無印良品のインテリアアドバイザーに聞く「お部屋を広くすっきりと見せる、収納とインテリアの工夫」

みんなでつくる住まいの手引き | 2025.11.28

「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。

今回のテーマは「部屋が広く見える収納とインテリアの工夫」。「片付けているはずなのに、部屋がすっきり見えない」「収納を増やしたのに、なんだかごちゃごちゃしている」そんなお悩みはありませんか?無印良品のインテリアアドバイザーのかよさんとまみさんに、見た目がすっきりと整い、広く見せるための収納やインテリアの工夫について聞きました。

【目次】
1.無印良品の家の住まい手に聞いた「お部屋のすっきり事情」
2.片付けても部屋がごちゃごちゃして見えるのはなぜ?
3.部屋をすっきり見せるアイデア①「見せる収納」と「隠す収納」を使い分ける
4.部屋をすっきり見せるアイデア②「色」のマジックですっきり感アップ
5.広くすっきりとしたお部屋の実例とポイント
6.部屋を広くすっきり見せるマイルールを決めよう

1.無印良品の家の住まい手の「お部屋のすっきり事情」

「理想通りに部屋がすっきりと片付いている」と回答した方は全体の約2割にとどまる結果に……。多くの方が、もっとお部屋をすっきりさせたいとお考えのようです。お悩みについては、お部屋のレイアウトや場所に合わせた収納アイテムの選び方、見せる収納の使い方など、さまざまなご意見が寄せられました。
(アンケート:2025年11月インスタグラムにて実施)

Q.理想通りにお部屋がすっきりと片付いていますか?

Q.「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けていますか?

Q.お部屋がすっきり見えないことについて、お悩みを教えてください

・ものの住所がきちんと決まっていない(回答多数)
・棚のレイアウトともののレイアウト
・狭いリビングのため、ダイニングとくつろぎスペースの仕切りがうまくできない
・収納家具・用品が収納したいものと場所に合っていない気がする
・使い勝手の良さとすっきりと隠す収納の両立ができない
・見せる収納のやり方がわからない
・クローゼットがないため、ユニットシェルフへきれいに収納するのが難しい

2.片付けても部屋がごちゃごちゃして見えるのはなぜ?

きちんと片づけているつもりでも、なんだかすっきりと見えない。その理由は「目に見える情報の多さ」。たとえ物が定位置に整理されていても、色や形にばらつきがあるなどの理由で情報が多すぎると「ごちゃごちゃしている」と感じてしまうんです。

色・デザインがバラバラなものを並べている
よく目につくのが、日用品や紙袋などのパッケージやラベル。カラフルなもの、大きな文字が書かれているものなど、さまざまなデザインがありますよね。こうしたバラバラなデザインの物は、どれだけ整理して並べていたとしても、視覚的なノイズとなって雑然として見えてしまいます。

洗面所をイメージしてもらうとわかりやすいのではないでしょうか。洗剤、歯磨き粉、シャンプーのストックなど、いろいろなパッケージが見えた状態になっているとごちゃごちゃしますよね(かよさん)

機能性と見た目の両立がポイント
見た目がごちゃごちゃするなら、すべて隠してしまえばよいか、といえばそうとも言い切れないのが難しいところ。頻繁に使うものは手に取りやすい場所にあった方が便利ですし、パッケージやラベルが見えていると判別しやすくなる、というメリットもあります。大切なのは、使いやすさ(機能性)と見た目のスッキリ感を両立させることです。

3.部屋を広くすっきり見せるアイデア①「見せる・隠す」の使い分け

部屋がごちゃごちゃしてしまう人によくある悩みは「収納」。見せる収納・隠す収納をどう使い分けたらいいのかわからない方もいらっしゃるようです。そこで「見せる・隠す」の使い分け方についてご紹介します。機能性を保ちながら、広くすっきり見せるコツを2つの視点で考えてみます。

①部屋の役割で考える
部屋を使う目的に応じて、見せる物、隠す物を分けるという考え方です。リビング、キッチン、洗面所、寝室など、それぞれが何のために使う部屋なのかを考えてみましょう。人によって考え方はさまざまですが、「リビングはリラックスする場所」「洗面所は身だしなみを整えたり家事をする、生活のために必要な場所」など、それぞれの特長が見えてくるはずです。

リラックスしたいリビングであれば、お花や映画のポスターなど、好きなものが見えると心地よいかもしれません。逆に洗面所は、必要な物が手に取りやすい場所にあったり、無駄な動きをせずに済む動線があるなど、効率を重視するとよいかもしれません。

部屋の役割の例

部屋の役割 収納の使い分け方
リラックスして過ごす場所
(例:リビング・寝室)
インテリア性を重視
見せる場所には「好きなもの」を置く
(例:花、アート、趣味の物)
生活に必要な場所
(例:洗面所、キッチン、トイレ)
効率性を重視
見せる場所に「日々使うもの」を手に取りやすい場所に置く
(例:洗剤、シャンプー、調理器具など)

