排水口のニオイやつまりを予防するお手入れ

みんなでつくる住まいの手引き | 2025.6.26

「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。
あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。

今回のテーマは「排水口のニオイやつまりを予防するお手入れ」。キッチンや洗面台などの排水口のニオイやつまりといったトラブル。特に湿気の多い梅雨時や夏場は気になりますね。排水口のトラブル予防は排水トラップの基本的な仕組みや簡単なお手入れ方法を知って、快適な毎日を過ごしましょう。

【目次】
1.無印良品の家の住まい手に排水口のお手入れについて聞いてみました。
2.排水口のトラブルはどうして起きる?
3.知っておきたい「排水トラップ」のしくみ
4.【場所別】排水口まわりのお手入れ
5.排水口まわりのお手入れに便利な無印良品アイテム

1.無印良品の家の住まい手に排水口のお手入れについて聞いてみました

排水口のつまりを経験したことがあると答えたのは、全体の30%程。お掃除の頻度については、ばらつきのある結果に。キッチン、お風呂、洗面台の排水口は「週1回」と答えた方が多いものの、「ほとんどしない」という方も10%程度という結果でした。
(アンケート:2025年6月インスタグラムにて実施)

Q.排水口のつまりを経験したことはありますか?

Q.排水口掃除の頻度を教えてください

Q.排水口のお手入れのお悩みなどを教えてください

・きれいになっているか見えないのでよくわからない
・奥の方が掃除しにくい
・洗濯機は気になるが、なかなかできない
・掃除してもニオイが気になる
・キッチンの脂が残った感じがきれいにならない
・使ってよい洗剤かどうか、店頭で表示を見ただけでは判断しづらい。

2.排水口のトラブルはどうして起きる?

排水口のニオイやつまりは、日々の暮らしで蓄積する汚れや設備の不具合などによって発生します。改めてトラブルの原因を知っておきましょう。うっかり見落としていることがあるかも?

排水口の汚れ
排水口の汚れは、ニオイやつまりだけでなく、放置するとカビの発生にもつながります。キッチンのシンクであれば、食べカスや油汚れ。洗い物の後に残った汚れが排水口や排水管まわりに付着し、トラブルを引き起こします。バスルームや洗面台の汚れは、髪の毛、石鹸カス、皮脂汚れなど。時間が経つと混じり合ってヘドロ状になるため厄介です。
洗濯機は衣類から出る糸くずやホコリ、ペットの毛などが排水口に流れ込み、トラブルの原因になる場合があります。

排水トラップの不具合
「排水トラップ」という言葉を聞き慣れない方もいるかもしれませんが、実は排水口のニオイ対策にとても重要な役割を担う器具です。わん型のフタがしっかりはまっていない、または「封水(ふうすい)」と呼ばれる水が溜まっていないなどの問題があると、下水からのニオイが直接上がってきてしまうことがあります(排水トラップについては詳しく後述します)。

排水管の汚れ・配管の不具合
まずは排水管自体に長年蓄積された汚れによってニオイやつまりが発生する場合があります。またシンクや洗面所の場合は、排水パイプと排水管のつなぎ目に隙間ができてしまう場合があり、下水からの悪臭が漏れ出す可能性があります。

ニオイやつまりを放置すると・・・
つまりを放置すると、配管内に強い圧力がかかりすぎて破損したり、サビや腐食が進行して配管そのものの交換が必要になる危険があります。気になることがあれば、早めの対処が大切です。

3.知っておきたい「排水トラップ」のしくみ

排水口のニオイやつまりを予防するためには、「排水トラップ」のしくみを理解することがとても大切です。シンクや洗面台をきれいにしているのに、なぜかニオイが気になる…そんな時は、排水トラップをチェックしてみましょう。

排水トラップとは?

排水トラップのしくみ
キッチンのシンク下や洗面台の下の水道管はS字型などに曲がっていますが、これが排水トラップ。下水道からガスやニオイ、ゴキブリなどの害虫が上がってくることをストップするための器具またはしくみを「排水トラップ」といいます。
水道管の曲がっている部分には、常に水が溜まるように設計されています(水封(すいふう))。この溜まっている水を「封水(ふうすい)」と呼びます。排水トラップにはさまざまな種類がありますが、水封のしくみは共通です。

排水トラップのタイプを知ろう
排水トラップには大きく分けて2つのタイプがあります。お手入れの方法が少し異なりますので、タイプを理解しておきましょう。

【1】サイホン型(S字、P字、U字など)
管自体がS字やP字、U字などに曲がっており、その曲がった部分に封水を溜めて下水を遮断します。一般的に洗面台で使われているタイプです。

【2】非サイホン型(わん型、ドラム型)
排水口の下に設置されたわん(椀)状の形をした器具に封水を溜める排水トラップです。一般的にキッチンやバスルームで一般的に使用されています。

4.【場所別】排水口まわりのお手入れ

排水口まわりの汚れを放置するとニオイも気になり、お掃除するのもうんざりしてしまいます。日頃のちょっとしたお手入れや定期的なお掃除を心掛け、清潔な排水口を保ちましょう。

基本的なお掃除(排水管など)

排水口の入口や排水管は、どの場所でも共通の方法で問題ありません。重曹+クエン酸または液体パイプクリーナーを使ったお掃除を月に1回程度行うとよいでしょう。重曹やクエン酸は環境にもやさしい成分です。使用する洗剤に迷う場合は、これらを検討してみましょう。

