無印良品のインテリアアドバイザーに聞く「クローゼットの整理収納術」 ②収納編
みんなでつくる住まいの手引き | 2025.10.27
「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。
今回のテーマは「クローゼットの整理収納術②収納編」。衣類はさまざまな形状や素材、身に着ける季節の違いがあり、収納する際も工夫が必要です。暮らしの質が上がるクローゼットの収納術をぜひ知っておきましょう。無印良品のインテリアアドバイザーのかよさんに、整理収納術の後編として「クローゼットの収納」のポイントをお聞きしました。
1.クローゼット収納の基本ルール
2.知っておきたい5つのクローゼット収納術
3.使いやすいクローゼットを維持するために大切なこと
4.クローゼット収納におすすめの無印良品アイテム
1.クローゼット収納の基本ルール
無印良品の家で暮らす方向けに実施したアンケートでは、6割以上の方が「自宅のクローゼットをうまく使えていない」と回答しました(※)。また、お悩みとしては「クローゼットの物が多い」「分類が難しい」「取り出しにくい場所がある」など、さまざまな声が寄せられました。なにかと悩みの多いクローゼット収納。まずはクローゼットを上手に使うための基本をおさえましょう。
※2025年9月インスタグラムにて実施
アンケート結果や衣類の整理のポイントはこちら>>
無印良品のインテリアアドバイザーに聞く「クローゼットの整理収納術」 ①整理編
衣類はどのくらいあれば困らない?
そもそも、1年分のコーディネートにはどれくらいの洋服が必要なのでしょうか。実は、自分で管理できる洋服は1人あたり100着といわれています。おおまかに分類すると、「春秋物」「夏物」「冬物」「その他(部屋着などを含めて)」で各25着ずつ程度です。
ワンシーズンは約3か月=90日分。単純に考えれば、ボトムス、トップス、アウターがそれぞれ5枚ずつあれば、125通りものコーディネートができます。
ワンシーズンあたりの適量の目安

使いやすいクローゼットにするための3つの準備
①使用頻度を考える
使用頻度が高いものほど取り出しやすい位置にしまっておくことは基本の一つ。夏服・冬服といった季節の違いだけでなく、ライフスタイルも意識しながら使用頻度を見極めると、クローゼット内の配置も決まりやすくなります。
【使用頻度の考え方の例】
・オンシーズン・オフシーズンの違い
・仕事用、プライベート用の違い
・普段使いするか、イベントや特別なタイミングだけ着用するか
②デッドスペースの使い方
たとえば、ウォークインクローゼットは、コの字型やL字型の角の部分がデッドスペースになりがちです。取り出しにくい場所は、冠婚葬祭用の衣類など、使用頻度の少ないものをしまうといいでしょう。キャスター付きの収納を使うと、奥まったスペースも有効に使えます。
③自分の趣味嗜好を知っておく
パンツが好き、ワンピースが好き、セーターが好き、など、持っている衣類のバランスは人それぞれです。何をよく買うのか傾向を把握しておくと、クローゼットの使い方も計画的に決めることができます。
2.知っておきたい5つのクローゼット収納術
クローゼットにはいろいろな形状がありますが、基本的には扉を閉めて隠せるため、見た目よりも使い勝手を重視できるという利点があります。着たいものがすぐに見つかり、パパっと出し入れできれば、日々の暮らしも楽になり、おしゃれも楽しくなるはずです。
①たたむよりも「掛ける」