Q.生活に必要な場所の見せる収納をすっきりさせるには?
ちょっとした工夫で、機能性を保ちながら見た目もスッキリ見せることができます。

パッケージやラベルをはずして使う

収納アイテムを使って一部分だけ見せる

②配置の工夫
配置に秩序があると、洗練された印象を与えることができます。また、見せる・隠すにメリハリをつけることも大切。目線の高さを意識した配置などが効果的です。

横一列を見せる収納で統一する
たとえば、扉のない見せる収納を目線の高さに並べて、見えにくい下の部分は戸棚で揃えてみる。列で見た目をそろえるとすっきりとします。

扉付きと扉なしの収納が市松模様に交互に使われているような収納は難易度が高めです(かよさん)

見せたい場所を際立たせる
部屋の一部に、好きな物を飾る見せる収納をまとめ、そのほかの部分は隠す収納にするなど、空間の中に見せる・隠すのメリハリをつけます。

私の場合、隠す収納の中は多少アバウトでも良いと思っています。その分、見せる場所には手をかけてこだわる。物を購入する時も、置く場所をイメージして吟味して買うようにしています(まみさん)

4.部屋をすっきり見せるアイデア②「色」のマジック

インテリアの色を工夫することで、部屋を視覚的に広くすっきりと見せることができます。簡単にお部屋の印象が変えられる「配色の基本」をご紹介します。

3色でまとめる「70・25・5の法則」
空間全体で使う色を、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色に絞り以下のバランスでまとめると、空間に調和が生まれます。

ベースカラー(70%)
壁、天井、床など、最も広い面積を占める色です。部屋を広く見せるために、白など薄い色を選ぶのがおすすめです。
メインカラー(25%)
ソファ、テーブル、ラグ、大きな家具など、部屋の主役となる家具の色です。ベースカラーと色合いが近いものを合わせると統一感がでます。(例:白の壁に木製家具など)
アクセントカラー(5%)
クッション、花瓶、小物、アートなど、差し色となる色です。季節ごとに変えてみるなど、自由に楽しんでください。
色選びに迷うときは、扉や窓枠などの建具の色に合わせるとよくなじみます(まみさん)

5.広くすっきりとしたお部屋の実例とポイント

実際のお部屋を例に、かよさんとまみさんが広くすっきりとしたお部屋に見えるポイントを解説します。

ケース①

【ポイント】
同じ色味をグラデーションで使う場合は(ソファの青と壁の青)は一つのカラーとして考えて大丈夫です。見せる収納を壁際にまとめている点もすっきりと見えるポイントになっています。

ベースカラー
ベージュ(木材の色含む フローリング、テーブル、テレビ台)

メインカラー
ブルー (ソファ、壁のクロス)

アクセントカラー
グリーン(植物、クッション)

ケース②

【ポイント】
やさしい雰囲気の開放的な空間です。背が低い家具を選んだことで、圧迫感もありません。

ベースカラー
ベージュ(木材の色含む フローリング、家具類)

メインカラー
薄いブルー (ソファ、照明のシェード)

アクセントカラー
グリーン(植物、クッション)

ケース③

【ポイント】
白とベージュで構成したワントーンコーディネートです。アクセントカラーに絵画の赤を使っています。ベージュと暖色系の組み合わせで空間の広さとともに上品な印象を与えます。

ベースカラー
白(木材の色含む 家具類)

メインカラー
ベージュ (小上がり・床、ソファ)

アクセントカラー
赤(絵)

ケース④

【ポイント】
大きさも絵画の額縁の色もバラバラな絵画とテレビ周りの本棚が印象的なお部屋。額縁、本棚、テーブル、テレビとすべてが「四角」で統一されている点がポイント。物の選び方や配置に「四角」という規則性を持たせたことで、すっきりとした印象を与えています。

6.部屋を広くすっきり見せるマイルールを決めよう

すっきりした部屋を維持するために、今回お伝えした内容を参考に
「マイルール」を決めてみてはいかがでしょうか?たとえば「よく見える場所には好きなものを置き、目線の下は隠す収納にする」というのはどなたでも実践しやすいルールです。また、コレクションが好きな方は物も多くなるでしょう。まず置き場所をイメージしてから買うように心がけてみるのも一つのルールです。

無印良品の家や無印良品のリノベーション「INFILL 0」は、間仕切りの少ない広々とした一室空間と、住まいをキャンバスのように自由に使えるシンプルなデザインが特長です。ご興味のある方は、ぜひお近くのモデルハウスモデルルームへ遊びにいらしてください。

お話を聞いた人:

無印良品 インテリアアドバイザー かよさん
無印良品歴14年、インテリアアドバイザー歴12年。

無印良品店舗勤務のキャリアを経て、現在はインテリアアドバイザーの育成を行っている。お客様に対しては暮らしを楽しむことを軸にした提案をモットーに、自身でも日々暮らしの中で新しい楽しさに気づきながら工夫することを実践中。何より柴犬が好き。

無印良品 インテリアアドバイザー まみさん

無印良品インテリアアドバイザー歴13年。インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリスト、整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師。

建築設計、リフォームアドバイザーを経て無印良品へ。現在は無印良品西友荻窪店で日々お客様とお話しながら暮らしの提案を行っている。お店のおたよりでも暮らしのヒントを連載中。自宅はグリーン優先の部屋だが、いつかハリネズミを飼って癒されたい。