簡易トイレ体験
・防災ワークショップの開催
これらの取り組みを通じて、「いつものもしも」——つまり、日常的に使えるものが、災害時にも役立つという考え方を体験していただきます。インフラゼロハウスは、まさにその象徴的な存在として、平時にはコミュニティの拠点、有事には避難場所としての役割を果たすことができるのです。
1月17日、震災メモリアルイベントの開催
阪神・淡路大震災から31年目を迎えた2026年1月17日。この特別な日に合わせて、「震災メモリアルイベント〜未来へつなぐふれあいと復興の絆〜」が開催され、その一環としてインフラゼロハウスのオープニングセレモニーが行われました。
イベントでは、かまどベンチや仮設給排水台を活用した脇の浜ふれあいのまちづくり協議会による「炊き出し訓練」としてうどんがふるまわれた他、インフラゼロハウス リビング棟のお披露目に合わせて、室内では地域にお住まいの方の写真展示が行われ、多くの方々にご参加いただきました。



オープニングセレモニーには、脇の浜ふれあいのまちづくり協議会 委員長 石田裕之様、神戸市 中央区長 増田匡様、UR都市機構 西日本支社 副支社長 秋田勝広様、株式会社MUJI HOUSE 川内浩司が登壇。それぞれの立場から、この取り組みへの期待や、防災・減災への思いが語られました。また、神戸市中央区のマスコットキャラクター「かもめん」も駆けつけ、会場を盛り上げました。

セレモニーでは、インフラゼロハウスの概要説明の後、登壇者によるテープカットが行われ、参加者の皆さまとの記念撮影も実施されました。その後、インフラゼロハウス内の自由内覧が行われ、多くの方々が実際に体験されました。



1月17日という日に、この場所でインフラゼロハウスの実証実験を開始したことには、大きな意義があると考えます。震災の記憶を継承し、「もしも」のときに備えることの大切さを、体験を通じて伝える。そして、その備えが日常の中に溶け込み、地域のつながりを育む場となる——インフラゼロハウスは、震災の教訓を未来へとつなぐ架け橋として、HAT神戸・脇の浜で活躍することを期待します。
今後の取り組み
実証実験期間中は、毎週土曜日を中心に様々な防災ワークショップやイベントが予定されています。かまどベンチを使った焼きマシュマロ体験、水消火器体験、隔て板蹴破り体験、火起こし・薪割り体験、段ボールベッド体験など、より実践的な防災体験プログラムが予定されています。
イベントがない日は、地域の方々が自由に見学・利用できる開放日として、コミュニティ活動や会議、ワークショップなどに活用していただけます。インフラゼロハウス内には、人と防災未来センターからお借りした絵本や、防災すごろく、防災カードゲームなどを常設しており、子どもから大人まで、楽しみながら防災について学べる空間となっています。

HAT神戸・脇の浜での実証実験を通じて、災害時の共助に資する「くらしのつながり」の醸成、災害時に必要な機能・要素の検証、防災意識の向上や環境配慮に向けた啓発活動を進めてまいります。
震災の記憶を継承し、未来の災害に備える——インフラゼロハウスは、「いつものもしも」を体現する場として、そして地域のつながりを育む拠点として、HAT神戸・脇の浜の地で新しい役割を担っています。
今後も「住まいのかたち」コラムで、実証実験の様子をお届けしてまいりますので、ぜひご期待ください。
当コラムは1月17日時点のものです。インフラゼロハウスの設置期間は2月8日までです。