畳んでしまわれた衣類は、しわが気になったり、取り出す際に別の衣類が飛び出してしまったり…となにかとストレスを感じるもの。スペースが許す限り、ワンアクションで出し入れができる「掛ける収納」をフル活用しましょう。最近はハンガーだけでなく、さまざまな掛けるための収納アイテムも販売されていますので、活用してみてください。
Q.たたんだ方がよい衣類はありますか?
セーターなどの分厚い衣類は、掛けると伸びて型崩れしてしまうことがあるので、場合によっては畳んだ方が良い場合もあります。また、薄手の衣類やインナー類は、コンパクトに畳んでも比較的取り出しやすいため、スペースを節約するために畳んでしまった方がよいでしょう。
②掛ける衣類の優先順位
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取り出しやすい位置には使用頻度の高いものを掛けましょう。
手前から、今の時期、よく着る物>週末だけ着る物>冠婚葬祭など特別な機会に着る物の順が目安です。
③種類をそろえて並べる
TシャツはTシャツ、パンツはパンツ、コートはコート……というように、種類別に揃えて並べておけば選ぶ時間も短縮できます。
④ラベリング
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ハンガーや引き出しに、衣類の種類や身に着ける季節、がわかるような印をつけておきます。「これはコート用のハンガー」「ここは靴下用の引き出し」というように収納アイテムの使い道や片づける場所を見えるようにしておくことで、整頓への意識が強まり、適当な場所へしまうことも少なくなります。
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⑤たたむ場合は平置きよりも縦置き
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引き出しにたたんでしまう場合は、平置きで上に重ねるよりも、立てて並べると取り出しやすく、収納量も増えます。Tシャツやデニムなど厚みがある素材であれば、それぞれの衣類がストッパーとしても機能します。倒れてしまうことが気になる場合は、ストッパーを活用します。
小物類やかばんの収納の工夫
①ベルトやネクタイのような長細いもの
ハンガーパイプにフックをつけて掛けておくと、取り出しやすく便利です。ベルトはバックル部分をフックにかければ落ちません。
「選ぶことを楽しみたい」という方は、引き出しの中に丸めて並べておくと、一つ一つのデザインが見えやすくなります。
②バッグや帽子など型崩れが気になるもの
バッグ類はファイルボックスなどに入れて仕切っておくと、無駄なスペースを取らずにきれいな形を保つことができます。布製のバッグは、クルクルと丸めて棒状にするとコンパクトに収納できます。
帽子類はたためるものはたたみ、キャップなどつば付きの物などはフックにひっかけて置くと型崩れが気になりません。
3.使いやすいクローゼットを維持するために大切なこと
一度クローゼットの中を整理整頓したのに、いつのまにかパンパンになってしまった……という経験はありませんか?使いやすいクローゼットを維持するためには収納アイテムの選び方や日頃の習慣がポイントになります。
収納アイテムの選び方
①クローゼットのサイズに合うものを購入する
たとえば、奥行きの合わないカラーボックスなどを置くと、デッドスペースが生まれてしまいます。一般的なクローゼットの奥行きは55~65cmですが、念のため、ご自宅のクローゼットのサイズを測ってから購入するようにしましょう。
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②「掛ける」収納アイテムを活用
使いやすいクローゼット収納の最大のポイントは、出し入れしやすいこと。クリップ付きのフックや掛けられる収納など、ハンガー以外にもさまざまなアイテムがあります。ぜひ活用してみてください。
③衣類が多い人は薄型ハンガーがおすすめ
ハンガーにもさまざまな形状がありますが、手持ちの衣類が多い方やご家族が多い方は薄型ハンガーがおすすめ。スペースを取らず洗濯と兼用できます。
④取り出しにくい場所には「キャスター付きの収納」
コの字型、L字型のウォークインクローゼットの角の部分など、取り出しにくい場所には、キャスター付きの収納が便利です。
4.クローゼット収納におすすめの無印良品アイテム
無印良品の収納アイテムから、特にクローゼット収納に使いやすいアイテムを集めました。
フック・ハンガー

軽量なアルミ素材でつくったS字フック。~直径3cm程度のバー(丸型)に使えます(耐荷重:4kg)。

横ブレしにくい二重構造で、さびにくい18-8ステンレスを使っています。狭いほうは直径3cm、広いほうは直径5cm程度の丸型のバーに掛けられます。バッグなどの大きなものも掛けられます。

さびにくい18-8ステンレスでできた、バーにひっかけて使えるクリップです。

軽量で薄型のハンガー。衣類の肩が、出っ張らないように形状を工夫しています。
【使用例】

アルミ洗濯ハンガーは薄型なので、空間を上手に使えます。右側にS字フックを使ってバッグを掛けています。
ボックス類

幅15cmタイプの幅広ファイルボックスです。(耐荷重:約5kg)。バッグや小物類の収納に便利です。
【使用例】

バッグやたためる帽子などの収納に便利。整列させられるので、見た目もすっきりと片づけられます。

生地の内面をコーティングしたコンパクトにたためる布製ボックスで、整理しにくい小物やおもちゃなどをまとめて収納するのに便利です。
【使用例】

靴下やインナーなどの小物を収納しています。たたむものは平置きにせず、立てて並べておくと取り出しやすくなります。
ホルダー類

麻の風合いとポリエステルの丈夫さを生かしました。普段使いのシャツやタオルなどの収納に便利です。バッグホルダ-や小物ホルダーもあります。
【使用例】

ハンガーポールに通して使います。取り出しやすくスペースも節約できる優れものです。
使いやすいクローゼットがあれば、暮らしの質が高まる
ちょっとおしゃれをしたい日。いざ洋服を取り出したらシワシワに……それは悲しいですよね。いつでも美しく着られる状態を保つことがクローゼットの役割です。ご紹介した収納術を取り入れて、日々の着こなしをお楽しみください。
お話を聞いた人:
無印良品 インテリアアドバイザー かよさん
無印良品歴14年、インテリアアドバイザー歴12年。
無印良品店舗勤務のキャリアを経て、現在はインテリアアドバイザーの育成を行っている。お客様に対しては暮らしを楽しむことを軸にした提案をモットーに、自身でも日々暮らしの中で新しい楽しさに気づきながら工夫することを実践中。何より柴犬が好き。