手順
▼ゴミ受けのゴミのみを取りのぞきます。
▼重曹、クエン酸の順に排水口へ振りかけ、お湯を少量加えます。
▼お湯を少量加えると発泡し、汚れが浮き上がります。しばらく置いたら泡を洗い流します。

※液体パイプクリーナーを使用する場合は、適量を排水管に注ぎ入れた後、しばらく置いてから洗い流します(詳しい方法は液体パイプクリーナーの製品説明をご確認ください)。

がんこ汚れの場合
重曹と酢を排水口に適量かけます。汚れが浮いてきたら、40〜50℃の熱めのお湯で十分に洗い流してください。汚れが落ちない時は、台所用の塩素系漂白剤を汚れにスプレーします。しばらく放置したあと、しっかり洗い流します(詳しい方法は塩素系漂白剤の製品説明をご確認ください)。

\注意点/
・塩素系漂白剤を使う場合は、必ずゴム手袋を装着しましょう。
・排水設備の破損を防ぐため、熱すぎるお湯(50度以上)は使わないようにしましょう。

Q.もしつまってしまったら?
応急処置をして、専門業者へ依頼しましょう。
応急処置にはラバーカップ(つまり取り)で押し流す、またはお湯をシンクや洗面台に溜めて一気に流すなどの方法があります。

場所別のトラブル予防とお掃除

①洗面台の排水口まわり

トラブル予防法
・使い終わった後はお湯(50℃以内が目安)で洗い流す
・ヘアキャッチャーをこまめに掃除する

お手入れ(週2~3回程度)
洗面台に栓をしてお湯(50℃以内が目安)を溜め、一気に流しましょう。お湯が皮脂汚れを溶かしながら、排水口やS字トラップにたまった汚れを押し流してくれます。

②キッチンの排水口まわり

トラブル予防法
・なるべく食べかすや脂を流さない(水切りネットを使うなど)
・食器に付いた油はペーパータオルなどで拭き取ってから洗う

お手入れ(週2~3回程度)
キッチンで多く使われているわん型トラップは、各パーツ(菊割れゴムふた、ゴミ受け、椀トラップ)を取り外して掃除します。

・菊割れゴムふたやゴミ受け
食べカスや油分が残りやすいため、食器用洗剤とスポンジを使って全体をしっかり洗います。細かい部分は歯ブラシを使うとよいでしょう。
・わんトラップ(排水トラップのフタ)
ゴミ受けの下にあるわんトラップは、左に回してから引き上げると外れます。内側と外側をしっかり洗いましょう。軽い汚れはスポンジと洗剤でヌメリを洗い流し、細かい部分は歯ブラシで磨きます。

③バスルームの排水口まわり

トラブル予防法
・へアキャッチャーの髪の毛をこまめに取り除く

お手入れ
バスルームは、一般的にわん型かドラム型が採用されています。お掃除の際は、ふた、ヘアキャッチャー(+わん型の場合はわんトラップ)を取り外して掃除します。

・ふた・ヘアキャッチャー・わんトラップ
お風呂用の中性洗剤を吹きかけ、歯ブラシやスポンジでこすり洗いをします。
・排水口内部の筒状のパーツ
取り外さずにお風呂用の中性洗剤を吹きかけ、歯ブラシやスポンジでこすり洗いをします。

④洗濯機
洗濯機の排水口を掃除する場合、配置などによって洗濯機本体の移動が必要な場合があります。そのため、今回は洗濯槽のお掃除で排水口の汚れを防ぐ方法をご紹介します。

トラブル予防法
・糸くずフィルターの糸くずをこまめに取り除く
汚れたまま使い続けると、フィルターが詰まり汚れが直接排水口に流れ込む場合があります。

お手入れ(毎月~数カ月に1回程度)
あまり目には見えませんが、洗濯槽には洗濯による汚れや衣類の繊維、カビなどが付着します。市販の洗濯槽クリーナーやメーカーが推奨する洗浄剤などを使って洗浄しましょう(ご家庭の洗濯機の取扱説明書をご確認ください)。
洗濯機の使用が少ないご家庭(単身暮らしなど)は2ヶ月に1回程度、家族が多い場合など、使用頻度が比較的高いご家庭は毎月1回程度が目安です。

5.排水口まわりのお手入れに便利な無印良品アイテム

排水口まわりのお手入れに便利な無印良品のアイテムをご紹介します。

ナチュラルクリーニング 過炭酸ナトリウム(漂白・除菌)
排水後、自然に還る成分でできた洗剤です。排水口などの洗浄、洗たく槽の掃除、ふきんや食器の除菌、衣類の漂白に使えます。

参考:ナチュラルクリーニングを使った排水口のお掃除方法

隙間掃除シリーズ ブラシ
狭い溝など隙間掃除用のブラシ。水栓金具のスキマなどのお掃除に便利です。シリーズにスポンジやヘラなどもあります。
隙間掃除シリーズ ポイントブラシ
狭い溝など隙間掃除用のブラシです。排水口まわりや、わん型トラップの細かい部分のお掃除などに便利です。
タイル目地ブラシ
斜めカットなのでタイルの目地や溝に沿ってよごれを落としやすいかたちのブラシです。

排水口まわりは、日々のちょっとした心がけとお掃除を習慣にすることで、ニオイやつまりといった厄介なトラブルを予防できます。梅雨や夏も心地よく過ごすために、ぜひ今日から始めてみてください。